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報告_2019.8.14-21(6-2)

中の川~神威岳~ソエマツ沢~ピリカヌプリ~ヌピナイ右股

-俺達は沢ヤだ!-

L竹中AL井上M青木(3

 

<時間とルート>

 

1日目:林道ゲート(5:10)林道終点(9:30)支七の沢出合=C1(15:00)

快晴くもり 林道ゲートの鍵は開いていたがメインなので歩く。地図上車道記号までは崩壊無し。以降崩壊箇所がポツポツ出てきて少し歩きにくい。支五の沢出合の神威橋は流されていたが林道はまだ続く。林道終点は草だらけで自然と沢に導かれる。Co400S字屈曲までは広い河原で、時折現れるエメラルドグリーンの瀞が美しい。40010m函滝は左岸ルンゼから捲いた。430の十字峡は泳いで中を突破。奥二股までに小さな函が3つ出てきて前の2つは対処容易。最後の函はALが空身で左岸側スラブ状を登り、軽くジャンプからのステミングで落ち口へ。後続はお助けゴボウするが、落ち口で腰がらみ確保していたALを道連れにしてLが水流に飲まれた!重荷と若干の寝不足が原因で、ステミング体勢で水流に触れた片足が耐えれなかった。水を飲んで消耗した。Lはザック釣り上げてもらい空身でゴボウ。本当に2人に助けられた。計画より大幅に遅れて奥二股に到着し、ソエマツ北面沢入り口の右岸台地状でC1。増水はあまり耐えられない。

ザックでプカリ

2日目:C1(7:00)Co1000(10:40)神威岳山頂=C2(13:10)

くもり/小雨 ガンピ焚き火に失敗し1h出遅れる。3日目と繋がないからいいけど。支七の沢は出合から直ぐにナメ、小規模な函と続く。沢が南西に屈曲する手前の函滝は内部突破が難しそうなので左岸の一段高い岩盤をトラバースし、最後の降りる部分はクラックに沿って空身でcd。ザックはLのグリップビレイで受け渡し。屈曲に入るとゴルジュが始まる。捲いたりツッパリで突破したり。捲き道は明瞭。内部突破は殆ど泳いで取り付きなので寒くてツラい。部報12号末武さんの写真のゴルジュはALが空身で泳いで後続お助けゴボウ。その後も適度な難易度の函滝を楽しんで超えていき、2条の滝左岸のシャワークライムで核心部は終了。核心とされる部分は一瞬で終わって少々呆気ない印象で、1日目の奥二股手前の函滝の方が難しく感じた。しかし増水して内部突破となるとかなり厳しそう。680から河原となり720二股辺りでナメ、しばらくして510mの快適に直登出来る小滝が現れる。Co1000は快適テンバ。1000直後の8m滝はホールド豊富だが苔でヌメるため青木が2mほどfallしてドボン。右岸からバンドtrvの方が安全だった。1200までは最大20mのナメ滝がいくつか出るが捲きも直登も可。1200からは小滝がウザいほど連続してヒィヒィ言いながら登る。重荷だとしんどいだけ。5万図には出てこない二股は水量の多い方を素直に進めば、獣道を少し辿ってピークに辿り着ける。ガスガスだが太陽の温かみを感じて気持ちがいい。天気予報によれば今夜は雨風ともに弱いので工夫してタープ張りピークでC2。また、台風の影響で16日の深夜から17日にかけて豪雨と強風が予想されたので、明日は安全圏の林道まで下ろすことにした。恐らく18日も増水停滞なので実質(3-1)でピリカ北西面ヌピナイ右股になりそうだ。

ニコニコゴルジュ

3日目:C2(6:00)Co1000三股(9:40)・404二股(12:00)ソエマツ林道終点=C3 (13:00)

小雨快晴 ガスだと思考停止してても早く準備できる。東面沢への下降始めは微尾根が錯綜していて地図読みが難しい。急な草付きを降りると直ぐにガレ。鋭利なガレなので落石に注意が必要。Co1000三股までにabcdかの判断が5回。(上流から数えて)1つ目の3mCS滝はab2つ目5mCS滝は右岸尾根状を草木繋いで捲く。3つ目10mスラブはブッシュ支点にab4つ目10m滝はcd5つ目はザック吊り下げて空身cd。登る分には簡単で確かにcdだと少し難しいとは思うが、トヨニ右股を下降していれば余裕持って行動できる。ここから再びガレとなり800から南東面直登沢出合まで伏流。650315mは最下段のcdが難しそうなので右岸尾根状から捲き下る。ソエマツ南西面出合はただの河原でテンバには不向き。・404も同様で増水不可。ソエマツ南西面直後に2つ函あるが対処は容易。整った河原を歩いてソエマツ林道終点でC3。あまりの灼熱に変態×2出没。

4日目:C3=C3

雨 読書に耽る。台風は明日16日正午に温帯低気圧に変わって北海道に最接近するらしい。

5日目:C3=C3

強風雨→晴れ 昨夜はなかなかの荒れ具合だった。去年のメインから考えると、明日も明後日も増水で行動は厳しそう。となると(3-0)で打っ込むわけだ。そのためのEsc春別尾根だが、もしこの残り3日の初日が雨なら敗退で8h以上の林道歩きを強いられる。車の回収も考えるとそれだけは避けたい。気象通報によれば、今日の正午には台風10号は低気圧に変わり、明日の天気は良さそうだが増水は引いているだろうか。。。

