現役の報告・ 2011年11月14日 (月)
2年班夏メイン 屋久島
冬の訪れを感じるこの頃ですが、2年班の屋久島の報告です。
・破砂岳・鈴川
・黒味川・メンガクボ
・モッチョム岳登攀
・破砂岳・鈴川
・黒味川・メンガクボ
・モッチョム岳登攀
2011年9月22〜23日 破砂岳・鈴川
L井ノ上(3 AL田中(5 M高橋(2
9/22 晴れ
鈴川橋(6:40)―蛇ノ口の滝(12:00)―Co700(14:00)=C1
国道から少しはずれたところにある鈴川橋から入渓。Co100の20mの滝を左岸から捲く。上に取水路がある。函地形の中を少し進むがどうも大変そうなので左岸を捲いた。捲いているうちに鈴川大滝への登山道に出くわした。道からはずれてさらに捲き続けると先ほどとは別の登山道に出くわす。道を歩いて適当な沢筋から入渓(Co300付近)。
いきなり巨岩に阻まれる。Lはスラブを登り、ザイル出してMは巨岩の隙間をのぼり、ALは捲く。その後ショルダーの練習をしたりしながら進むうちに蛇ノ口の滝。泳いで遊んだ。滝は左岸の踏み跡を捲く。踏み跡が不明瞭になり、進むうちに楽しみにしていた綺麗だというナメも捲いてしまった。適当なところから下り、Co700まで行って岩の上でC1。
9/23 晴れ
Co700(6:20)―破砂岳ピーク(9:30〜10:40)―車道(13:00)
この時期の行動開始可能時間は6時頃だろう。沢をつめるうちに地形が分かりづらくなる。とりあえず西にのびる沢を進んでいく。Co1020の二股は水が少なくて分かりにくい。最後はブッシュをのぼり、破砂岳北コルに出る。朽木を踏み抜き、ヤスデがうようよ、アリドオシの棘が足に突き刺さる。藪漕ぎはほぼないのだが、違う苦行がある。
コルから踏み跡辿ってピーク。今まで台風だったので、久々の渇きを満喫する。下りの夏道はあまり使われてないらしく、腐熟した急斜を滑り落ちながら下山。
<パーティ>
屋久島の沢を体験
L,AL,M特になし
2011年9月24〜25日 黒味川・メンガクボ
L井ノ上(3 AL田中(5 M高橋(2
9/24 曇り
Co170入渓(9:30)―ケヅメ出口(12:50)―メンガクボ出合(16:15)
朝まで子楊枝川に行く心積もりで準備を進めていた。が、出発前の天気予報によると、悪天が近づくのが予想より早まって行動3日目が悪天になりそうだった。そこで、二日で抜けられる黒味川に変更することにする。しかし、今からの出発では、今日のテン場着時間に間に合わない。
黒味川左岸を走るトロッコ道まで車で近づき、沢の序盤をカットすることにした。「黒味川右岸の林道を車で進み、橋を渡ると左岸のトロッコ道にのれる」との情報を持っていたのだが、右岸林道の先に橋などなかった。支沢を下って一旦黒味川本流Co170に入渓。
渡渉して、左岸のトロッコ軌道を探すも見つからない。シダに覆われてわからないのか、軌道は跡形もない。沢に戻ってそのまま遡行することにした。Co210二股を過ぎるとすぐに巨大チョックストーンとその先のFに阻まれ、右岸を高捲く。捲き終わるころ、突然うしろのMが「うわ、痛っ痛っ!!」と血相を変え狂ったように走り出した。状況もつかめないまま、なんだなんだとみな一目散に逃げる。走りながら、どうやら数匹の蜂に追われているらしいとわかった。しつこい蜂に追われ、ぐんぐん標高をあげると、地獄に仏、そこに捜し求めていた軌道跡が現れた。道で蜂は去って行った。ALは1ヶ所、Mは6ヶ所の被害を受ける。ALのザックには針を刺したまま息絶えた蜂が、Mの服の中には生きた蜂がいた。Lは膝に違和感を覚える。
少しトロッコ道を西に歩くとT字路があり、尾根をのぼると思われる踏み跡があるのでそこをつめた。ところどころにあるピンクテープを辿るがやがてテープがなくなり、不明瞭になったところから同コンタトラバースしていくと軌道跡にでた。
Co500付近のトンネルをくぐったところで道が途切れる。はるか昔は橋がかかっていたのだろうが跡形も無い。唯一対岸の岩壁に橋桁の痕跡を垣間見るのみだ。よくもこんなところに橋をかけたものだと、ケヅメの核心部を前にして我々には捲き以外の選択肢はなかった。(ケヅメとは、Co300からCo500辺りまでのゴルジュ。とくにCo500は人間には無理だろう。)捲くとケヅメが終了し、そこからはひたすら巨岩のっこし、小滝越え。Lの膝がぶっ壊れる。メンガクボ出合、おっこちたショベルカーの近くでC1。ALはヒルにやられていた。
