2013/3/25-4/1(6-2)
春メイン1年班北アルプス報告
和佐府~北ノ俣岳~黒部五郎岳~三俣蓮華岳~
双六岳~西鎌尾根~槍ヶ岳~大喰岳西尾根~新穂高温泉 貫徹!
L田中省(6 AL田中翔(3 M工藤 中野 増田(1
<感想>
L田中省:現役ラストの山行を貫徹で締めくくれてよかった。北海道に比べて気配の薄い山々だったが
山そのものの存在感は遥かに凌いでいた。畏怖を感じたのは初めての経験となった。
AL田中翔:初めての1年班の春メイン、初めての1年班リーダースタッフ、初めての道外山行で初めて尽くしを堪能できた。
槍のピークは一味違った。Lとメンバーに感謝。
M工藤:北アルプスの素晴らしい山々とアルジェリアにバンザイ!
中野:チョンボ多めでしたが、その分成長出来たと思うのでいい経験になりました。
増田:本州の山はスケールが大きく、北海道とはまた違った山を楽しめた。特に槍ヶ岳の迫力は圧倒的だった。
メイン貫徹できて本当に嬉しい。
<時間とルート>
1日目 3/25 入山日 曇→雪
和佐府(12:50)-大規模林道飛越トンネル入り口(15:50)=C1
計画で入山地点とした打保から上がる登山道は最早一般的ではないという情報を地元の人から得たため
急遽入山地点をメジャールートであるという飛越新道に変更した。
変更したとはいえ目と鼻の先にある夏道、和佐府から大規模林道が延びており
そこをスノーシューで歩いて稜線直下の飛越トンネルまで。
トンネルそばから新道の入り口があり、そこでC1。トンネルは冬季閉鎖。
2日目 3/26 樹林限界へ 快晴
C1(7:00)-・1842(9:30)-寺地山(11:00)-北ノ俣岳避難小屋(12:00)=C2
飛越新道を行きすぐに稜線にあがる。夏道上は何もない。・1842から計画のルートに合流した。
無風快晴で暑い。Mがもってきた日焼け止めクリームを拝借し日射を凌ぐ。
北ノ俣岳への斜面は広い。
寺地山から先、吹き溜まりがうねるように発達し南側がややきれている。
特に問題なくCo2050付近にある北ノ俣岳避難小屋まで。ここまでどこでも泊まれる。
小屋は木に囲まれていて下から登ってくるとわかりにくい。
うららかな午後を過ごす。Lは風邪のためダウン。八海山を開封す。
3日目 3/27北アルプス主稜線、槍を目視する 晴→曇
C2(5:50)-北ノ俣岳(8:20)-黒部五郎岳(12:30)-黒部五郎小屋冬季小屋(14:00)=C3
視界∞。避難小屋から西方向の沢からの吹き上げ風強く、気になる~振られない風。
樹林限界はCo2000付近。気温は低くないため風による消耗はそれほどない。
風が強い場所では雪が飛ばされている。広い斜面が続くため硬いがスノーシューで進めていく。
コンタ差600mで主稜線にあがり、やがて遥かに聳える黒槍を捉えた。至るまでの頂の数を数え胸に刻む。
北ノ俣岳ピーク!
北ノ俣岳~黒部五郎岳手前のコルまで局地的に振られない~振られる風。やや消耗した。
主稜上は雪少なく、何もないが南斜面はサンクラストして硬い箇所もある。
黒部五郎岳まで、そこから下りも広く白いため視界いる。黒部五郎岳への登りで急なためEPに変えた。
このあたりからL、Mは息切れ、さすがネパール帰りのALはどんどん上っていく。Co2500を越すと空気が変る。
黒部五郎岳周辺は東側に、黒部五郎小屋まで北側に雪庇発達。恒常風が南~西方向の沢から吹き上げ続けた。
小屋へ白い大斜面を下って冬季小屋でC3。入り口は北側。扉が外開きのため、もし埋没したら出られなくなる。
この周辺はタンネがパヤパヤだが北側に緩くおろせばどこでも泊まれそう。積雪3mで掘れる。
4日目 3/28 停滞 濃霧→曇→濃霧
C3(12:00)-Co2520引き返し(12:30-13:30)-C3(14;00)=C4
気圧の谷の影響で朝からガスガス、昼前に一時晴れてきたためスノーシュー履いて上がってみる。
小屋から急な斜面で尾根筋と樹林を見つつ行く。上にあがるも白くガスガス、樹林限界はCo2500付近。
天気待ちするも時間切れて引き返し。
Mのザックの肩ベルトの付け根が破断寸前であることが判明し待ちながら縫った。
メーカーはマウンテンダックなんとか。作りが悪い。
小屋に戻り雪合戦をしながら高地順応する。
