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2011年12月27日-2012年1月3日(8-0)

2011年度冬メイン1年班 裏十勝~原始ヶ原

曙橋先除雪終点~ポン十勝川~十勝川Co980⇔十勝岳直下~下ホロ北コル・1269⇔下ホロカメットク山~シーソラプチ二股⇔・1525~・1083⇔トウヤウスベ山~富良野F尾根末端~秋雲橋~ベベルイ~北布礼別

L田中省(5 AL小池(OB M佐藤 古谷 吉澤(1

<感想>

L:田中省 冬の1年班は原始一択。シーソラプチ川は遠い。

AL:小池 原始よろし。メシうまし。

M佐藤 日に日に野人化していった。バス乗車拒否されなくてよかった。

古谷 人がいないということに加えて虫もいないという環境での山行は快適だった。したから見上げた白い尾根とピークは素敵でした。ありがとうございました。

吉澤 たった1600㍍の下ホロピークでさえ、空がコバルトブルーに染まっているように感じた、なんて言ってみる。

<時間とルート>

12月27日 入山日

曙橋先の殿狩橋先のダム除雪終点(7:10)-ポン十勝川左岸Co920(11:00)=C1

天気:にわか雪時々晴れ

膝痛でメインに行けなくなった3年目に車で送ってもらった。除雪は殿狩橋から少し入った地図上ダムマークのあたりまで入っていた。長期予報によると今年は5年ぶりに強い冬型にならない年末年始になるらしい。一同期待に胸躍らせ入山。

林道ラッセルは膝。ばんばん交代して進む。Mはラッセルが早く頼りになる。Co850のT字路先二つ目の沢型を過ぎたあたりから練習もかねてMに磁石を切らせてポン十勝川Co920付近目指して進む。それにしてもなんと静かな森だろう。たびたび目にする伐採後が痛々しい。タンネの林間を抜けるとCo920付近は一転してハイマツ帯の開けた場所となった。上を見渡すもタンネが薄いためハイマツ帯の脇のタンネ帯でC1。

タンネの巨木に囲まれた快適テンバ。たぶんこの辺どこでテンパってもこんなかんじだろう。しかしこの夏テン狭い・・・。

 

12月28日 美瑛岳アタック→十勝川左岸へ移動

C1(6:40)-Co1260引き返し(8:00)-C1(8:45-10:00)-十勝川左岸Co980=C2

天気:にわか雪時々晴れ

美瑛からの吹き降ろしの音で目が覚めた。朝飯の棒ラーメンはうまく茹でるのに相応の量の湯が必要で少し失敗。風が強そうだが一応白くなるところまで行ってみることにした。

出発準備中にMのシールが切れてテント前引き返し、縫って再出発。ハイマツ帯は直ぐにきれてタンネ林に突入する。Co1100付近から潅木とカンバの林となった。背後の帯広の空は晴れていて、なんとなく行けそうな気分にさせられる。Co1300の斜面下で白くなり始めた。上部はガスで視界2~300m、待つ時間はないので引き返す。青空に向かって引き返すのは裏十勝ならではか。

テン場で休憩して、時間が余ったので移動することにした。林道に戻って林道を行く。この辺の沢は火山性の温水なのか水線の沢は悉く流れていてスノーブリッジも見当たらない。C1から一つ目の沢を橋で渡った後のみ、林道をショートカットした。林道より少し上に行くとハイマツ帯となるようだ。林道脇・863先の端を渡った後、磁石切って・1000にあてる。・1000少し北のCo980付近でC2。密で荘厳なタンネ林に囲まれて眠る。

 

12月29日 十勝岳アタック→引き返し

C2(6:30)-Co1620シーデポ(9:30)-Co2020引き返し(10:50)-C2(13:45)=C3

天気:快晴後高曇り→雪

前日の夜から無風状態が続いていた。概況によると日本海から接近する低気圧は速度を落としたらしい。これは前面が長引くか?C2から十勝川左岸の尾根を目指しアタックに出発した。

途中水線の沢型はスノーブリッジ渡渉。この沢の水は飲める。

尾根に取り付く直前でタンネが切れ、朝焼け燃ゆる十勝連峰が眼前に現れた。準山含めてはじめて見えた十勝の全貌を前にMたちはやや感激気味。実はL-sも密かに感激していた。

左岸尾根は・1275台地上からハイマツ帯となる。そこからは終始ハイマツバリズボでうっとおしい。・1275から北北西の尾根を行く。西は日高、東は東大雪が一望。Co1620付近で一部氷化してきたためシーデポEPとした。

