2.静かなる山の旅 河田木貞(かわたみき)/1927/自彊館書店/279頁
河田木貞(1890-1971)銀行家、登山家
東京に生れる。1904(明治37)年、私立京華中学に入学、早稲田実業へ転校するも上野図書館に通って登校せず、停学。1912(明治45)年、中国に渡り上海でしばらく会社員をしていたが、間もなく脚気にかかり帰国。1913(大正2)年、東京銀行に入社、1918(大正7)年、三菱銀行に移る。勤務のかたわら東京、山梨、長野などの山々に広く足を延ばした。南北アルプスや八ヶ岳などにもしばしば足を運んだが、山男としては徹底した低山派であった。「霧の旅会」を設立した松井幹雄(註B-28参照)の共鳴者、協力者の一人。1932(昭和7)年〜1937(昭和12)年、小樽支店に勤務したのを機に北海道の山々や景勝地を歩き廻る。小樽在勤中に「山とふるさと」を出版する。「一日二日山の旅」「山に憩う」「旅に住む」ほか多数の著書、訳書がある。「一日二日山の旅」は、東京近郊の低山を中心にした紀行集で、簡便なガイドブックのない時代、ことに低山に関するものは皆無の時代、この本がハイキングや山旅愛好者達に及ぼした影響は計り知れない。1949(昭和24)年、奥武蔵研究会を設立し、初代会長。
内容
一般の人でも週末に気軽に登山を楽しもうという趣旨で、松井幹雄らが「霧の会」を結成したが、河田はこの会の有力メンバーであり、徹底した低山派であった。本書の出版以前にガイドブック「一日二日の山旅」を出版し、好評で版を重ねたが、本書もこれに準じたガイドブックで、前半は富士山麓周遊や甲州や秩父の1000〜2000m級の山の紀行と随想である。後半は白峰三山(白根三山)と栗駒山紀行である。ガイドブックとは言え、現在のガイドブックとは趣が異なり、地名の考証をしたり、神社仏閣の縁起にふれたり、風土や民族、山村の炉辺物語などが巧みに取り入れられて、すぐれた紀行文となっている。
山岳館所有の関連蔵書
大菩薩連嶺 松井幹雄/1929/光大社
南アルプス 平賀文男/1929/博文館
山とふるさと-寄稿と随想/1933/山と渓谷社
旅に住む日 河田��/1941/日進書院
かひしなの/河田��/1946/山と渓谷社
緑の斜面/河田��/1971/青峨書房
一日二日山の旅 河田��/1978/木耳社
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記念 北大スキー部創立十五周年/1926 |
日本山水紀行/大町桂月/1927 |
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