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報告_2017.09.06-15(8-2)

岩メイン剱岳

L近藤(5 AL笠井 吉田(2

<時間とルート>

9/6 雨 雷鳥沢キャンプ場(5:30)剣沢野営場(9:30)=C1

雷鳥沢キャンプ場で現地集合してC0する。翌日の悪天が見込まれたため、停滞を1日増やして入山。剣御前小屋までは重荷と冷風で消耗。小屋で30分ほど休憩して体を温める。剣沢小屋でここでのStayを勧められ、警備隊が不在であることと明日までの悪天を考えてここまでとする。訓練から帰ってきた警備隊の方にアプローチの情報をお聞きする。概ね大丈夫そうだ。

 

9/7 雨 停滞C1=C2

雨で停滞。突風でフライが剝がされる。

 

9/8 雨のち曇り C2(6:30)熊の岩(12:10)=BC=C3

雨が弱まるのを待って出発。平蔵谷出合いから夏道が雪渓に消えEP。長次郎谷を登っていくとガスが晴れてきて2日ぶりのお日様に迎えられる。八ツ峰Ⅰ・Ⅱ峰間ルンゼの付近は雪渓が薄く途切れている箇所もあるため右岸捲き。あとは雪渓に乗って熊の岩まで。時間が微妙なのでこの日は取り付きへの偵察に留めた。Ⅵ峰のフェースが眺められる素晴らしいテンバでようやく入山を祝う。

長次郎谷

テンバからⅥ峰

9/9 快晴 BC(5:30)Cフェース剣稜会取付き(5:45)終了(8:45)5・6のコル(9:15)Aフェース中大取付き(9:45)終了(11:30)5・6のコル(12:10)BC(13:00)=C4

快晴の日の出に迎えられてBCを発つ。

Cフェース剣稜会 固い岩で快適そのもの。

1p Ⅱ~Ⅲ 40m 吉田 フェース~バンド~リッジ上のテラス。

2p Ⅲ 40m 吉田 凹角~ハイ松混じりのフェース。ハイ松テラスまで。

3p Ⅲ 40m 笠井 リッジ右のスラブを左上してリッジまで。お日様にあたる。

4p Ⅱ 20m 笠井 リッジ歩き。熊の岩を見下ろしながらの登攀。

5p Ⅱ 20m 笠井 リッジをCフェースの頭まで。

頭から八ツ峰縦走路を慎重にcdして5・6のコルまで。概ね階段状だが部分的にⅢ級程度のcd。

Aフェース中大

1p Ⅳ+ 40m 近藤 凹角に沿ったクラックからフェースを左上。

2p Ⅳ+ 40m 近藤 左の浅いチムニーからカンテ。カムがバシバシきまる。

3p Ⅲ 25m 近藤 ブッシュ混じりの岩を頭まで。

下降は頭からcdして5・6のコルへ40mab。降りると笠井の靴が片方なくなっている。登攀中の写真から八ツ峰縦走路で落としたものと思われ、近藤笠井で縦走路を引き返すとすぐのところに見つかった。ビナをかけていた靴のベルトが岩との摩擦で切れていた。

酒量の危機を感じ始めた。

Ⅵ峰Cフェース剣稜会

剣稜会より熊の岩・源次郎尾根

剣稜会上部リッジ

 

9/10 晴 BC(4:20)チンネ左稜線取付き(6:20)終了(13:30)BC(15:30)=C5

チンネを目指して長次郎谷右俣を登る。BCからEP。朝方は雪が固い。できるだけ雪渓を詰めて、上部は不安定なザレとガレを慎重に進む。池の谷乗越直下は雪渓が詰まっていたため再度EP。急である。池の谷ガリーはガレガレ。三の窓に出ると朝日とチンネがお出迎え。チンネ取付きまでは雪渓上端のザレと岩場を進む。直後にもう1パーティが続き、最後までご一緒することとなった。

チンネ左稜線

1p Ⅳ 30m 吉田 岩棚に上がってフェース~バンドまで。

2p Ⅳ 40m 吉田 バンド左端から縦に溝の入ったフェースをテラスまで。

3p Ⅲ 20m 吉田 段状をピナクル基部まで。

4p Ⅲ 20m 吉田 ピナクルと岩の間をつっぱりを交えて登り、リッジに出る。

5p 40m コンテ

6p Ⅲ 50m 近藤 リッジ裏側のハイ松混じりのフェース~リッジ左の凹角。

7p Ⅲ 25m 近藤 リッジに出てピナクルの前まで。

8p Ⅳ 40m 近藤 目の前のピナクルは上を行き、リッジをT5まで。

9p Ⅴ 40m 近藤 核心。リッジ~ハングを2つ超えてリッジ左の凹角。

10p Ⅲ 30m 笠井 凹角~カンテ。コルまで。

11p Ⅲ 30m 笠井 リッジ。

12p Ⅲ 25m 笠井 リッジ。

13p Ⅱ 40m 笠井 リッジをチンネ頭まで。握手を交わす。

下降は八ツ峰との間にcdしてab2pで池の谷ガリーに降りる。BCに戻るべく池の谷ガリーを登っていると、八ツ峰からガリーを走り抜ける大きな落石があり肝を冷やす。池の谷乗越からの下りは雪渓の脇の岩場をcdして通過。あとは来た道をBCまで。