9/24 小雨
C1(6:30)―橋(6:50)―湯泊歩道(11:50)―登山口(16:00)―国道(20:00)
夜から雨がパラついていたが水量は大丈夫だった。Lは膝痛のため戦力外。3段40mの滝の右岸捲くと林道に出て、橋からまた沢に戻る。ひたすら巨岩のっこし。岩が大きすぎて先が見えずRF非常に難しい。右か左か巨岩のっこしか、運任せである。
Co1440からは突如巨岩が消え、まるで日本庭園のような美しい流れとなり、ゆるやかな終焉。Co1480二股を右にとり湯泊歩道へ。シャクナゲがうっとうしいが笹ほどではない。北海道の藪漕ぎと比べれば藪こぎは皆無といってもいい。
歩道を延々歩き林道に出る。林道は一度なぞの車道にでる。少し南にいき分かれ道を左に、また林道になり、やっとのことで国道に出る。(林道にはゲートがあり、登山道まで車で行けない。誰があの登山道を使うのだ。)
この日は車にたどり着けず、神社でコウモリと寝る。翌日、ヒッチで東京から来たお兄さんに車まで乗せていただいた。
<パーティ>
L膝壊す AL特になし M前を行った
2011年10月2日 モッチョム岳登攀
L井ノ上(3 M高橋(2
道路(7:10)―滑り台ルート取り付き(11:30)―黒稜会ルート取り付き(13:30)―テラス(14:00〜14:30)―道路(16:00)
晴れ。前日に入山口予定の沢形を偵察したにも関わらず、当日は予定より一本東の沢形から入山してしまった。が、このときはまだ気付いていなかった。疎林でどこが踏み跡なのかハッキリしないところをただただ登る。Co500あたりで、自分たちのはるか西にモッチョムの壁が見えた。・・・あれ。どうやら間違えたらしいことに気が付き、西に向かって谷を2つ越えた。その間に7mロープを出す。Lはロープをつかんで降りようとしたが、かつってすねを強打。Mは懸垂で降りる。なんとかボルトが打たれた壁まで来られた。とんでもなくでかいスラブは圧巻である。壁は下からでは木が邪魔で概観がつかみづらい。
まず、滑り台ルートに行った。
・滑り台
1p目 30m 5.7 ボルト1本 始めのボルトが高い位置にあり、出だしが怖い。ボルトからは潅木をつないでバンド上の終了点へ。
2p目を見上げると、最初に2本ボルトがあるのだが、その後のピンははるか彼方。ランアウトが怖そう。もともと黒稜会ルートを登るつもりだったので、終了点からバンドを左へトラバースして踏み跡にエスケープした。
・黒稜会ルート
1p目 30m、4級 ボルトは1本 草付の汚い凹角を登る。ここはフリーウェイ1p目と同じ。
トポを見た感じの予想としては1p目終了点から左にフリーウェイ、右に黒稜会ルートと分かれるのだろうと思っていた。しかし、終了点からは左にのびるフリーウェイのピカピカボルトしかなく、右にはただつるつるのスラブしかなかった。終了点から、綺麗なフリーウェイを指をくわえて眺めたあと、懸垂して帰る。
帰り道は赤いテープやスズランテープを頼りに山を下っていくと車道に出た。このテープ道の入り口は車道からでは不明瞭で、「こんなのわかるかぃ!」とMが珍しく叫ぶ。
モッチョム岳南壁の取り付までのテープ道入り口は、国道から車で山のほうへ登って行き、銅淵川付近の電柱『232』の30m西、側溝が山に入り込んでいるところである。後に黒稜会ルートについて調べてみると、再登は出来ないという記述を発見。調べ不足。今回、見て、生きていると確信できたルートは、滑り台、フリーウェイ、デイドリーム。
L井ノ上(3 AL田中(5 M高橋(2
9/22 晴れ
鈴川橋(6:40)―蛇ノ口の滝(12:00)―Co700(14:00)=C1
国道から少しはずれたところにある鈴川橋から入渓。Co100の20mの滝を左岸から捲く。上に取水路がある。函地形の中を少し進むがどうも大変そうなので左岸を捲いた。捲いているうちに鈴川大滝への登山道に出くわした。道からはずれてさらに捲き続けると先ほどとは別の登山道に出くわす。道を歩いて適当な沢筋から入渓(Co300付近)。
