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日高山脈の地名問題
 今年二月頃、過去の山行記録をまとめていて、現在の国土地理院1/25,000(インターネット版)では、札内川上流の地名が、大幅に変えられていることに気がつきました。具体的に述べます。
  • 「記念沢(キネンベツ沢)」が「札内川」本流になっている(その「札内川」下流は依然として「記念沢」と表記されたままである)。
  • 札内岳から南西へ流れる「札内川」本流は「十の沢川」になり、「九ノ沢(丸ノ沢と表記されていた)」はその支流とされた。
  • 国境独立標高1643から東へ延びる出尾根上の三角点1587.7の名前が「ピラトミ山」となっている。これは、昭和34年発行の1/50,000 「札内川上流」以来「ピラトミ山」だが、1953年(昭和28年)発行の1/50,000地質図「札内川上流」では「ピラトコミ」である。この地質図の地形は当時の国土地理院の地図がもとである。

2006-7-14 野田四郎 (1947)


このことについて国土地理院へ問い合わせたところ、市町村管理の河川名は、市町村がつける、という返事なので、中札内村に問い合わせると、北海道河川課の「北海道河川一覧」との整合性を保つため改名したという返事でしたが、道河川課では、市町村管轄河川の名は該当市町村に問い合わせて記載する、という返事でした。しかも「道河川一覧」には地図がないので、どの沢の名前なのかきっちり決められません。どうやら中札内村の勇み足のようで、これ以外にも様々な矛盾が見つかりました。

しかしこれを放置すると国土地理院では地名は市町村が決めるという建前なので、この地名のままの地図が発行されています。このままでは過去の登山記録だけではなく、地質・動植物などの学術的記録にも大きな混乱が生じます。山の会としてもなんらかの手を打ってもらえないでしょうか。

日高の地名誤記一覧

旧地名現地名2万5千図名所在市町村変更の理由
記念沢(キネンベツ)札内川札内川上流中札内村
札内川十の沢川札内川上流中札内村
ピラトコミ山ピラトミ山札内川上流中札内村転記ミス?
ニシュオマナイシュオマナイ元浦川上流浦河町転記ミス?
カシコツオマナイカシュツオマナイイドンナップ岳新日高町転記ミス?
(コをユに読み違え?)

 
コメント一覧
AACH  投稿日時 2013-9-24 13:50
ふーちゃん さん 情報提供,どうもありがとうございます.
国土地理院は,当該自治体からの要請をうけて地図表記を訂正するようです.キムクシュ上流は大樹町のようですので,町役場を通じて連絡されるとよいと思います.
ふ〜ちゃん   投稿日時 2013-9-24 13:38
こんにちは、地名問題修正への尽力ありがとうございます。

ところで、地形図「歴舟川上流」(旧「ポンヤオロマップ岳」)の表記がすごいことになっているのをご存じでしょうか。
昔から、キムクシュベツ川に「ヤオロマップ川」の表記になっていたのはまあ良いとしても、近年の地形図ではなぜか「マオロマップ川」という聞いたこともない名前になっています。
また、ポンヤオロマップ川、ペンケヤオロマップ川もそれぞれ、ポンヤオロヌップ川、ペンケヤオロヌップ川と誤植されています。
AACH  投稿日時 2013-2-1 21:08
2006年以来,折に触れてAACHで取り上げてきた「日高山脈の地名問題」ですが,2012年7月21日に日高の地名問題について北海道新聞黒川さんの取材記事が掲載されました.これを受けて中札内村から国土地理院へ訂正申請が出され,札内川,キネンベツ,十の沢,ピラトコミ山の誤表記が修正されることになりました.

http://aach.ees.hokudai.ac.jp/xc/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=46
AACH  投稿日時 2013-2-1 10:22 | 最終変更
札内川地名修正に関する1/31の道新記事です.
札内川,十の沢,キネンベツ,ピラトコミ山の誤表記が修正されることになりました.
http://aach.ees.hokudai.ac.jp/cpg-cgi/ph4.cgi?img=130131Doshin
AACH  投稿日時 2012-11-6 10:39 | 最終変更
日高山脈の地名問題で、浦河町の「ニクボシュメシュウベツ川」が「コイボクシュメナシュンベツ川」に、「シュオマナイ川」が「ニシュオマナイ川」に修正されることになりました。
http://aach.ees.hokudai.ac.jp/aach-photo/ph.cgi?img=1352165918
高橋岳(2010)   投稿日時 2012-8-27 17:59
詳しく教えて頂きありがとうございます。
やはりNUPIの方が語感が自然に思えて好きなので、これからもルームではNUPIで行こうと思います。
さわがき   投稿日時 2012-8-24 21:09
「NUBI」「NUPI」は,もともと「草原」を意味するアイヌ語の「NUP」です.これが「川」を意味する「NAI」とくっついて「NUP-NAI」になったものとされています.アイヌ語の音節末の子音である「P」は和人が使う日本語にはない音ですので,「NAI」とくっつときに語尾変化して「BI」となるか「PI」となるかは,そもそも和人には区別できません.その意味で,どちらも正しく,どちらも間違い,ということになるのでしょう.個人的には,ルームが使っている「NUPI-NAI」のほうが近いのではないか,とは思います.
高橋岳(2010)   投稿日時 2012-8-24 18:34
ヌピナイ川はAACHでしか使われない呼び方なのでしょうか?
今は「ヌビ」が一般的なようで地図にも「ヌビ」が使われています。
米山悟(1984入部)   投稿日時 2012-7-31 8:27
日高山脈のアイヌ語地名はカタカナにする時点で多少誤表記もあろうけれど、既に百年慣れ親しんだ(といっても少数の登山愛好家の間だけど)地名をケアレスミスで残されては無念です。
平成の大合併でヘンな市町村名が多数生まれたけれど、ご先祖から繋いだ地名は滅多な事で変えてはいけないと僕は思います。役所を統合整理するのはいいけれど、地名だけは残して欲しい。ヘンな名前を付けないで欲しいと思います。
AACH  投稿日時 2012-7-25 9:36 | 最終変更
2012年7月21日に日高の地名問題について北海道新聞黒川さんの取材記事が掲載されました.
新聞記事は下記の画像をご覧下さい.
http://aach.ees.hokudai.ac.jp/cpg-cgi/ph4.cgi?img=120721Do-shin

要望書は下記にあります(要ログイン)
http://aach.ees.hokudai.ac.jp/cpg/displayimage.php?album=121&pos=30
 
 
 
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