ヤマレコAACH - 切り抜き一覧
発行日時 | 見出し |
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2021-6-20 12:30 |
余別51点沢↗︎珊内岳↘︎122点沢
余別51点沢↗︎珊内岳↘︎122点沢(沢登り/積丹・ニセコ・羊蹄山)日程:2021-06-19〜2021-06-20メンバー: Iida_2017 mizushu2016コースタイム:写真:倒木の架かった滝25m大滝 難しい巻になる←ほんとか?突っ張る7mFすんげー冷てぇんだわ。もう一生来ないであろう珊内ピーククマさん🐾Co600大滝下から突っ張る前のへつり大物沢型の雪渓大滝超えた後もちょこちょこ小滝があるスペースあり、晴れた日なら泊まりたい大滝。登った横の沢型も雪渓感想:沢一本目。ちょっと早いかと思ったけど,まあ行けました。ちょっと早いけど。長い寒い冷たい痒い。これぞ沢。育てよう,天気予報に負けない心。今シーズン初。ガッツリ動いたので、運動していない体にはかなり大変だった。そんな体で行くような所ではない気がするが、天気予報に負けず沢に行って良かった。やっぱり楽しい。初めてラバーソールの沢足袋を使ってみた。ルームで使っている人が少ない気がするので心配していたが、案外問題なし?得手不得手はあるものの、ぬめりの無い所のフリクションは抜群だった。気になっている人は使ってみるのもありだと思います。
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2021-6-19 11:37 |
小樽/赤岩
小樽/赤岩(アルパインクライミング/札幌近郊)日程:2021-06-19(日帰り)メンバー: saito1987 Yanke1987写真:西壁3p目西壁側稜3p目西壁2p目感想:西壁周辺にてやんけ先生と懐かしのマルチ。・西壁ノルマル3p・西壁側稜3p(途中1p目終了点からフリー「春の日」なんとかOS)・西奥フリー「上を見て」OSのちトップロープで遊ぶ・44フェース「おやすみ」のちトップロープで遊ぶそよ風の吹く赤岩にはAACH関係者が多く集っていた。
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2021-6-16 21:35 |
巨大イグルーと陸奥湾への滑降
こんにちは、イグルスキー米山です。 大きすぎるイグルーは壁が高くなってサイロになってしまいます。失敗の常道なんですが、それでも屋根を塞げる奥の手があります。きょうはそれを発見した記念すべき山行の話です。 袴腰岳が2つ!今回も津軽半島の袴腰岳のイグルーです。津軽半島には20km離れて袴腰岳が2つあります。紛らわしいのですが、今回は北の袴腰(半島最高峰)です。 だいたい、袴腰と烏帽子と茶臼は日本中あちこちにあります。どれも山の形から名付けた昔の日用品です。袴腰は袴を付けた姿、つまり富士山みたいな形良い台形山の名に付きます。ちなみに烏帽子はとんがり帽子なので尖った山、茶臼は丸い釣り鐘型が多いようです。茶臼というのは、円筒形の石臼の、携帯タイプのものです。戦国武将は茶道がたしなみで、小さい石臼を持ち歩いてゴリゴリと抹茶を挽いたのではないでしょうか。 またも鉄道&イグルー半島スキー今回も鉄道入山です。道南方面から海峡トンネルを越えて来る仲間と青森からの私とが、駅で合流。秘境なので、駅でいきなりスキーを履いて出発です。 登れるだけ登ってラッセルして、泊まる時間になって、まだ標高は低いけどイグルー作ります。若いメンバーにイグルーづくりを練習がてら任せたのですが、大きく作りすぎ、刑務所の壁ができてしまいました。 それに標高が低いと日中気温がプラスになることがあるため、積雪の質が重く固くなり、使いづらいブロックばかりになってしまうのです。イグルーは、気温の常に低い標高の高いところのほうが楽に作れるわけです。短いブロックをいくら積んでも壁は高くなるばかり。このパターンは手が届かなくなって屋根ができないやつだ・・・。 2時間過ぎたあたりで、奥の手、木の枝を梁にする手で、あっという間に解決し、杉の葉のはみ出した屋根で、荷をほどきました。やってみるとこれがずっこけるくらい簡単なのです。見栄えは悪いのですが。 奥津軽の名峰山脈を越えて陸奥湾に滑降標高は低くても、豪雪地の上、登山者も一般人も含めて、ここは人類のいない貸し切り山です。流行らない山を地形図で見つけ計画するほど楽しいことはありません。 遠景の、山麓のブナの冬枯れの薄茶色が、雪面の中に幾重も波のように模様を描いています。低く垂れ込めた雪雲が陸奥湾の上を滑り歩き、対岸の下北半島の岸壁帯がときおり日を浴びて輝いて居ました。 帰路はバス、それから鉄道途中でシールを落としたメンバーもいて 外ヶ浜の海岸通りの集落に下山したのは日が暮れてから。それでも最終路線バス4分前にバス停に滑り込みセーフ。バスは貸し切りでした。 津軽半島山脈を東から西へトンネルくぐる鉄道で入山して、山の上を西から東へ横断して、また蟹田の鉄道駅へ。 ここで函館方面へ帰る二人と青森へ帰る私でお別れ。 イグルーの屋根は枝を渡せばあっさり解決する、ということを発見してしまった歴史的な山行です。 きょうはここまで。またね。 山行記録: 津軽半島最高峰 平舘山脈横断 袴腰岳、丸屋形岳 2012年01月14日(2日間) 十和田湖・八甲田, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com
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2021-6-14 23:57 |
ストーブ列車イグルー半島
こんにちは、イグルスキー米山です。 きのうまで簿記3級試験のため、しばらくブログ更新お休みしていました。いやあ、難しかったです。再開です。初夏、イグルーとは最も縁遠い季節ですが、相変わらずテーマはイグルーで行きますよ。 津軽半島山地青森県の北には右に下北、左に津軽半島の2つの半島があります。標高は1000mちょっとですが、青森は標高0mでも根雪の土地です。雪山の難易度は標高ではなく、植生で見ます。北極に行ったら海岸でも厳しいですよね。風よけになる木が無くて、気候が厳しいから木も生えないからです。津軽半島山脈にはよその人には無名でも、麓で見上げれば格好いいし、登れば満足の山脈がそびえ立っています。きょうは津軽半島の脊梁を東から西へ横断したイグルー山行の話を紹介します。 入山も下山も鉄道私が北大山岳部だった昭和末期までは、まだ北海道にも廃線間際の鉄道があり、乗り継いで駅で泊まって山に行きました。山スキーと大きなザックを背負って、うっすら雪の載ったシバレる駅のホームに降りる情緒、まだ津軽半島では健在です。青函トンネルの津軽海峡線があるから、在来線も残っちゃっています。ありがたいです。 稜線の吹き溜まりにイグルーブナ林の稜線の、ちょっとした段差の地形のところに吹き溜まりがあり、そこに下から出入りするタイプの4人用イグルーを作りました。広く作れば快適なのですが、いつも面倒になって小さめになってしまいます。 海と平野と大倉岳と袴腰岳脊梁山脈の2つの山頂をつなぎ、ブナの林の中をスキーで進みます。海と平野の上を雪雲があっちに行ったりこっちに行ったり。冬の津軽は基本的に雪雲の中です。標高の高い八甲田などは、ガスガスのビュウビュウで、登っても滝壺の中を泳いでいるようなものです。この1000m以下くらいの雪山が、全天候でも安心して山スキー山行ができるエリアなのです。意外に。 下山ルートも鉄道、しかも骨董車両津軽鉄道の終点駅に滑り降りて、スキーをたたんで車両に乗り込むと石炭の匂い。昭和中期のストーブ列車を、今も続けている骨董鉄道です。 テーマパークじゃなくて本物なんです。ストーブの前の席は、みんな座りたいから、交代です。スルメ焼いたり、清酒を飲んだりもします。よそ者はこれで盛り上がっていますが、隣の客車では沿線住人が日常で使っています。シーハイルの五所川原高校や太宰治の生家もこの沿線です。 私の4年の青森時代でも、指折りの美しいラインどりの計画でした。日程さえ取れれば、山脈イッキ北上もしてみたかった。この半島はサキッチョまで行っても鉄道駅がある、よい立地なのです。 きょうはここまで、またね。 山行記録: 津軽半島脊梁の山越えとストーブ列車(大倉岳、袴腰岳) 2010年01月30日(2日間) 十和田湖・八甲田, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com |
2021-6-14 4:03 |
S crack 屏風岩Ⅱ峰
S crack 屏風岩Ⅱ峰(フリークライミング/大雪山)日程:2021-06-13(日帰り)メンバー: sy2017コースタイム:写真:下部の草付きは慎重に登る帰りに撮影②3p目2p目 帰りに撮影①7番大活躍For Answer1p目核心を越える 右のクラック全景
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2021-6-13 5:24 |
鹿島槍ヶ岳 東尾根