いきなり巨岩に阻まれる。Lはスラブを登り、ザイル出してMは巨岩の隙間をのぼり、ALは捲く。その後ショルダーの練習をしたりしながら進むうちに蛇ノ口の滝。泳いで遊んだ。滝は左岸の踏み跡を捲く。踏み跡が不明瞭になり、進むうちに楽しみにしていた綺麗だというナメも捲いてしまった。適当なところから下り、Co700まで行って岩の上でC1。
9/23 晴れ
Co700(6:20)―破砂岳ピーク(9:30〜10:40)―車道(13:00)
この時期の行動開始可能時間は6時頃だろう。沢をつめるうちに地形が分かりづらくなる。とりあえず西にのびる沢を進んでいく。Co1020の二股は水が少なくて分かりにくい。最後はブッシュをのぼり、破砂岳北コルに出る。朽木を踏み抜き、ヤスデがうようよ、アリドオシの棘が足に突き刺さる。藪漕ぎはほぼないのだが、違う苦行がある。
コルから踏み跡辿ってピーク。今まで台風だったので、久々の渇きを満喫する。下りの夏道はあまり使われてないらしく、腐熟した急斜を滑り落ちながら下山。
<パーティ>
屋久島の沢を体験
L,AL,M特になし
2011年9月24〜25日 黒味川・メンガクボ
L井ノ上(3 AL田中(5 M高橋(2
9/24 曇り
Co170入渓(9:30)―ケヅメ出口(12:50)―メンガクボ出合(16:15)
朝まで子楊枝川に行く心積もりで準備を進めていた。が、出発前の天気予報によると、悪天が近づくのが予想より早まって行動3日目が悪天になりそうだった。そこで、二日で抜けられる黒味川に変更することにする。しかし、今からの出発では、今日のテン場着時間に間に合わない。
黒味川左岸を走るトロッコ道まで車で近づき、沢の序盤をカットすることにした。「黒味川右岸の林道を車で進み、橋を渡ると左岸のトロッコ道にのれる」との情報を持っていたのだが、右岸林道の先に橋などなかった。支沢を下って一旦黒味川本流Co170に入渓。
渡渉して、左岸のトロッコ軌道を探すも見つからない。シダに覆われてわからないのか、軌道は跡形もない。沢に戻ってそのまま遡行することにした。Co210二股を過ぎるとすぐに巨大チョックストーンとその先のFに阻まれ、右岸を高捲く。捲き終わるころ、突然うしろのMが「うわ、痛っ痛っ!!」と血相を変え狂ったように走り出した。状況もつかめないまま、なんだなんだとみな一目散に逃げる。走りながら、どうやら数匹の蜂に追われているらしいとわかった。しつこい蜂に追われ、ぐんぐん標高をあげると、地獄に仏、そこに捜し求めていた軌道跡が現れた。道で蜂は去って行った。ALは1ヶ所、Mは6ヶ所の被害を受ける。ALのザックには針を刺したまま息絶えた蜂が、Mの服の中には生きた蜂がいた。Lは膝に違和感を覚える。
少しトロッコ道を西に歩くとT字路があり、尾根をのぼると思われる踏み跡があるのでそこをつめた。ところどころにあるピンクテープを辿るがやがてテープがなくなり、不明瞭になったところから同コンタトラバースしていくと軌道跡にでた。
Co500付近のトンネルをくぐったところで道が途切れる。はるか昔は橋がかかっていたのだろうが跡形も無い。唯一対岸の岩壁に橋桁の痕跡を垣間見るのみだ。よくもこんなところに橋をかけたものだと、ケヅメの核心部を前にして我々には捲き以外の選択肢はなかった。(ケヅメとは、Co300からCo500辺りまでのゴルジュ。とくにCo500は人間には無理だろう。)捲くとケヅメが終了し、そこからはひたすら巨岩のっこし、小滝越え。Lの膝がぶっ壊れる。メンガクボ出合、おっこちたショベルカーの近くでC1。ALはヒルにやられていた。
9/24 小雨
C1(6:30)―橋(6:50)―湯泊歩道(11:50)―登山口(16:00)―国道(20:00)
夜から雨がパラついていたが水量は大丈夫だった。Lは膝痛のため戦力外。3段40mの滝の右岸捲くと林道に出て、橋からまた沢に戻る。ひたすら巨岩のっこし。岩が大きすぎて先が見えずRF非常に難しい。右か左か巨岩のっこしか、運任せである。
Co1440からは突如巨岩が消え、まるで日本庭園のような美しい流れとなり、ゆるやかな終焉。Co1480二股を右にとり湯泊歩道へ。シャクナゲがうっとうしいが笹ほどではない。北海道の藪漕ぎと比べれば藪こぎは皆無といってもいい。
歩道を延々歩き林道に出る。林道は一度なぞの車道にでる。少し南にいき分かれ道を左に、また林道になり、やっとのことで国道に出る。(林道にはゲートがあり、登山道まで車で行けない。誰があの登山道を使うのだ。)