時間がかかったので夜は反省会。笠井が酒量の危機を救い、酔った頭で神経衰弱をする。

チンネとカサイ

チンネ左稜線より三の窓雪渓

9p目、核心の「鼻」

9/11 晴のち曇り BC(6:30)Dフェース富山大取付き(6:45)終了(9:45)BC(11:00)=C6

昨日の疲れもありのんびり起きる。

Dフェース富山大

1p Ⅳ+ 20m 笠井 ハングを左から捲き、フェースを登る。上部張り出しが核心。

2p Ⅲ 30m 笠井 凹角~左のもろいフェース。

3p Ⅳ 25m 近藤 右寄りの凹角を登って草付き混じりのフェース~ハング下のバンドまで。トポより右を登ってしまったようでⅣ+もなく肩透かし。

4p Ⅲ 40m 近藤 バンドを左に行きリッジまで。

5p Ⅳ 40m 近藤 高度感のあるリッジ。

6p Ⅱ 50m 近藤 リッジを頭まで。

八ツ峰縦走路を下ってAフェース直前でab25mで5・6のコルへ下降。

Ⅵ峰Dフェース富山大

9/12 雨 停滞C6=C7

前線を伴った低気圧の影響で雨。吉田の足元がウォーターベッドになった。「どうしたらいいんだぁ~~」

翌日は天気の状況によって源次郎尾根側壁を登るか剱沢へBCを移すかを考えることにする。

 

9/13 雨のち晴 BC(8:50)剱沢野営場(13:00)C7=C8

起きると雨なので二度寝。雨が止んでから熊の岩を去る。久々の重荷にあえぎながら剱沢野営場まで。夜はまさかの雨。

熊の岩を去る

9/14 曇のち晴 C8(4:15)源次郎尾根取付き(5:10)成城大取付き(7:50)終了=源次郎尾根縦走路(12:30~13:00)本峰(14:40)C8(17:00)=C9

夜明け前からデッパ。平蔵谷出合いまで夏道、そこからEPで源次郎尾根取付きへ。源次郎尾根縦走路は踏み跡明瞭。1回ザック手渡し、1回クレッターに履き替える。いずれも部分的にⅢ級の岩登り。右側からルンゼが合流するコルで登攀準備して中央バンドへ向かう。踏み跡は所々不明瞭でたまに藪をこぐ。成城大ルートの取付きは中央バンドを登ってカンテの裏側にある凹角。取付きの洞穴には昨夜の雨で水が滴っている。

源次郎尾根Ⅰ峰側壁上部成城大ルート

1p Ⅲ 25m 吉田 ブッシュ混じりの凹角を登る。

2p Ⅲ+ 30m 近藤 凹角からカンテを右に回り、凹角基部のテラスまで。

3p Ⅳ 30m 近藤 凹角~クラック~凹角に戻る。テラスを過ぎてからのフェースがびしょびしょに濡れている。スラブ状なのでピンが取れずいやらしい。これを直上してバンドを左へ行き、クラック基部まで。Ⅳ級ながら本山行中最もいやらしいリードとなった。

4p Ⅳ+A0 40m 近藤 クラック直上~左へトラバース~クラック~小さいレッジまで。全員A0。白くて快適な花崗岩の壁を横切る良いピッチ。成城高出身の笠井が魂を震わせている。

5p Ⅴ 40m 近藤 左のカンテを登って上部フェースを右上。ブッシュに突っ込む。

6p Ⅲ 50m 近藤 リッジ上の岩とハイ松を行く。

7p Ⅱ 25m 近藤 リッジ上のハイ松を縦走路まで。

ここからは源次郎尾根を本峰へ向けて進む。Ⅱ峰の下りでab30m。本峰直下の段差で笠井からの落石が2m下のLの左目に直撃。一時うずくまるもかすり傷程度の軽傷で済んだ。その後は急登を剱岳本峰まで。9日目にして初のピーク。感動を胸に夏道を下山。剱岳の夏道は鎖があるものの意外と高度感があって侮れない。丸一日よく動いた日だった。テンバで犯罪的に美味いビールを飲む。

源次郎尾根側壁上部岩壁

剱沢とL

成城大ルート4p目

源次郎尾根より本峰

ピーク!

9/15 晴 C9(7:40)雷鳥沢キャンプ場(9:20)

夏道を下山。ヘリコプターが剱沢のショベルカーを持ち上げる様を目撃する。山岳警備隊の派出所にて石川さんにご挨拶をした。

剱沢より

<パーティ>

岩メイン貫徹

 

 

<感想>

近藤 きらめく花崗岩と戯れた日々はとても楽しかったです。頑張ったALとお日様に感謝。

吉田 岩も周りの景色も美しく、感動と達成感に満ちたメインでした。ありがとうございました。

笠井 パーティに感謝。長さ、高度感、岩質と圧倒的なロケーションの中での登ハンはとても充実していました。アルハイル。

 

 

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