鹿島槍ヶ岳 東尾根(積雪期ピークハント/縦走/白馬・鹿島槍・五竜)日程:2021-05-03〜2021-05-05メンバー: Kashiken imuraコース状況/その他周辺情報:1日目(6h):大谷原駐車場(6:30)東尾根取り付き(6:45)一ノ沢ノ頭(10:00)二ノ沢ノ頭(11:30)手前の稜上=C1(12:30)大谷原の広めの駐車場に車を止めて、林道を進む。林道がS字カーブを描いたあたりで・1251を目指して適当なところを上がる。急とのことだったが、それほどでもなく、一息で・1251まで。東尾根を2時間ほど歩くと十分に雪が出てきた。途中引き返してきたパーティとすれ違う。本日乗越し予定だったが、悪天なので、引き返してきたのだそうだ。一ノ沢ノ頭手前くらいでアイゼンを付ける。一ノ沢ノ頭は広いピークで晴れた日の幕営には最適。二ノ沢ノ頭までは途中ナイフリッジっぽい箇所が出てくるが問題ない。この日、二ノ沢ノ頭ピークは風の通り道になっているようで、少し戻ってC1とした。ブロックを結構積んだが、夜はあらゆる方向から風が吹き荒れ、うるさい夜を過ごす。イグルーを短時間でかつどこでも掘れる技術を身につけたいと感じた。2日目(12h):C1(5:30)第一岩峰基部(7:30)第二岩峰基部(10:30)鹿島槍北峰(14:00)鹿島槍南峰(15:30-15:45)冷池山荘北の稜上=C2(17:30)二ノ沢ノ頭から30分ほど進むと雪壁の急登が始まる。比較的急登の雪壁を一段登ったら、そこからはダブルアックスに変えて、コンテで進む。シングルアックスでも対応可能だが、ダブルが使えると行動がスピーディーになってよい。コンテで30分弱登ると第一岩峰直下。ここで泊まれるとの情報だが、それほど広い場所ではなかった。・第一岩峰(2p):基部手前からスタカットで中央の雪壁を登る。1P目はザイルスケール40mほどでトラバース手前まで。I氏リード。2P目は雪壁を斜上して、簡単な雪壁をロープいっぱいまで伸ばす。K氏リード。ここは雪が少ない場合はドライツーリング的となり、難易度がやや上がるそうだが、すべて雪壁登攀に終始した。第一岩峰から第二岩峰までは雪稜をトラバース。雪庇と滑落に注意しながら進む第二岩峰手前のトラバースは急なので、慎重にコンテで進んだ。第二岩峰基部ではヘリの救助を待つ4人パーティと出会う。彼らは5/2に入山し、2日間も第二岩峰直下の狭いコルで悪天をやり過ごしたそうだ。ヘリのダウンウォッシュの影響で行動ができないため、K氏が1P目を登った後に救助終了まで30分程度待つこととなった。幸いこの日は快晴だったので、スピーディーに救助活動が行われたようだった。救助隊員の手際、配慮が素晴らしく、感動。学生時代にこの場面に遭遇していたら、人生変わっていたかもしれない。・第二岩峰(1~2P): 先行パーティが1段上がったところで1Pを切ったので、それに合わせる形で登攀開始。1P目はK氏。15mほどの簡単なピッチ。2P目はかぶったチムニーを超えるのが核心。男前じゃんけんで見事勝利したI氏は苦戦しながらも見事に突破。残置ピンもあるが、信用ならないので、カムは数個持ってきたほうが安心して登攀できると思われる。終了点は灌木。第二岩峰からは高度感のある雪稜登高が続く。天狗尾根の頭を過ぎ、鹿島槍北壁の稜線で先行するパーティのトレースを辿っていたところ、K氏の右足が突如宙に浮く。2×5mくらいの雪の塊が北壁に落ちたのだった。とっさに左足に重心を乗せ、後ろにのけぞって事なきを得たが、落ちていたら確実に死んでいただろう。落ちたら終わりという意識を常に持っていたものの、漫然とトレースを辿ってしまっていたことが原因だ。この経験からトレースでも雪庇踏み抜きする可能性があることを改めて再確認し、その後の行動はより注意深く行動するように心がけた。この直後、これまで前を進んでいてくれた先行2人組パーティに代わり、ラッセルを行い鹿島槍北峰まで。このパーティは本日ずっと先頭を進んでくれており、申し訳ない気持ちがありつつも、先にピークを踏ませていただく。南峰の最後の登りは急な雪壁なので、注意する。最初にロープを出してからロープをしまわずずっとコンテで進んだ。雪が緩んでいると怖いかもだが、今回は雪が締まっていたので、快適に進む。南峰から冷池山荘までもおおむね雪があった。なだらかな尾根を下り、冷池山荘テンバ付近でC2。登ってきた東尾根、劔や立山、北アルプスの山々など360度の大展望を望める最高のテンバ。3日目(5h):C2(6:00)赤岩尾根ノ頭(6:30)西俣出合(9:00)大谷原駐車場(9:30)雪の状態がそれほどでもなさそうだったので、夏道沿いのルートを選択したが、やはり稜線を忠実に下ったほうがよかったと思われた。雪の状態から西沢(赤岩尾根の南側の沢)を下ることも可能と思われたが、念のため赤岩尾根を下る。尾根上は雪が残っている箇所が多く、終始アイゼンを付けて下った。あとは林道を大谷原まで。写真:
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2021-6-13 5:23 |
日光 赤岩滝
日光 赤岩滝(沢登り/日光・那須・筑波)日程:2021-06-12(日帰り)メンバー: Kashiken imuraコース状況/その他周辺情報:西ノ湖入口バス停(10:00)赤岩滝下(11:00)赤岩滝上(14:30)西ノ湖入口バス停(16:00)バスの発着所のある赤沼駐車場は満車で車を停められず、1キロほど離れた三本松駐車場に駐車。赤沼から西ノ湖入口まではバスで20分ほど。1時間ほど歩いて、赤岩滝取り付きまで。赤岩滝は立派な多段の大滝(全部で120mほど)。最も落差の大きい滝は右側の壁が弱点でそこを登る。水流際なら右側だと思われるが、ラインは見いだせなかった。下部は右側からノーザイルで登り、木が生えたテラスからスタカットに切り替えた。1P目(?,40m):土のついたスラブを登る。岩は脆いので注意。ホールドは草をつかむのが有効。錆びた残置支点を利用できるが、自分で支点を作る場合はハーケンが主となりそう。残置支点が3つあるポイントでビレイ。2P目(?,25m):土のついたスラブを1段上がると、傾斜の強い壁があり、これが核心。フットホールドが細かく、フエルトの沢靴なら厳しいが、残置支点は豊富にある。滝の落ち口でビレイ。3P目(?,20m):最も落差の大きい滝を超えると、次の10m前後の滝。これは右の草付を登る。意外に傾斜があり、落ちると終わりなので、スタカットで行くのが無難。滝の落ち口でビレイ。4P目(?,15m):傾斜の緩い滝を左から登る。残置支点は少ないので、支点はハーケンや灌木でとる。滝上の灌木でビレイ。5P目(?, 10m):7m程度の滝を右側から巻き気味に登る。登攀終了後はシカの食害で植生がほとんどない右岸の踏み跡を辿って二股まで。あとは歩きやすい登山道をバス停まで。写真:感想:メイン山行で大滝登攀を狙っているなら、良い準備山行になると思われる。またシーズンの早い時期から登れるので、足のそろったパーティであれば、シーズン初めの足慣らしにもよく、もっと登られてもよいのではと感じた。
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2021-6-6 3:56 |
シシャモナイ登攀(大滝、クレイジー、大スラブ)
シシャモナイ登攀(大滝、クレイジー、大スラブ)(アルパインクライミング/積丹・ニセコ・羊蹄山)日程:2021-06-05〜2021-06-06メンバー: Takenaka2017 nikonikoaokazu aach_17inoue Iida_2017コースタイム:写真:身体に悪そうな黒煙と業火から逃がれる大滝上流はこれ以外ブタ沢爆海風で逆流する飛沫が気持ちいい対岸の火事2p目初登ルートは水量多くてとてもテンバの岩。1pだが長くて良い。爽快でしたクレイジー1p目水色がロクスノに載ってた(だいたいの)初登ライン1p目感想:初登の記事を読まなければシシャモナイ大滝を登ろうなどという発想は出てこなかったと思う。自分の登攀対象の幅を広げてくれた初登者の方々に感謝したい。
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2021-6-6 1:50 |
S峡発電所エリア
S峡発電所エリア(フリークライミング/大雪山)日程:2021-06-06(日帰り)メンバー: saito1987 sy2017写真:中川惜しくもOSならず溶結凝灰岩台地を穿つ石狩川の流れ岩塔の頂上から1年目鈴木期待の新人岩塔頂上から残雪の黒岳凌雲ライトハンドドリーム1p目3年目中川余裕の登り登ったのが左奥の岩塔発電所エリア最難ルートへ挑む佐藤ライトハンドドリーム2、3p目遠望ライトハンドドリーム3p目クラックを繋ぎ、岩塔の頂上へライトハンドドリーム1p目無事OS!感想:最近の現役・若手OBの登攀力に驚いた。自分もまだまだ精進が必要だな。
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2021-5-31 12:21 |
Scrack 岳エリア
Scrack 岳エリア(フリークライミング/北海道)日程:2021-05-29(日帰り)メンバー: sy2017 nikonikoaokazu写真:奥立岩黒蛇 11a ★★★黒部源流やられました龍樹 11d ★★ツチノコ 5.10a感想:土曜日は岳エリア再訪 龍樹再登できて嬉しい。黒蛇は相変わらず最高のルートでした。開拓者に感謝。日曜は奥立で朝活。雨でも登れるけどやっぱり湿ってた。
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2021-5-30 11:50 |
小樽赤岩
小樽赤岩(アルパインクライミング/札幌近郊)日程:2021-05-30(日帰り)メンバー: saito1987 inoue2009写真:不動岩稜側壁黒い凹角テーブル岩稜4p目テーブル岩稜2p目直上感想:現役時代の登り残し、黒い凹角を登る。AACH花井さん初登だったような。(ブラックカミン⇒ブラックチムニー?シュバルツカミン?)