この辺から恐るべき早さで雲が降りてくる。とにかく急ぐしかない。Co1660の尾根分岐にデポ旗。そこからは夏道の西隣の尾根を行く。

Co1860台地上に出てガスガスの視界2~300、Co1860で一つ西の小尾根に乗る。この尾根分岐にもデポ旗を打った。そこから視界100~200となるがあと少しなので進めた。しかし稜線上に出て視界100を切り、風雪も強まってきたため無念の引き返し。ピークまであと10分足らずだろうか、しかし急激な悪化に安全策。

(頂上と聞こえますが頂稜です)

 

帰りは案の定ガスガスでCo1500まで視界2~300。とにかく開けていてわかりにくいためデポ旗は有効だったが、1年班で視界ない中打ちながら進めて帰るような場所ではない。あとは来た道をC2まで。あと1時間天気が持てば・・・悔しい。

 

12月30日 移動日→下ホロアタック

C3(7:00)-下ホロ北コル(10:45-11:45)-下ホロカメットク山(14:00-14:10)-下ホロ北コル(15:55)=C4

天気:曇り時々晴れ

低気圧が抜けたのだろうか。テントを出ると雪は止んでいて風もない。C3から南へ林道に降り、すぐの沢を通過する。遠く下ホロが見える。まるでお菓子のアポロのようだと誰かが言った。

林道が南に向くあたりから、下ホロ北コル目指して、3日世話になった林道から離れる。よく整備された林道だった。

下ホロ北コルまでは樹林内だがラッセルが重くなかなかのアルバイトとなる。Mに樹林内ラッセルの訓練も施しておくべきだったか。

そんなこんなでコルにつき、湿原の北側のタンネ帯にテントを設営。しかしこれは過ちだったことに後になって気づく。

風邪気味のMを一人テン場に残し下ホロへ出かけた。視界∞微風。湿原を過ぎ南側のタンネ林へと入る。

南側の方がタンネが太くまた密生していてテン場にするならこちらがよい。Co1320でタンネは終わり開ける。

背後の境山がBIGだ。まぁまぁ急な斜面をスキーで快調に高度を上げていく。雪は少なく雪崩の心配もない。登るにつれガスが切れ始め、上ホロや原始ヶ原がちらほら見え出した。

Co1450を過ぎる頃には下ホロの真上だけ青空が覗かれ、まるで下ホロにいざなわれるかのようだ。少し登っては周囲を見渡し、感無量な気分。Co1550でシーデポツボ、Co1640付近でアイゼンを履く。ガスは主稜で遮られ、このへんは視界が利いているようだ。最後のステップを越え、メイン初ピークに着いた。

しばし余韻・・・といいたい所だが時間がない。下りはツボで一気に降りる。Lは南東の斜面をスキーで行ってみたが吹き溜まっていて快調な直滑降ができた。コルにつくころには東風。なぜ東風・・・?どうやら今夜低気圧が北海道を通過するという。貴重な2日連続の前面に感謝して下ホロ北コルでC4。

 

12月31日 シーソラプチ川二股へ移動

C4(8:35)-シーソラプチ川Co1100二股(12:30)=C5

天気:快晴

冬型を想定していた我々のテン場は設営方向が全て裏目に出て不快調な夜を過ごした。そんな暴風雪の夜を抜け、一転快晴の移動日。境山アタックのベースとなるシーソラプチ川Co1200二股目指して一路同コンタトラバースを開始した。

移動中は角度によって姿を変える下ホロが魅せてくれる。斜め45度が美しい。南西方向は雲海が広がり、主稜側は気持ち悪いぐらいの青い空。同じ高度でトラバースしているとまるで天空を闊歩しているような錯覚。すこぶる快調だ。

さて予定テン場はCo1200の二股だが、地図読みをミスって一つ手前の右股を下ってしまう。しかしこれに気づくのは翌日のこととなる。

テン場では暖かな日差しの下、シュラフを乾かした。気象庁予報部の、明日は午前中まで穏やかな天候との予報を聞き、大切な元旦のアタックチャンスを逃すまいと4時起床を確認し紅白に年越し蕎麦と大晦日の夜は過ぎていった。

 

1月1日 境山アタック→・1575へ移動

C5(6:30)-1575(8:30-40)-C5(10:00-11:00)-1083コル北東湿原端(12:30)=C6

天気:高曇り→雪→曇り

ぜんざいを食らい、元日は境山でご来光を拝む計画。十勝本峰と同じ轍は踏むまいと早く起床したがなんやかんやで6時30分発。

ハイペースでぐんぐん登っていくと8時6分、雲の向こうにまん丸のご来光を見る。念願かなったり・・・今年はしょっぱなから調子いいぞ。

さて登っていくはいいが境山がやけに切り立っているのが目につく。いや背後から登るのだろうからあんなものだろう。尾根の方角もあっているし・・・。Co1400付近でEPに変える。とにかく上に見える段差に上がれば開けてくるだろう登っていくと、上についたら向こう側は崖。