今年は台風が多いね

6日目:C3(7:40)・404(8:30)Co800三股(11:30)Co860大滝手前=C4(13:30)

快晴 渡渉点は探せばある程度には減水していた。街に災害の恐怖をもたらした台風が、山にいる僕達には2日間の休息を恵んでくれたのはなんだか皮肉だと思った。ピリカ北西面沢は650まで河原が続く。日高の沢全般に言えることだが、河原の流木塊で歩きにくい箇所があるし沢が汚く見えるので残念。800三股まで小滝が出てくるが対処は容易。800三股で4人以上で泊まれそうな快適テンバを発見する。多少の増水なら耐えれそう。直後の10m滝は右岸尾根から高捲き(捲き道明瞭)も右岸をヘツリ気味に登ることも出来る。次の7m滝は右岸直登で簡単。Co830のCS二段滝は右岸から高捲いた。Lがチムニー状の岩から草壁へと20mリードで中間支点はナッツ×2。木を掴んで続きの小滝群もまとめて捲き、ab20mで沢に戻る。Co860大滝はジャン勝者ALが右岸リード中間支点ハーケン、ナッツ、木で明日のためにザイルfix。ハーケンをひとつ残置してしまった。。。C4は大滝とピリカピークが一望できるいいテンバ(増水○)。

7日目:C4(6:00)ピリカ西の肩(11:30)ピリカピーク(11:4512:15)ヌピナイ右股・790上二股=C5 (15:00)

くもり→晴れ 大滝越えると880三股はガレですぐに核心2段30m滝が現れる。Lリードで下段(体感)は中間にハーケン1で真ん中を直登し左岸へ抜ける。上段(体感)は中間にアンクル1で右岸リッジから草付きへ抜け、カンバで終了点を作る。全員抜けるまでに1.5h。そのままab7mで沢に降り、続く数個のナメ滝を慎重に登るとCo1040-20mナメ滝は左岸草付きで捲く。M2ならザイル必要かも。そのまま尾根状に上がってab15mで沢へ。残置シュリンゲあった。15m2段滝は下段を右岸ルンゼで小さく捲いて上段は直登。ここからCo1240二股までずっとガレだが年や時期によっては雪渓が残る深い谷地形。C1240二股の40m滝は右岸の中チムチムニーみたいな部分を登ってテラスに。そこから右岸草付きルンゼをM空身リード30m。中間は灌木×3で終了点は残置ハーケン×2と打ち足した1つ。Mはabで降りてザック背負いセカンドビレイで登る。全員が抜けるのに1h。直後の20m滝は簡単。あとは毎度お馴染み無限ナメ滝を駆け登り、ほとんど藪漕ぎ無しで西の肩に出る。小さいカール地形に泊まれそう。西の肩からピークまでもテントサイト有り。ピーク付近だけ晴れていてめちゃ気持ちいい。しばしホゲってヌピナイ右股に下る。鹿道が沢型に殆ど並走していて鹿道歩く方が楽チン。1300辺りでガレ沢となり無心で下る。トヨニ南峰西面や中ノ岳南面のガレと比べればなんてことない。徐々にナメってきて、明日でもう終わってしまうのか、ハゲ天楽しみだなぁなんて歩いているとALとMが血相変えて登り返してきた。「ヤバい!クマが鹿食ってる!」鹿断末魔の叫びが響き渡って戦慄が走る!怖すぎ!とりあえず静かにその場から離れることにし、右岸の尾根に適当に上がった。トラバースしつつ尾根を下り、現場から充分離れた所で沢に戻る。笛吹きまくり。1000辺りから花崗岩の白いナメが顕著になる。滝は全てcd可でトヨニ右股より数が少なく、難しくない。・790上二股でC5。増水耐えれる。

巨大チョック

8日目:C5(6:10)・507(9:40)ヌピナイ林道丸太置き場(13:00)

下山日なのに雨 C5出るとすぐに美しい釜の連続。基本トラバースで抜けれるが泳ぐしかない箇所もある。ALは嬉々として飛び込むが、寒くてブルブルのLとMはみっともなくギリギリまでへつる。・507手前のゴルジュは右岸を40m近くトラバースするのだが中々シビア。事前情報通りfixが消失していて、ボルトはあるが腐食が著しいうえに途中にハーケン打てるリスもなさそう。ALがザイルをクリップしながら空身で抜けハーケン×2で終了点構築。後続はセルフ掛けつつ抜け、最後のALはセカンドビレイ。あとは河原、鹿道、林道で下山。Lが車回収に自転車1h飛ばすがバッテリーが上がっていてJAFに救助を要請。。。しかも時間切れでハゲ天に行けず敗退したかのような気分で帰るポンコツ三人衆なのであった完。

<パーティ>

2年班沢メイン貫徹

竹中:溺れかける(1日目)、

井上:ハーケン落とし・ギアラック破損(6日目)

青木:2mズリ落ち(2日目)、回収時ハーケン落とし(7日目、核心2段30m滝)

 

<感想>

竹中:今までで一番アツイ夏だった。パーティ、日高、そしてAACHに感謝です。

井上:快適な日高の渓と気の置けないドンパに感謝。

青木:誇るべき同輩と突き進んだウイニングロードは、今までのそれとはひと味もふた味も違う格別なものであった。

沢が少し好きになった。感謝。

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