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2021-5-28 22:54 |
イグルー講習会@青森八甲田
こんにちは、イグルスキー米山です。 今回ははじめてイグルー講習会をしたときの話です。 青森の山岳会で、講習会をしました2008年に青森に転勤した時、青森の山岳会(山岳同人たがじょ)に入って、八甲田、白神、津軽、下北半島の山を登りました。 引越し先でその土地で登る人達には、さまざまなことを教わります。この山にはこの山の事情があります。 たとえば八甲田の樹林限界以上のところは冬の間は吹雪が絶えず、登っても彷徨うだけで、かえって1000m以下の山のほうが楽しく登れることなどを知りました。だって標高0mから積雪2〜3mで山みたいなものなので。 総勢25人でイッコずつ・個性さまざま萱野茶屋という、八甲田の中腹の牧場のようなところに集まって、イグルー講習をしました。 はじめにイッコ作って見せて、それぞれ皆で作ります。人それぞれ、性格が反映されて面白いです。 この頃はまだ、長細いブロック式も幅厚の壁式も、私自身意識しておらず、たいして教える言葉も持たず、ただやってみせるだけだったのですが、カンのいい人は一度見たら自分の中でコツを掴んで次々と作り上げていきました。 ビバーク用突貫イグルー練習この講習では、雪山で一人で孤立した時になんとか夜を過ごすための緊急イグルーも作りました。 追い詰められた精神状態でも落ち着いて夜を過ごす、30分ほどで作れる小さいイグルーです。 ここ、萱野茶屋は、1902年、日露戦争を前に八甲田雪中行軍の訓練山行中に疲労凍死した青森陸軍第五連隊の200人も通過しています。わずか百年前の近代化した日本人は、冬山登山の基本的な行動技術も知らずに大きな犠牲を払いました。いまここは酸ヶ湯温泉まで通年除雪され、車で行き過ぎるだけの場所です。 いつか、青森第五連隊と同じルートを、スキーで八甲田縦断し、遭難地あたりでイグルー泊してお弔いをしたいと思っています。青森の人達はユーレイが出る、と怖がっていますが、彼らの話をきいてみたいです。 山行記録: 八甲田山麓・萱野茶屋周辺イグルー構築稽古会 2009年02月01日(日帰り) 十和田湖・八甲田, 講習/トレーニング / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com きょうはここまで、またね。 |
2021-5-26 22:13 |
11月でもイグルー・大雪山、黒岳北稜
こんにちは、イグルスキー米山です。 きょうは冬一番のイグルーの話、11月です。 大雪山は冬山のハツモノ登りに行くところ大雪山の黒岳は北面が切れ落ち、その壁なり、リッジなりを登るザイルルートがあります。初冬に登る冬山一発目の山です。日本で一番冬が早い北海道で、一番標高が高い大雪山、そして一番早くリフトが動くのがここ。 北大山岳部の一年生は、だいたい11月3日の連休に大雪山の旭岳、23日の連休に十勝連峰の上ホロカメットク山周辺で冬山をスタートします。12月まで待てませんッ!!
ガスに煙る北稜をイグルーで狙う標高1790mに良い吹き溜まりを見つけた。積雪後一週間も経てば新雪ではない。吹き溜まっていればイグルーができる。周りは藪も出ているが、首尾よく3人用を作る。1時間ほど。中は別世界、イグルーは天気待ちに最適。風は当たらず、外が見える。 このときは11月だし、雪が十分無かったら困るとテントも持っていったけど、もういらない事がわかった。テントで天気回復待ちをすると、たたんですぐ出られないし、アイゼンも履いたまま待てない。イグルーならホイホイ出発できる。全然違う。 天気はこちらの休日日程に合わせてくれない。諦めて下る。 きょうはここまで、またね。 |
2021-5-25 7:42 |
小樽赤岩 東大壁
小樽赤岩 東大壁(アルパインクライミング/札幌近郊)日程:2021-05-15(日帰り)メンバー: Takenaka2017 nikonikoaokazu Nakagawa2019コースタイム:写真:aカンテフォローの平野さんdカンテ1p目bクラック1p目となりの♯syコンビ感想:無雪期赤岩修了も近い。東大壁は高度感あって楽しいし北大ルートは素晴らしかった。しかしもう5年目だというのに色々な場面で自分の未熟さ、要領の悪さを感じた。
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2021-5-25 3:25 |
雷電【北西壁ダイレクト、ドーム壁スラブルート】
雷電【北西壁ダイレクト、ドーム壁スラブルート】(アルパインクライミング/積丹・ニセコ・羊蹄山)日程:2021-05-15(日帰り)メンバー: hazuki2012r midori428コースタイム:写真:スラブスート1p目3p目スラブスート3p目5p目1p目感想:無雪期の記録をほとんど見ないのはブヨとウルシのせいか。やたら時間がかかってしまった。想像より岩もしっかりしてて快適だしおもしろいのでもっと登られてもいい。
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2021-5-24 22:21 |
笈ヶ岳(おいづるがたけ)の深山イグルー
こんにちは、イグルスキー米山です。 きょうは秘境の山旅から、白山北方稜線のイグルー山行の話です。 飛騨、加賀、越中の三国境は笈ヶ岳、深山です。笈ヶ岳という山は、登山道が無いのに名峰として知られる山です。ちょうど三国(三県)の境で、どこからも遠い。北アルプスに負けないくらい長い白山の山脈の中で、白山本峰に次いで存在感を放つ山です。しかも山頂には、8世紀やそこらの古い白山信仰の修験道の残した仏具があったといいます。 こういう奥深い山へは、雪で藪が埋もれた時期にイグルーで迫るのがイグルスキーのやり方です。富山県境川ダムの脇の尾根から入山して31km、飛騨の白川郷まで3日間です。 初日はミゾレ、ずぶ濡れになりながらイグルー作る4月上旬でミゾレの中稜線へ。稜線はマイナス4℃。ブロックを適当に乗せればくっつくという楽勝な雪コンディションで、30分ほどで2人用イグルーを立てる。体はずぶ濡れだけど、4月はこんなもの。 二日目は好天。大山脈を南下する。マイナーな山名が多いけど、一応10の山頂を縦走する。どれも修験や山人が名付けた古い名前だ。 大門山だいもんざん(1572m)、赤摩木古山あかまっこやま(1501m),見越山みこしやま(1621m)、奈良岳ならだけ(1644m)、大笠山おおがさやま(1822m)、笈ヶ岳おいづるがたけ(1841m)、仙人窟岳せんにんいわやだけ(1747m)、国見山くにみやま(1680m)、瓢箪山ふくべやま(1637m)、三方岩岳さんぽういわだけ(1736m) 笈ヶ岳は里から一番遠いところ雪の季節に3日かければ来られるけど、その3日がなかなか休めない現代日本人。このときもやりくり調整して作った3日だった。職場調整と、相棒と、その家族の同意と。そして天候と体調。これらがすべて揃って、美しく描いた計画を実践できる。この立案も相棒松原氏。 イグルーは、メインの山が最も格好良く見える所に建造したい。歩きながら近づいて、「ここだな。前でも後ろでもなく、ここだ。」写真を撮る、三脚を立てるときと同じ。 イグルーを例によって短時間で作ってしまって、夕暮れの小ピークでブラックニッカを飲む。紅く染まりゆく白い山並と、まだ樹氷の落ちきらない、遥か稜線や谷に点在するブナの、光る木立がきれいだ。日が傾いて行くと、そこが広い海であることが分かってきた。日本海だ。線香花火の最後の一時のような紅い玉が沈んでいった。月は半月、ほぼ真上だ。 記録より 笈ヶ岳南面はちょっと難しい
白川郷へと向かう稜線は極端に細く、その谷底がクラクラするような高度感あり、そこをスキーでソロソロと乗り越える、結構難易度の高いルートになります。道もなく、人の手を拒む山として残ったのには理由がありました。 きょうはここまで、またね。 山行記録: 大門山→大笠山→笈ヶ岳→三方岩岳(白山北方スキー縦走) 2003年04月09日(3日間) 白山, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com |
2021-5-22 23:07 |
絶景のイグルー・常念岳の巻
こんにちは、イグルスキー米山です。 きょうは私のふるさとの山、常念岳の2020年2月イグルー山行から。 常念は松本平の王様どんな鈍い人でも、冬の松本で北アルプスを見たら、あれはなんだ、かっこいい!と思う山。それが常念岳です。 「松本城天守は、常念岳が一番かっこよく見える場所に築城した」 「松本の城下町は、常念の左肩に槍ヶ岳が見える範囲に築いた」 というのが、戦国山城めぐりをしてきた私の、証拠の無い確信です。 常念岳を、クラシックルートから登りたい江戸時代1828年に槍ヶ岳を開山した播隆上人は、小倉の住人の案内で、信州側から槍を目指しました。当時のルートは今の島々、釜トンネルのバス道路ではありません。あそこは峡谷でした。 三郷村(現安曇野市)の小倉から直登して鍋冠山、大滝山から越えたと思われます。槍ヶ岳山荘の穂苅さんの書いた本では、当時このルートで上高地入りし、徳沢経由の飛騨越えルートが開発されたのだそうです。鍋冠までの夏道は少し前の国土地理院地図には載っていましたが今はどうでしょう。実際にはほぼ踏み跡が切れ切れで一般ルートとは言えません。 それでも大した藪ではないし、かなり良い登路だと思いました。問題は、雪の硬さの見込みを間違えスキーを持っていかなかったため、大滝山までに二泊もかけてラッセルをしたことです。 でも、時間はかかったけど、この間の針葉樹林はすごく雰囲気の良いところで、ズボズボのラッセルをしながらも幸せを満喫しました。これぞ深山幽谷。 大滝山で針葉樹林を抜けると、見慣れた常念岳が真横から姿を見せました。常念は、松本から見るときと90°違って前常念への吊尾根が出て、横に伸びた象の頭みたいな形になります。 松本中から丸見えのポイントにイグルー大滝山の長細い山頂部の一番北側にイグルーを作りました。そこから眺めるとウチの実家は、信州大学の敷地の南の、付属中学のヒマラヤスギの木立のやや右です。松本城本丸の松林や筑摩神社の杉林など、大きな森があると場所の目処が付きます。よく知っている町の俯瞰はいくら見ていても飽きません。背後には蝶ヶ岳の裏に穂高岳も見えるのですが、盆地を見下ろすのが楽しいです。 住みかの町から見上げる空との境、山の稜線をすべてあるきたいというのが、高校生の頃からの密かな願いでした。常念岳、蝶ヶ岳、大天井岳というような有名峰をつなぐ稜線は夏の縦走で道もあるので中学生の時に歩いているのですが、鍋冠や黒沢山というようなシブシブの山嶺は、今だからこそ歩ける大人の山なのです。ようやく故郷に帰って、着手できるなあ、と思いました。 常念岳直下にもイグルー翌日4泊目は蝶ヶ岳の冬季避難小屋で防風を避けているうち、ここで泊まるか、となり、その翌日に常念を目指しました。山頂からの下りで、もう一回、松本平を見下ろす所にイグルーを作って5泊目に泊まりました。このあたりには、学生時代にも北海道から登りに来て、イグルーで泊まりました。1989年でした。 住む町から見える山に登ったあとは日々山を見上げて、「あそこを歩いた」、「あそこにイグルー作った」、と思い出します。バスを待ちながら、信号待ちで立ち止まりながら、常念を見上げる。これが松本に住む魅力です。 山行記録: 厳冬期常念岳・鍋冠、大滝山、蝶ヶ岳から縦走 2020年01月31日(6日間) 槍・穂高・乗鞍, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com |