この日は車にたどり着けず、神社でコウモリと寝る。翌日、ヒッチで東京から来たお兄さんに車まで乗せていただいた。
<パーティ>
L膝壊す AL特になし M前を行った
2011年10月2日 モッチョム岳登攀
L井ノ上(3 M高橋(2
道路(7:10)―滑り台ルート取り付き(11:30)―黒稜会ルート取り付き(13:30)―テラス(14:00〜14:30)―道路(16:00)
晴れ。前日に入山口予定の沢形を偵察したにも関わらず、当日は予定より一本東の沢形から入山してしまった。が、このときはまだ気付いていなかった。疎林でどこが踏み跡なのかハッキリしないところをただただ登る。Co500あたりで、自分たちのはるか西にモッチョムの壁が見えた。・・・あれ。どうやら間違えたらしいことに気が付き、西に向かって谷を2つ越えた。その間に7mロープを出す。Lはロープをつかんで降りようとしたが、かつってすねを強打。Mは懸垂で降りる。なんとかボルトが打たれた壁まで来られた。とんでもなくでかいスラブは圧巻である。壁は下からでは木が邪魔で概観がつかみづらい。
まず、滑り台ルートに行った。
・滑り台
1p目 30m 5.7 ボルト1本 始めのボルトが高い位置にあり、出だしが怖い。ボルトからは潅木をつないでバンド上の終了点へ。
2p目を見上げると、最初に2本ボルトがあるのだが、その後のピンははるか彼方。ランアウトが怖そう。もともと黒稜会ルートを登るつもりだったので、終了点からバンドを左へトラバースして踏み跡にエスケープした。
・黒稜会ルート
1p目 30m、4級 ボルトは1本 草付の汚い凹角を登る。ここはフリーウェイ1p目と同じ。
トポを見た感じの予想としては1p目終了点から左にフリーウェイ、右に黒稜会ルートと分かれるのだろうと思っていた。しかし、終了点からは左にのびるフリーウェイのピカピカボルトしかなく、右にはただつるつるのスラブしかなかった。終了点から、綺麗なフリーウェイを指をくわえて眺めたあと、懸垂して帰る。
帰り道は赤いテープやスズランテープを頼りに山を下っていくと車道に出た。このテープ道の入り口は車道からでは不明瞭で、「こんなのわかるかぃ!」とMが珍しく叫ぶ。
モッチョム岳南壁の取り付までのテープ道入り口は、国道から車で山のほうへ登って行き、銅淵川付近の電柱『232』の30m西、側溝が山に入り込んでいるところである。後に黒稜会ルートについて調べてみると、再登は出来ないという記述を発見。調べ不足。今回、見て、生きていると確信できたルートは、滑り台、フリーウェイ、デイドリーム。
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コメント一覧
yabu
投稿日時 2012-4-26 22:53
なんと! 見てくれてありがとう。
いやいや、激ランナウト思い出しただけでお尻がムズムズします。
同志社もたまには北の方にも攻めないといけませんね、オススメの山とか岩あったら教えて下さいな。
いやいや、激ランナウト思い出しただけでお尻がムズムズします。
同志社もたまには北の方にも攻めないといけませんね、オススメの山とか岩あったら教えて下さいな。
INOUE
投稿日時 2012-4-26 18:17
屋久島に行く前に、記録拝見させてもらいました。
すばらしい登攀技術をもっていますね。すごいです。
モッチョムは少し山の要素もあって楽しいところでした。
あのでかいスラブが懐かしいです。
最後の写真はピークからのものです。
今度は北の北海道にも是非
すばらしい登攀技術をもっていますね。すごいです。
モッチョムは少し山の要素もあって楽しいところでした。
あのでかいスラブが懐かしいです。
最後の写真はピークからのものです。
今度は北の北海道にも是非
yabu
投稿日時 2012-4-26 1:01
同志社の者です。2011年の3月にモッチョム岳のミルキーウェイを登りました。ボルトはキレイでしたが(ランナウトしてますが)、ネーミングどおり半分沢登りのようなクライミングでした。
屋久島はアプローチが核心ですね(笑)
最後の写真は本富岳頂上から?
屋久島はアプローチが核心ですね(笑)
最後の写真は本富岳頂上から?