しばし辺りを見回し、間違った尾根を登っていたこと、そして即ちテン場の位置をミスっていたことに気づいた。現位置は・1575、登っていたのは・1575南西尾根であった。なんてこった正月早々やらかした。・1575、初登でもないだろう。境山の南西はかっこいいなあ・・・

Mに一通りの謝罪をしすごすごと降る。みるみるガスが降り小雪が舞い始めた。テン場につく頃にはしんしんと降る雪。気を取り直してテン場を移動する。そういやLの今年は厄年だった。

計画よりテン場のコンタが低いため・1083へは直で行くことにする。C5から南西に向かった1つ目の水線は温泉ナメ床の沢。しかし探せばあるものでキツネの足跡に導かれCo1130でスノーブリッジ渡渉できた。倒木と岩だろうか、ここ以外では渡渉は難しいだろう。やれば歩いていけそうな浅い沢ではあるが。翌日はF尾根末端に移動することを考慮し、テン場を・1083から少し北へ上げることにした。・1083北東湿原の端でC6。低気圧の通過に備え南東側にブロックを積む。

 

1月2日 トウヤアタック→F尾根末端へ移動

C6(7:30)-トウヤウスベ山(8:30-9:00)-C6(10:00-11:00)-富良野F尾根末端(13:00)=C7

天気:にわか雪後快晴

せっかく積んだブロックも空しく穏やかな夜だった。・1083を経由しトウヤウスベをアタックする。スキーでピークまで。ピークでころあいを見計らうかのようにガスが切れ、晴れ間が覗き始める。ネーベン食ってるうちに主稜も見えてきた。しまった今日は富良野日和だったか、しかしこれは素人には難しい予想だ。

 

遠く境山にガスがかかりさながら海外のビックピークの様相。眼下に広がる原始ヶ原は湿原が点々とありさながらゴルフ場のようだ。

 

これがラストピークになるかもと富良野をバックに全員で記念撮影。

くだりの斜面は適度な傾斜が続き道内屈指の初級者向けの斜面だ。テン場につくと快晴無風に。穏やか過ぎる原始ヶ原で小鳥の囀りを聞きながらしばしの休憩。

次のテン場のF尾根末端までは磁石切って湿原をつないでいく

最初の湿原で開けたところ、雲は主稜でとまり、東の里は雲海の下、西側は原始ヶ原が切れるあたりからガスに覆われていて、原始ヶ原の頭上のみ快晴のようだった。弱い冬型では晴れやすい山域だと思われる。

樹林内の移動もこの空の下では申し分ない。歌いだすMと共にほげほげとF尾根末端まで行き、湿原の脇でC7。今日もうららかな午後をシュラフ乾かして過ごす。

 

1月3日 下山日

C7(7:30)-2の沢左岸尾根末端(11:30)秋雲橋(12:00)-ベベルイ(12:30)-北布礼別(13:15)

天気:暴風雪

強風が吹くと夏テンの中は霜が落ちてさながら小雪が降ったようだ。茶を沸かそうとしたところ、茶食器の蓋がない。どうやら飛ばされてしまったようだ。

猛烈に天候が悪いため、富良野アタックを諦め上富良野岳アタックのベースである2の沢左岸尾根に向かうことにした。ラッセルは深いぬかるみに嵌ったような重さだ。2の沢左岸尾根に着くも樹林内ですら視界がなく、強烈に寒い。明日のラッセルも考え、最終日アタックも下山遅れの可能性ありと今日中に降れるところまで行ってしまうことにした。

ぐんぐん下降していくと左岸尾根末端近くで今メイン初のトレースにあたる。うれしいやら残念やら、トレースを使わせてもらい夏道に降り立った。ラッセルがないとさすがに早い。今日中にいけるかと下山パワーを発揮し、一気にベベルイまで。ベベルイ付近は除雪が入っておらずバス停のある北布礼別までスキーで滑降。バスで富良野まで。もはや常連となった富良野の食事処「ニュー樹海」に赴く。定食を一人二つ頼む者も。三が日にもかかわらず営業されていた安定感はさすが。ニュー樹海の手厚いおもてなしに感謝感激し、満たされた一同は一路高速バスで札幌へ。無人の裏十勝を踏破した8日間の旅が終わった。

 

<パーティ>1年班冬メイン貫徹!

 

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