2021-5-20 23:20 |
南アルプス絶景イグルー
こんにちは、イグルスキー米山です。 南アルプスの百名山荒稼ぎ山行の話です。 イグルー2つで南部の名山荒稼ぎ17 年前、名古屋に住んでいた時、南アルプス南部の未踏だった3000m峰を一気に登りました。天候に恵まれ、悪沢岳(荒川三山)、赤石岳、聖岳を巡って満腹でした。そのときのカギはイグルーでした。広河原から入山して大聖寺平にいぐるーを 作り、荒川三山を往復、その後赤石岳を越えて大沢岳山頂にまたイグルー、聖岳を往復して、遠山郷へ下山というルート取りです。 大聖寺平のイグルー平たい所に竪穴掘りながら積んだ、かなり保守的なイグルーです。荒川岳往復を中日でしたので二泊しました。一日経ったらもう堅固。二人100kg乗っても壊れません。 大沢岳山頂イグルーこれは絶景です。山頂です。背後には聖、正面には明石。死ぬ前にもう一回、ここでイグルー泊したいものです。 きょうはここまで、またね。 山行記録: 荒川岳、悪沢岳、赤石岳、大沢岳、中盛丸山、兎岳、聖岳 2004年04月14日(6日間) 塩見・赤石・聖, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com |
2021-5-19 22:19 |
槍ヶ岳の真正面イグルー
こんにちは、イグルスキー米山です。 テントではちょっとコワい場所のイグルーシリーズです。 弓折岳山頂イグルー、2018年2月新穂高温泉から蒲田川左股をぐっと奥まで進み、鏡平の西の尾根を直登して弓折岳山頂にイグルーを作りました。狙いは鷲羽岳です。山深いところにあるので、まだ未踏でした。百名山を全部登る気は特にありませんが、まだ登っていない名峰(素敵な山)は百名山であることも多く、どうせ登るなら、夏の沢を直登するか、厳冬期で行きたいもの。人の作った道に世話になって登るのではもったいないです。 退路に最適、地形の変わり目にイグルー弓折岳山頂にイグルーを作った理由は、視界がなくなると尾根の下降点がわかりにくいからです。ここに泊まっていれば、日数不足で下山するときにホワイトアウトでもただ磁石で方向を切って下れば良い。下降点を探すのに困らないからです。これより奥に泊まると、視界がないときはかなり苦労するはずです。このさき双六岳をトラバースして三股山荘から鷲羽岳を往復するコースは、視界が見えていないと地形が難しいからです。 鷲羽岳、幸運なアタック、帰り道に罠イグルーから鷲羽岳への往復は片道5時間の1日仕事です。双六小屋から三俣山荘の間は、だだっ広い雪原のトラバースで、視界がなければスピードはガタ落ちです。白い闇の中を最速で進むことはできません。行きは好天、美しい鷲羽岳がおいでおいでと手招きをしていて、僕らは吸い寄せられるように山頂に到達しました。 しかし、帰路、天候は変わりました。広大な黒部川源流の風景を徐々に霧が覆い、三俣山荘を過ぎたあたりで完全なホワイトアウトに。 イグルーが作れれば全然怖くない地図と磁石ではるか彼方の弓折岳イグルーに帰ろうとしますが、視界が数mの白い闇では、到底スピードを出して進めません。山での判断は一刻を争う競技スポーツのようなスピード感はありません。数時間後に打つ手がなくなってしまわないように、立ち止まって冷静に考えさえすれば、生還できることが多いのです。 今夜はこのあたりで泊まろう、というのが最適解でした。私はイグルーが作れます。こんな時、ツエルトだけならどんなに寒くて心細いだろうと思います。ザックを下ろしてノコとスコップを出そうとしたところで、「相棒が三股山荘の冬季小屋を掘ろう」と提案しました。 結果、大雪原のホワイトアウトで小屋を探し当てるのに小一時間彷徨い、地下3mほどに埋もれた冬季小屋の戸を掘り返すのにも1時間かかりました。中は真っ暗、物置のようなところでした。持っていたマットと、非常用防寒アタック装備を全部着込んで、行動食をむしゃむしゃ食べて、シュラフカバーに入ってザックに脚を突っ込んで眠りました。 でも確信した。イグルーを作れる自信があると、どんなホワイトアウトも全然怖くない。最高に自由な気分だった。 絶景のイグルー翌日、視界は悪かったけれど100mくらいは見えるようになったので、一日かけて弓折岳のイグルーに帰還しました。槍ヶ岳を真正面に見るこのイグルーは最高の立地でした。もう一泊して笠ヶ岳を往復してもいいくらい。でも、一山行にメインは一つがふさわしい。あまり欲張らないほうがいいと思います。雪のコンディションもよく、下りは延々長い斜滑降で弓折岳の南の谷へ滑り降りました。 山行記録: 《北ア》新穂高温泉から鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳厳冬期アタック 2018年02月18日(5日間) 槍・穂高・乗鞍, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com きょうはここまで。またね。
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2021-5-19 22:19 |
槍ヶ岳の真正面イグルー
こんにちは、イグルスキー米山です。 テントではちょっとコワい場所のイグルーシリーズです。 弓折岳山頂イグルー、2018年2月新穂高温泉から蒲田川左股をぐっと奥まで進み、鏡平の西の尾根を直登して弓折岳山頂にイグルーを作りました。狙いは鷲羽岳です。山深いところにあるので、まだ未踏でした。百名山を全部登る気は特にありませんが、まだ登っていない名峰(素敵な山)は百名山であることも多く、どうせ登るなら、夏の沢を直登するか、厳冬期で行きたいもの。人の作った道に世話になって登るのではもったいないです。 退路に最適、地形の変わり目にイグルー弓折岳山頂にイグルーを作った理由は、視界がなくなると尾根の下降点がわかりにくいからです。ここに泊まっていれば、日数不足で下山するときにホワイトアウトでもただ磁石で方向を切って下れば良い。下降点を探すのに困らないからです。これより奥に泊まると、視界がないときはかなり苦労するはずです。このさき双六岳をトラバースして三股山荘から鷲羽岳を往復するコースは、視界が見えていないと地形が難しいからです。 鷲羽岳、幸運なアタック、帰り道に罠イグルーから鷲羽岳への往復は片道5時間の1日仕事です。双六小屋から三俣山荘の間は、だだっ広い雪原のトラバースで、視界がなければスピードはガタ落ちです。白い闇の中を最速で進むことはできません。行きは好天、美しい鷲羽岳がおいでおいでと手招きをしていて、僕らは吸い寄せられるように山頂に到達しました。 しかし、帰路、天候は変わりました。広大な黒部川源流の風景を徐々に霧が覆い、三俣山荘を過ぎたあたりで完全なホワイトアウトに。 イグルーが作れれば全然怖くない地図と磁石ではるか彼方の弓折岳イグルーに帰ろうとしますが、視界が数mの白い闇では、到底スピードを出して進めません。山での判断は一刻を争う競技スポーツのようなスピード感はありません。数時間後に打つ手がなくなってしまわないように、立ち止まって冷静に考えさえすれば、生還できることが多いのです。 今夜はこのあたりで泊まろう、というのが最適解でした。私はイグルーが作れます。こんな時、ツエルトだけならどんなに寒くて心細いだろうと思います。ザックを下ろしてノコとスコップを出そうとしたところで、「相棒が三股山荘の冬季小屋を掘ろう」と提案しました。 結果、大雪原のホワイトアウトで小屋を探し当てるのに小一時間彷徨い、地下3mほどに埋もれた冬季小屋の戸を掘り返すのにも1時間かかりました。中は真っ暗、物置のようなところでした。持っていたマットと、非常用防寒アタック装備を全部着込んで、行動食をむしゃむしゃ食べて、シュラフカバーに入ってザックに脚を突っ込んで眠りました。 でも確信した。イグルーを作れる自信があると、どんなホワイトアウトも全然怖くない。最高に自由な気分だった。 絶景のイグルー翌日、視界は悪かったけれど100mくらいは見えるようになったので、一日かけて弓折岳のイグルーに帰還しました。槍ヶ岳を真正面に見るこのイグルーは最高の立地でした。もう一泊して笠ヶ岳を往復してもいいくらい。でも、一山行にメインは一つがふさわしい。あまり欲張らないほうがいいと思います。雪のコンディションもよく、下りは延々長い斜滑降で弓折岳の南の谷へ滑り降りました。 山行記録: 《北ア》新穂高温泉から鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳厳冬期アタック 2018年02月18日(5日間) 槍・穂高・乗鞍, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com きょうはここまで。またね。
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2021-5-18 0:40 |
冬のトドを見る・積丹のイグルー