5日目 3/29 三俣蓮華、双六のっこし 濃霧→曇り
C4(11:40)-三俣蓮華岳(14:10)-双六岳(15:30)-・2811下(16:00-16:20)-双六小屋冬季小屋(16:30)=C5
Hの張り出しにより昼前からガスが晴れ始め出発する。三俣蓮華岳手前に岩がありそこからEP。
岩は南側をまいたが硬くカッティングする気持ち悪い捲き。捲き終わって振り返ると北側を簡単に通過できると知る。
北側に雪庇発達し下からだと判別しにくい。
双六岳手前からの小屋に向かう分岐は白い斜面のため双六岳を経由して・2811から大斜面を下り小屋まで。途中ALが天気図をとる。
双六冬季小屋は上引きの扉。風が強いのか付近はガチガチの雪。夕方一時ガス。
翌日の核心に備えパー食の在庫調整、八海山空く。
6日目 3/30 核心の一日 快晴
C5(6:10)-千丈沢乗越(11:00)-槍の肩(14:00-30)-槍ヶ岳(15:30-40)-槍岳山荘冬季小屋(17:30)=C6
西鎌尾根に入る。
初めからEPで出発。南西からの恒常風あるが気にならない風。
樅沢岳の下りは雪稜状。それほど細くはないが下りのためやや緊張する。ステップ決まるのでよかった。
次のポコのくだりは硬く急だがハイマツをつないで通過。
その先は概ね夏道上を行く。一部鎖場あるが問題ない。
千丈沢乗越手前から岩峰が連続する。南西側の夏道を辿って捲いたり、東側の雪堤を使って上をいったりした。
千丈沢乗越を過ぎCo2900付近に核心の岩峰があり、岩の基部を飛騨沢側トラバースするが
非常に硬くカッティングしてステップ作った。滑るとやばい場所で距離があるためMの通過に時間掛かる。
雪面の安定具合を考えるともう少し下部の沢中をトラバースしたほうが良かったかもしれない。
捲き終わると20mくらいの雪壁がありここも硬く前爪登りで尾根上に戻る。
槍岳山荘に着き冬季避難スペースに荷物デポして意気揚々と穂先に挑む。
ペンキが塗られていてそれらしいところを辿っていくと鎖があり岩の上に雪や氷が乗っているが掴みながら進む。一部2級の登り。
梯子をいくつか越えて行くと最後の2段の階段が見えその下まで雪の詰まったルンゼが続く。
鎖埋没しており硬いのでザイル1ピッチfixしてMを通過させた。
最後に80度くらいの階段を上ると槍ヶ岳の先端に立つ。主稜線からさらに一段上の視界、
これを覗かずには全く下山できない山行だった。正にピークハント、一同固く握手する。
下降は梯子場などでab3ピッチ。20m+20m+18mでピンは梯子や鎖のボルト。
Mが一人下降器を忘れたためLが貸してLはクライムダウンした。2年班ならだいたいクライムダウンできる。
ピークからの懸垂は風が強くザイルが舞い上がる。恒例の夕方ガスが広がり始めるころ、冬季小屋に帰還した。
安堵も束の間、湯が沸かず固い雑炊相手にもう1戦。
7日目 3/31 停滞 ガスガス暴風
C6=C7
気圧の谷と低気圧の通過で終日行動不能。飛ばされる風が一日中続いた。
余った灯油で茶を沸かし飲み続けながら、暗晦な小舎の中で新穂高の湯殿を焦がれ惰眠を貪る。
8日目 4/1 下山日 快晴
C7(5:10)-大喰岳(5:40)-西尾根末端(7:30)-新穂高温泉(13:00)
星空に浮かび上がる槍の圧倒的な存在感を背に槍岳山荘を発つ。
大喰岳まで振られない~振られる風で耐風姿勢を挟みつつ通過する。
下界からの西風が沢筋を伝い主稜線で収束し一気に発散されているかのようだ。ただただ強い。
大喰岳で新年度の初日の出を拝んだ。
大喰岳西尾根は岩が出ているが概ね問題ない。ただ上から下まで硬く緊張が続く。
中部まで気になる風、下部から気にならない~無風。尾根分岐や小地形が多く視界のいる尾根。
中部~下部で一部バックステップ。
下部のカンバ帯でM中野が10m滑落し木に踝を強打する。以後遅れ気味に。
右俣谷は大きな沢からのデブリの形跡があったが小さな表層雪崩のみ。
時期や、気温が高ければ藤木レリーフ付近などは運試しとなるだろう通過したくない地形。ラッセルはなかった。
右俣林道にのって新穂高温泉まで。白金の山稜を眺めながら各々札幌への帰途に就いた。
<パーティ>
春メイン1年班北アルプス貫徹
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