こんにちは、イグルスキー米山です。 きょうは北海道で、トドを見に行ってイグルーを作った話です。北海道と言えばクマ、シカ、キツネです。しかしもうひとつ、忘れちゃいけないトドがいます。冬になると、もっと寒い千島、サハリンから「南国の」北海道に来て、ぬくぬくして、暖かくなると帰っていきます。人が近づけない断崖絶壁の海岸に、何百頭もきています。 北海道に居た2005年、私がイグルー術を伝授した北大の登山愛好学生Cさんが卒論のテーマで、このトドのウオッチングをしていました。場所は積丹半島の断崖海岸です。沿岸の自動車道路はトンネルに潜るので、トドにとっては人が全く来ない安全なところです。何百mもの崖の上から岩礁を見下ろすと、ぞろぞろ居ました。 このポイントは、車では行けず、山スキーを履いて延々藪山をトラバースした末にある急な藪の雪面です。雪山を自由に歩く、冬山登山愛好家にしか行くことができない場所です。 雑木こそ生えていますが、雪の斜面の先は断崖になっていて、たいへん危険な場所でもあります。Cさんはここに毎日通い、トドの数を数え、もうおなじみの個体の識別もして、望遠鏡でストーカー的に観察していました。 こんな吹雪の吹きさらしで張り番とは。なんて過酷で素敵な卒業論文だろう。北海道大学にはこんな地味で忍耐のいる野生動物や自然科学の現場研究者がたくさんいます。 ベストポイントにイグルーを作ってプレゼントしました。 トドは、積丹沿岸の漁場の魚を網を破いて遠慮なしに平らげてくれるので、周辺の漁師には死活問題です。やりたくはないけど鉄砲で脅かしたりもしますが、ほとんど効果がありませんでした。一匹が一度に食べる量は、軽トラ一杯分くらいは軽いのではと思いました。 トドの体には、焼印がついているものもありました。カムチャツカでの研究者が個体識別のために付けたそうで、ロシア文字です。荒っぽいですね。他には、海洋ゴミのポリバケツの底の抜けたものが、襟巻きみたいに首から外れずに困っているトドもいました。漁師も辛く、トドも辛く、この海を生きていました。 一部のトドは函館にまで来ていました。函館山の東海岸は、30万都市のすぐ脇なのに断崖の秘境で、陸から楽には行けない場所です。私はときどき、東海岸のトドを見に出かけました。函館山の上にもイグルーを作って見たいと思っていましたが、果たさずに町を離れました。 きょうはここまで。またね。 |
2021-5-16 9:55 |
赤岩 大壁
赤岩 大壁(アルパインクライミング/札幌近郊)日程:2021-05-15(日帰り)メンバー: nikonikoaokazu aach_17inoueコースタイム:写真:ゼロ1p目逆層の凹角1p目ゼロ1p目終了点から感想:逆層の凹角はケミカルに飼い殺された人を解放するだろう。。
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2021-5-14 21:48 |
イグルーはマルかシカクか
こんにちは、イグルスキー米山です。 きょうはそのそもイグルーは円形マストなのかという話です。 見かけはドームなんだから始めから丸く掘って積むイグルーのみかけは半球ドームです。なぜドームかといえば、構造上一番屋根が作りやすいから。だんだん壁が真ん中に寄って行って、最後に穴が狭くなるから屋根が閉じるわけです。壁は傾けなければならないので、倒れることとの戦いです。真っ直ぐな壁は倒れやすいけど弧を描いた壁は倒れにくい。だからドームなのです。 自然な発想で疑いもなくずっと雪の上に円を描いてブロックを掘り始め、円筒の竪穴の周りに丸くブロックを積んでいました。 でも居住スペースは四角形だ最近になって気がついたのですが、人の居住スペースはシカクの方が住みやすい。部屋だって四角いしテントだって底部はシカクじゃないか。自然界には存在しない直線が、人間にとっては快適な住空間なんだ、ちょっと寂しいけど。 それにブロックだって円筒形の竪穴から一辺が弧になったブロックを取るより、四角い豆腐型や長い板状を切り出すほうが、工作には適している。こうして最近は円筒の居住スペースではなく、四角い部屋の上に丸くドームを作るように変わって来ました。 話を聞けばあったりまえなんだけど、30年も先入観に囚われていました。まだまだイグルーは進化しますぞ。 将来は立方体のイグルーもやってみよう最近あみだしたトレンチ切り出し法を使えば、天井に浴槽のフタみたいなブロックをかけて三葉虫の腹状の屋根に作ることも可能です。わざわざエッジを効かせた四角い壁を建てちゃって。 もっと悪ノリすれば、ヘルヴェチアヒュッテ風のイグルーも作れるかも知れないぞ! いや、五層の松本城天守も作れるかも・・・。もうそなると札幌雪まつりですね。 きょうはここまで。またね。 |
2021-5-12 21:58 |
以前は私もダサかった・アルベロベッロとラテルネンデッケ
こんにちは、イグルスキー米山です。 きょうは私のイグルー技術も変わってきているという話です。 以前は私も難しい方法しかしらなかった以前のイグルー作り写真を見ると、ブロックの上側をどんどん傾けて、隣同士をもたれあわさせて作っていました。きのうのブログで15年前の函館時代のイグルー写真を見ていて気が付きました。今の方法とは違います。 ずいぶん前から講習をしたりしていますが、昔のやり方だとやはり誰にでも作れるというわけにはいきません。それでも上手な人は作ってしまうのですが。この方法でも雪が悪くなければ40分で作れますが、いきなりは難しいです。 今の方法の肝は二つ その一・幅広せり出し・アルベロベッロ法壁の厚みを持たせ、幅のあるブロックを載せて内側にずらし、段々に壁を内側へ寄せる。つまり、ブロックの上面を内傾させない。内傾させると、どんどん積んだ上のほうは急になり最後は滑り落ちるからです。 これを思いついたのは、イタリアのアルベロベッロの世界遺産、粘板岩の瓦を積んで作る三角屋根の住宅の村を訪ねたときです。 素材が平たい岩だから傾けたら危ないですよね。昔、屋根のある家に課税する役人が来る日に、「屋根なんかねえよ!」と、すぐに取り外せる屋根の住宅を作ってとぼけたのが由来だとか。 重ねる板の幅が、内側にせり出す長さに対して十分あるならば、落っこちないのですね。限度はあるけれど。村の景観が、まるでイグルー講習会やった時みたいだったので思いつきました。 その二・長細ブロック組み上げ、ラテルネンデッケ法長細いブロックで円弧の縁に橋掛けをすれば、どんどん屋根はふさがります。これはラーメンどんぶりに置いた箸や、井桁で組む焚き火の焚き付けなんかでヒントとしました。 ある時一緒に泊まった建築家の友人がイグルー天井を見上げて、「これはラテルネンデッケと言ってアフガン〜パキスタンのイスラム寺院やチベット僧院の丸屋根にあるよ。バーミアンの時代からある」と教えてくれました。古代建築家もやっていた技術だったのですね。 http://www.ne.jp/asahi/arc/ind/6_china/northern/xarakeloc.htm www.ne.jp 最近のはやりは、長細く平たい板状ブロックを切り出して、ダンゴムシか三葉虫の腹みたいなのが、一気に早くふさがって未来型イグルーです。 きょうはここまで。またね。 |
2021-5-11 23:22 |
遭難からイグルーで生還
こんにちは。イグルスキー米山です。 きょうは遭難死の話です。 函館にいたころ16年ほどまえ、函館で4年間過ごしたとき、北大水産ワンゲルの若手OBとよく山に登り、イグルー技術も伝えました。北海道南部は札幌から遠く、以前私も8年過ごした札幌からは、なかなか来られなかった道南の渋い山の数々を雪の季節に登りました。地形図から最適な尾根を選んで、イグルーで海の見えるところに泊まり、誰もいない山頂を目指しました。転勤で予期せぬ町に住み思わぬ山と出会う、私の生涯の宝の山々です。 Aさんの遭難死そんなころ知り合ったAさんは、学生時代は運動部で体は頑丈、仕事を始めてから山が好きになった若者でした。何度か山行を重ねて経験を積んで、あるときメップ岳に登り遭難死してしまいました。ほんの20mほどその時だけコチコチに凍っていた稜線から落ちたのですが、運悪くダケカンバの立ち木に当たって死んでしまいました。同行者のBさんは、Aさんの死を確かめたあと稜線に戻りそこにイグルーを作って悪天をやり過ごし、翌朝ヘリに救助されました。 イグルーで生き延びたBさん後日、何人かで二人の遺留品を回収に行きました。そこでBさんが一晩過ごしたイグルーを見つけました。大きなブロックを並べて作る、一人用の、狭くて低い緊急イグルーです。多分30分以内で作れるはず。彼はその夜このイグルーの中でどんなことを考えただろうか。斜面は凍っていたが、晩にはミゾレが降ったという。 山登りを続けていれば、楽しい事ばかりじゃない。親しい人の死にもしばしば出会います。しかしそれはことさら山だけの話ではなく、人生そのものと同じであると私は考えます。 仲間が事故死、あるいは怪我という大事件のとき、残った者はどうするか。山での判断の多くは、一刻を問うほどには迫らない。時間をかけ、心を落ち着ける必要がある。慌てないこと、考えるのをやめないことが一番肝腎だ。 起こってしまったことを受け入れ、余裕を持ってそこから自分の考えを整理すること。ひどい天候の中でも、まずそれができる場を作ること。私は、Bさんがこの非常事態に、憶えたばかりのイグルーを使ってくれて、本当に良かったと思いました。 死者を弔う、思い出すこと。Aさんは口数少ないけれど心が伝わる好青年で、山にはいつもイカの沖漬けやイカ飯を作って持ってきてくれました。ザックにはやっぱりイカの開きが入っていました。調査船の船乗りだったので、函館港停泊のAさんの夜勤番の夜、Bさん含めて何人か遊びに行って、船で鍋をつついたこともありました。吹雪の赤い街灯の波止場を、路面電車も終わった時間に、ほろ酔いで家まで防寒ゴム長で歩いて帰った夜が懐かしいです。 山で別れた死者のことは、何度でも思い出しましょう。人の生は死んでしまったってそれっきりじゃない。 きょうはここまで。またね。 山行記録: メップ岳 2005年04月23日(日帰り) 道南, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com |
2021-5-10 21:50 |
イグルー山行、なぜ誰もやらないのか?
こんにちは。イグルスキー米山です。 イグルーをやってみたいという人は多いし、やってみて面白かったという人も多いのですが、私のように30年続ける人がほぼ居ないのはなぜだろう?と問いを立ててみました。 イグルーはエコすぎるほどエコであるミニマリストっていうんでしょうか、最近は。「最小限持ち物主義者」です。テントフリーだから軽いです。あんまり言いたかないけど「エコ」です。現地調達、現地残留の雪ですから。しかし、もしかして、その思想的な潔癖性が重いのだろうか?いやでもさすがにそこではないでしょう。 イグルーは手間であるように見えるテントは一見楽です。整地して広げてポール入れて、天気が良ければこれで終わりかも。ただし、先週の5月連休のように、春のつもりで行ったら、思わぬ豪雪で一晩中テントが潰されないように雪かきを続けなければならないこともあります。もしそんな天気めぐりなら、ブロックを立てても何しても、眠ることはできないでしょう。そんな大げさなと思うなら、そんな状況をまだ知らないだけです。やはり「テントではいつか痛い目にあうことを知らないのだ」と言うのが私の結論です。何も自分で経験しなくても、昔の遭難記にたくさん出てきます。 イグルーを「サボる」前にイグルー講習をした後輩から、「最近イグルー、サボってます」という返答を聞いて、なにかおもしろいと思いました。「サボる」というのは、英語の練習やトレーニングやなにかの、ちょっと億劫なものに使う言葉で、やはりちょっと億劫なんだな、と思いました。 味噌汁作りにたとえてみる
今思いつくいちばんふさわしいたとえは、味噌汁作りに例えることかもしれません。 私は朝昼晩と三食自分で料理するのが好きで、単身先でも、帰省してもやっています。味噌汁のダシは昆布と煮干しで取るのですが、これを面倒だと見る人が意外に多いと思います。 面倒ではありません。昆布と煮干しをすぐ手にとれる所の広口瓶に適切な大きさに切って入れておいて、寝る前に水を張った鍋にぽいぽい入れて置くだけ。朝は煮えたら取り出して、他の料理に使うだけ。ほんだしの顆粒をひとさじ入れるのとほとんど手間は変わりません。つけておく時間が長いだけです。 慣れてみれば簡単なのに、できないと思って便利な顆粒を使う人は多いです。もちろん顆粒のダシもとても美味しいし便利だけど、あれは「誰かが作った商品の味」。昆布、煮干しのダシとは別物です。海から来た懐かしい感じの風味や、舌触りに与えるちょっとした粘度なんかも違います。ダシ顆粒も意外に高価で値段もそう変わりません。つまり、ああ疲れた、もう面倒くさい、と顆粒ダシを使うときは、昆布煮干しダシの威力も魅力も深く知らないだけなのではないかという気がします。 知ってしまえば抜けられない簡潔さ味噌汁もそうなのですが、私はもはや、面倒だから顆粒ダシに戻るということは無いです。ダシとりも実は専門家によればいろいろ面倒です。昆布は沸騰する少し前に引き上げろとか、汚れを乾いた布でふけとか。でもそこまでやらなくても十分美味しくできます。 イグルーも先住民レベルに作るのはすごく難しいです。でもイグルスキー式は、手抜きダシ取り味噌汁のように手間いらずのうまいとこ取りなので、誰でもできます。今さら顆粒ダシにもどる理由がありません。年々手抜き術に磨きをかけています。 イグルー好きは手作りの好きな人かも何十人かに講習してみて、なんとなくですが、料理が好きな人や、工作が好きな人はイグルー山行に親和性があるような気がしています。まあでも、作ってみればどんな人でもウキウキするものですけどね。 きょうはここまで。またね。 |
2021-5-9 10:58 |
西表島縦断
西表島縦断(沢登り/九州・沖縄)日程:2021-04-30〜2021-05-05メンバー: Iida_2017コース状況/その他周辺情報:単独での入山や指定地以外でのキャンプは禁止。入山には警察と森林管理所に書類を提出する必要がある。ユチン川,板敷川は結構ピンクテープや踏み跡があった。クイラ越えにもわかりにくいがピンクテープがある。写真:ヘビあひるこの沢滝多し。きもいひるギランイヌビワ泳がされる池になっている出合急に淀むところも多い海にでたミキユーブラックバスみたいだがまずくはないユツンの滝。でかい。この焚火跡の人に乗せてもらって港まで帰った。カラカラの体に嬉しい真水ゴルジュで大放出の滝淀みを泳いで下るセマルハコガメ南部の山々暑い取りつく島もない。ユチン川に入渓。Coほぼ0。左股に入っってすぐ大滝。地形図にはない10m程度の直瀑が多くある。浦内川本流流れる雲シャワーで快適に。ユチン川を下る。滝上から海が見える。ギンゴガーラ出合落ちたら4Qのボルダー右岸からクライミング交えてまくマリユドゥの滝おしまい馬大日本麦酒。おそらく戦前。岩盤が出て開けるところもあるいざ石垣牛ギンゴガーラの滝,3段。小ゴル港で売ってるパイン300円也オオウナギがいた飼われているヤギナンヨウチヌ重荷と沢足袋での砂浜はふくらはぎにくる青い空白い雲幻の湖にゃー落とし物感想:関空でC0して朝一の飛行機で石垣島へ。ホームセンターとスーパーで買い出しし,フェリーで西表島に上陸。西表島にはほとんどお店がないので石垣で飯を食べておくべきだった。バスで一番近いバス停まで。1hほど歩いてユツン川河口。あと10mのところで外国人に乗っていくかとき聞かれた。入山前最後に発した言葉,No thank you。Day1:ユツン川河口(17:00)Co270(18:30)=C1まだ明るいので入渓する。ムツゴロウみたいな魚が泥の上を跳ねている。干潟が終わるとすぐに巨岩。都会なら人気ボルダーであろう。初めの大きめの二股からは普通の沢っぽくなる。大滝は右岸のピンクテープで巻いた。滝上からは海が見える。大自然すぎてひとりで寝るのが怖い。エビつれず。Day2:C1(7:15)幻の湖(9:20)マヤグスクの滝(13:00)ギンゴガーラ出合(15:45)=C2歩き出してすぐ右俣をとると水が枯れる。ここの地図読みはいうほど難しくなかった。板敷川にのっこす。淀み。淀み。淀みすぎてどっちに流れているのかわからない二股があった。しばらくで淀み,ゴーロ帯,ナメが交互に出てくるようになる。オオウナギ。腕くらいあるのが水深10cmで出てきてこっちがびびる。琉球イノシシも走る。幻の湖は左岸から巻いてそのまま懸垂ポイントに出たので懸垂10m。マヤグスクのゴルジュは右岸を歩いて空中懸垂20m。下にツアーの人がいた。ガイドは「俺でよかったね」とうるさく言ってこなかった。感謝。疲れないの?という客の馬鹿な質問には,ええまあとだけ答え,そそくさと退散。本流出合からは夏道を歩く。展望台下の人目を避けられるところでC2。結構ハードだった。Day3:C2(7:00)分水嶺(12:50)仲良川Co10二股(15:00)=C3ツアーが上がって売る前に出発。30分でギンゴガーラの滝。少し戻って右岸の枝沢を登る。が垂直の滝が出てきたので大滝のほうにトラバース。3+くらいのクライミング*2で平坦地まで。ぶっといシダの幹は掴むと簡単に根元から抜ける。トラバって滝上まで。下からは2段だが3段の大滝であった。滝上は枯れており,下から見た感じ分岐っぽくなっているのもあってウロウロしてしまう。30分ほどロスした末再び水流へ。ここからはボルダー小滝と水流のない暗く狭い小ゴルジュ。そしてイノシシ。テナガエビがいっぱいいるのでおやつにすべく釣り。まず1匹目をなんとかすくって針につけて2匹目を釣る。が,針がデカすぎてなかなか釣れない上にせっかくすくった餌エビをハゼに喰われるので全然進まない。1時間以上やって4匹...アヒージョ。分水嶺の地図読みは今度は難しい。絡まるツタ,気持ち悪いヤスデ,照りつける太陽。。仲良川は滝多い。懸垂も2回した。ギンゴガーラもそうだが,岩がデカすぎて滝のクライミングみたいになるところが少なくない。この沢も一瞬だが狭いゴルジュなどあって楽しい。今日も長かった。ほんと言うと海の泳ぎとか波とか怖いので明日雨予報なら降りてしまって石垣島で2,3日観光して帰りたい気分。ビバ単独行。Day4:C3(7:20)クイラ川Co10(1800)=C4この日は仲良川支流〜クイラ川。この支流の楽しいところは短い。直登できるものもいくつかあるが大抵は大きく高捲く垂直瀑。ゲキ狭ゴルジュあり。増水時には面白いかもしれない。やはり水が枯れてからの読図は高難度である。クイラ川も上部は他の沢と同じ感じで淀み〜ナメ〜直瀑のミックス。abこそしなかったがcdできないものが多い。クイラ川下部に入り沢の傾斜がなくなってくると淀み,屈曲がひどいので,岸をつかて泳がずにショートカットしてすすむ。左岸に中国峡谷風な壁が現れると次第に巨岩歩きとなる。巨岩を小一時間降ると完全にマングローブになり沢の水も少ししょっぱくなった。クイラ越えのピンクテープを見つけ,川で少し釣り休憩。魚は見えるが釣れず。時間あるので海岸で寝るべくクイラ越えすることにした。ピンクテープに導かれ海まで。途中分岐があったが東に降りる方をとった。が,沢型に水が流れておらず,海岸岩壁を越えた西の沢型を目指すことにする。この岸壁がほぼ干潮なのにリーフが切れていて突破できない。波に持っていかれたら怖いので諦める。先ほどのピンクテープの分岐のもう一方をいこうかと思ったが時間も遅いうえにこれで水が取れなかったら悲惨なので再びクイラ川へ戻る。あー海怖い。翌日は干潮の時間が朝早いために停滞と決めて夜更かし。Day5: 停滞昼まで寝た。本読んだり寝たり酒飲んだり。夕方に河口方面に釣りに行く。ナンヨウチヌ*3。ソフトルアーだと噛みちぎられてしまいすぐになくなってしまった。生姜は茶に入れても,魚と一緒に入れて米を炊いても旨い。Day6:C5(6:20)キャンプ場(11:20)干潮に合わせて早出。ずいぶん西にあるので6時でもまだくらい。同じ道で海岸まで。崖マークを越えるまでは急ぎ足。照りつける太陽,打ち寄せる波,流れる汗,乾くノド。地図上の沢型はどれも水が流れておらず焦る。これは今日泊まったら乾いてしまうと思い急いで歩く。転がっているココヤシをナタで割ってみるがとんでもなくウ◯コ臭いので敗退。最後の方で崖から滝のように流れているところがあった。ゴールが見えたところで釣り。いかにも南の島っぽいハタ系の魚が釣れた。沢足袋で砂浜に足をとられながらキャンプ場まで。翌日脹脛の筋肉痛が酷かった。港まで道路歩き。道端の家畜たちに声をかけながら一人カラカラで歩いていると,レンタカーに声をかけてもらい乗せてもらった。よく西表に来るそうで今年は南部海岸を歩いたそうな。フェリーまでの時間待ちで買って食べた島パインがうまい。予定よりずいぶん早く下山できてしまったが,石垣島で今さら綺麗な景色を見る趣味もないので安宿に一泊だけして,飛行機を変更して帰った。沢の楽しさとしては 仲良川,ギンゴガーラ>クイラ川>板敷川>ユチン川。ただ,どの沢でも見たことのない巨岩,大滝,植物,鳥,獣,魚,虫,海,空。そのすべてが新鮮だった。真っ暗な中,けたたましくなく鳥,虫。。現代人ひとりのちっぽけさを知るには西表島は十分大きい島だった。
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2021-5-8 7:18 |
笛吹川(東のナメ沢、釜の沢、鶏冠谷)
笛吹川(東のナメ沢、釜の沢、鶏冠谷)(沢登り/奥秩父)日程:2021-05-04〜2021-05-07メンバー: hazuki2012r fukumoto_2013写真:逃げるカモシカ大滝上のナメ滝2日目テンバ出るとこ両門の滝3段目抜け口鶏冠谷1480二股ゴルジュ出口の滝上部1ピッチ目の辺りにカモシカ東のナメ沢大滝 2ピッチ目の顕著なバンド釜の沢魚止の滝逃げるカモシカ4ピッチ目は4段目釜の沢Co1920付近のナメ滝東のナメ沢大滝もうすぐ29歳 裸足で河原を歩くゴルジュ出口の滝東沢に入ってすぐ西俣両門の滝上のナメ釜の沢 魚止の滝上のナメ感想:楽しかった。やっぱり焚火はいい。裸足も慣れれば案外いい。日高の沢に行きたいけど今年は行けない。体力維持に努めるので、現役の方や在札の方やどなたでも、また一緒に行ってください。良いリハビリになりました。みなさん夏誘ってください。以下記録5/4瑞牆から鹿野さんに駅まで送ってもらい、電車とバスを乗り継いで西沢渓谷へ。バス停からハイカーに混じって遊歩道を歩くが、出立ちが明らかに浮いていて恥ずかしい。東沢に入り、山の神までホラ貝などを見ながら遊歩道を歩く。ぬかるみや急なアップダウンが多く、るんるん歩ける道ではない。重荷に首を傾げながら河原をてくてく歩いて東のナメ沢出合過ぎの台地でC1。BCとする。東のナメ沢の大滝偵察に行き、岩も乾いているので翌日は予定通り行こうということになる。グロい鹿の死体がありくわばら。テンバはパリパリの薪だらけで瞬間着火。5/5 東のナメ沢クライミングシューズを履いて出発。大滝は1段目をてくてく歩き、2段目ですぐに水流を跨ぐ。そのままやや傾斜の出てきたスラブを登っていき、残地リングが3つ並んでいるところで登攀開始。支点は最初以外全て木。1ピッチ目 福本 ?- 右岸の顕著なバンドめがけて登りやすいところを登る。ピンは立木で豊富に取れる。2ピッチ目 羽月 ?- バンドを3段目の基部まで。ピンは立木、カム。3ピッチ目 福本 ? 3段目を水流の左の階段状を登る。落ち口が一手緊張する。4段目下の水流渡ったところでビレー。ピンはカム、ハーケン、残置ボルト。4ピッチ目 羽月 ? 4段目を左岸からスラブ上りで越える。ピンは小さめのカム。大滝を登り切ったところで羽月が沢靴をテンバに置いてきたことが発覚。少し悩んだ結果クライミングシューズのまま進むことにする。大滝直後のナメ滝二つは左岸からまとめて捲く。一ノ沢過ぎると汚い渓相になり、小滝が続く。ニノ沢出合以降の滝は大体右岸から捲いた。源頭の3~5股は真ん中ら辺を選ぶ。続く二股は右へ。沢型が潰れると石楠花の藪となり、15分くらい漕ぐと夏道に出る。ピークに空身でポンし、アドベンチャラスな夏道を下る。途中から羽月の足がひどく痛むようになり、裸足になる。鶏冠谷出合からは昨日と同じ道。裸足とは思えない速さで歩いていた。4/6 釜の沢東俣→西俣岩盤状の河原を歩いていくとじきに魚止の滝。左岸巻道から。以降源頭まで滝や二俣には必ず目印や巻道がついており、何も考える必要がない。魚止の滝を越えるときれいなナメがしばらく続く。両門の滝を越えると開けた河原となる。Co1430二股付近の2段ナメ滝から源頭まで再び岩盤状。ポンプ小屋から道を辿ると小屋。夏道からピーク経由して西俣を下る。しかし誤って富士見を過ぎたところから降りてしまい、ガレや倒木などに苦労する。Co2500二俣から下はナメ滝がいくつかある。やがてCo1900二股上のゴルジュマークのところで30mの滝。ロープはテンバに置いてきていたので左岸からシカ道を辿り尾根を乗越して1900右股に入り捲いた。平凡な河原を下っていくとCo1650から両門の滝までナメが出てくる。両門の滝を中間尾根から巻いて東俣に入り、後は来た道をBCまで。4/7 鶏冠谷途中までこの日はバスの時間見つつ鶏冠谷を行けるところまで行くことにする。BC撤収して本流を鶏冠谷出合まで下る。福本の足の調子が芳しくない。Co1200魚止の滝は左岸巻道から越える。なんだか暗い雰囲気の谷。河原を挟んで逆くの字の滝。水流の右側を登るが上部が意外と悪かった。Y字の滝は濡れたくないのでへつっていく。1480二俣からのゴルジュは奥に登れなさそうな滝が見えるので右岸リッジから巻いていく。結構緊張する。ゴルジュ出口の30m滝は右岸捲き気味に登った。その後の小汚いナメのところで引返し。濡れないように頑張ってへつっていく。逆くの字の滝は下のナメ滝2段とまとめて右岸から懸垂。後はバス停まで。バス2時間待ちということでヒッチで温泉寄ってから東京へ。
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2021-5-7 21:36 |
イグルー、素敵な窓からの眺め
こんにちは、イグルスキー米山です。 明かりとり窓は、薄い壁で。入り口を塞ぐ時、ブロックの薄いもの(厚さ10cmくらい)を立てて作ると、そこだけ光が透けて明るくなります。他の壁は30cmの厚さなので、ちょっと違います。 朝起きて、明るくなってきて、さあ今日の天気はどうだろう?という時、寝袋にからだを突っ込んだままノコで窓を開けてみます。朝ラーメンを食べていると、日の出の光線が差し込みました。だいたい山では西風なので、入り口をその逆の風下側の東側に作るため、朝日を浴びることが多いです。 窓からの名峰イグルーから出る朝は、どこから出口を開けても構いません。大型で、大人数で入り口が混雑したら、好きな所に出口をつけて結構です。 イグルーは、どこにでも作れるので、一番景色の良い所に作ります。嵐が来ようと、関係ないです。マドを開けると穂高岳、槍ヶ岳という絵になる所に作ります。日数さえ持ってくれば、写真撮影で何日でも寝たまま粘れます。 きょうはここまで。またね。 |
2021-5-6 20:41 |
天井からのポタポタ雫対策
こんにちは!イグルスキー米山です。 今回はささいなことですが、気になる人には気になる話で 暖かい季節にありがちなトラブル、天井からのポタポタ雫の対策です。イグルーの中は暖かいので、春先でなくとも、ストーブをつけて炊事を始めれば、天井の出っ張りから雫が垂れてきます。仕上がったときに中に入ったら、荷を解く前にまずは天井のブロックの、水の垂れそうな出っ張りをノコで落としておきます。徹底的にやらなくてもいいのですが、目立つところをノコでうまく整形しましょう。溜まった水が行き場をなくして落ちないよう、壁を伝って流れるようなラインに整えます。何度かやって慣れてください(図解)。まあ、テントの結露よりはよっぽどマシかな! 天井の空気穴も重要イグルー天井の上の方に暖気が貯まるとポタポタの来る傾向が強いので、適度に空気穴を残しておきます。ただし、風雪の激しいときは、ここから雪が吹き込むので寝る前には塞いだほうが良いです(昨日の記事)。春先、4月以降の暖かい季節は、あちこちポタポタになり、応急的に鍋なんか置いたりして、昔の雨漏り住宅みたいになることも。 ポタポタポイントは水を吸って柔らかいうちに整形します。翌朝まで放置したりすると、そこが凍ってノコでの整形が更に難しくなります。 当然、厳冬期でスキマ風がちょっとあるような作りのときは、一切ポタポタはありません。ポタポタを取るか、吹き込みを取るか。まあどちらも大したことじゃない、というくらいの開き直りが一番強いです。 しかし、運悪くポタポタが顔の上に落ちる位置だったりすると一晩中眠れないので、早めに削ることをおすすめします。尻の下が水たまりになったこともありました。 初めて作った厳冬期イグルーで知ったポタポタ厳冬期のペテガリ岳山頂に強固すぎるイグルーを建設した話、以前書きましたが、 イグルーを始めたきっかけ こんにちは、イグルスキー米山です。
技術的な話が続いたので、違うカテゴリーでも始めてみようと思います。
今回は、なぜ私がイグルーと出会い、ここまで深入りしたのかの話です。
北大山岳部は究極の登山学校
北海道大... igloosky.com 2021.04.19 スキマ吹き込みを防ぎたかったのと、低気圧が怖くて、壁を二重に積み(つまり厚さ60cmくらい?)全く外気と遮断したイグルーを作りました。その夜みんなの熱気と炊事の熱で、天井からポタポタが続き、メンバーの一人が夜中に唸り声を上げて天井を削り始めました。 その後手抜きの穴だらけイグルーが多いせいか、毎回ポタポタというわけではありません。 きょうはここまで。またね。 |
2021-5-5 17:31 |
スキマの穴塞ぎワザについてお伝えします
こんにちは!イグルスキー米山です。 5月のイグルー、やったらできたもう今年は無いだろうと思っていたイグルー、5月連休中に作って泊まりました。新雪が60cmも積もったのでもしや?と思って作りましたが、使えたブロックはその新雪分ではなく、下のザラメ層でした。降って1日や2日の新雪は踏み固めないとブロックにはならないし、長細いのを切れるほどの強度もありませんでした。晴れて日射を浴びたり、3日か4日経ったら固まると思いますが。今後はノコさえ雪面に入るなら、そして、夜気温がプラスになって屋根が落ちないならば、残雪ザラメ雪でも充分作れることがわかりました。いまだに発見の絶えないイグルーです。 最期まで残る穴今回は、雷鳴混じりの防風雪で、テント泊の人は積もって雪かきが大変だったようです。イグルーは積もって埋まれば埋まるほど、隙間も塞がれて雪洞風に静かになっていきます。しかしそれは風上、風下側と側面だけで、一番高い天井部分の穴はいつも最期まで空いたままです。そしてそこから、風がある限り、一晩中粉雪が吹き込みます。気温が低い季節は払えばよいのですが、今どきは降った雪がとけてすぐに濡れてしまうので、かえって厄介です。 外から塞ぐ・カケラ+メソメソの雪基本的には組み立てたあとの仕上げで、イグルーの隙間にはブロクのかけらなどを外側から当てて、隙間を塞ぎます。低温の季節には、すきま風が寒いからです。 まだ壁が安定していない30分以内なので、せっかくのイグルーを壊さないように優しくやってください。ぐいぐい突っ込むと、微妙なバランスで組んだブロックが崩落することもあります。 そして、サラサラの雪ではできないけれど、この季節(残雪期)などはメソメソの少し湿った雪なので、スコップですくって、隙間めがけてザザっとかけておくと、かなりふさがります。 内から塞ぐ・メソメソの雪中に入ると、外の暴風雪が遠くに聞こえます。安堵のひとときです。しかし、荷をほどき、靴を脱ぐ前にもう一度吹き込みが無いかチェックしましょう。風が強い日は、僅かな隙間から地吹雪が吹き込んで寒いです。これを、やはりメソメソの湿った雪で塞ぎます。気温の高い残雪期はこれがやりやすいです。低温の季節は、小さなかけらを作って隙間に埋め込みます。こういう作業に、防寒テムレスはとても助かります。 山行記録: 白馬の乗鞍岳・悪天でイグルー避難・糸魚川まで行けず後退 2021年05月03日(2日間) 白馬・鹿島槍・五竜, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com どうしても塞げないスキマ・厳冬期富士山どうしても吹き込みが多すぎるというときは、ツエルトをみんなでコタツみたいにかぶって眠るか、いっそイグルー内で張るという手もあるかもしれません。 富士山の樹林限界以上の場所では、基本的に強風少雪のためイグルー適地があまりないのですが、僅かな吹き溜まりで作ったことがあります。しかし乾いた低温のサラサラの地吹雪なので、スキマがなかなか塞げず、結果一晩で寝袋の上に5cmくらいは積もりました。何につけても特殊な山です、富士山は。 きょうはここまで。またね。 |
2021-5-5 7:00 |
H山S壁 義経岩
H山S壁 義経岩(フリークライミング/道南)日程:2021-05-01〜2021-05-04メンバー: sy2017 Takenaka2017コースタイム:写真:アトミックドロップ11bキャンプ場スラブルート左 11aフルマラソン 10b(40m)アトミックドロップタケルくんへの贈り物 11a感想:南壁のクオリティに脱帽でした。
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2021-5-5 1:55 |
枝幸/黒岩山(タツリュウ川林道から)
枝幸/黒岩山(タツリュウ川林道から)(山滑走/道北・利尻)日程:2021-05-04(日帰り)メンバー: saito1987 Yanke1987コースタイム:写真:うっすら新雪の積もった林道(旧道道)からスタートタツリュウ川筋から黒岩山北東の尾根へ取り付く岩塔を攀じて峠を隔てたシアッシリを望む重たい雪の滑降頂上近くの溶岩岩塔標高700mの緩傾斜面に出たところ行きのトレースが消えてしまった林道板状節理が発達仁宇布から黒岩山遠望溶岩岩塔で山座同定できる感想:GW前半に積もった雪が10?位あり、前日は雨。下部の林道はスキーが使えてラッキーだったが、滑降は湿った雪に難儀した。ザラメだったらもっと楽しめたと思う。今季ラストの山滑降は人の気配の全くしない超マイナーピークでした。
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2021-5-4 20:26 |
新境地・5月の初イグルー、悪天下のシェルター
こんにちは。イグルスキー米山です。 これまではイグルー作るのは4月半ばまでと思っていましたが、一昨日〜昨日と白馬の乗鞍岳で泊まりました。硬いザラメ雪ではできないと思っていましたが、今年は、ノコさえ入れば長細いブロックを取り出せる「トレンチ切り出し法」を発見したので、構わずやってみました。 四日間かけて糸魚川まで縦走のつもりで栂池から登ったのですが、この日の天候が予想外に悪く、暴風雪視界無し落雷付きの久々の大ピンチになりました。寒気が不安定に影響したようで、天気図からは読めないけれど、ここ数日の竜巻騒ぎなどと関連があったのかもしれません。こういうときにどこでも泊まれるイグルーが作れると、とりあえずそこで泊まれます。 1時間でできたイグルーの中で安堵して落雷を聞き、暴風の音も壁越しに遠く聞こえますが別天地でした。吹雪から身を守り落ち着いて考えれば致死的な事態には決してなりません。結局この日のうちに雪倉岳まで進めなければ、後半はエスケープもない計画なので、断念となり本日下山しました。 吹き込みも多少あったけど、10時間たっぷり眠り、下りました。5月の連休は天候が不安定なことが多いです。まさかこの季節にもイグルーができるとは思わなかったのですが、陽気燦々、気温高温にさえならなければ作れますね。 明日は、この季節のイグルー製作で気付いたことを書いていきます。 きょうはここまで。またね。 山行記録: 白馬の乗鞍岳・悪天でイグルー避難・糸魚川まで行けず後退 2021年05月03日(2日間) 白馬・鹿島槍・五竜, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com |
2021-5-1 22:24 |
クマネシリ倒木危機一髪
嵐の日、針葉樹林帯でイグルーこんにちは。イグルスキー米山です。 11年前の記録から。思い出深いイグルーエピソードです。 北海道東部の、クマネシリ山の山行でした。一日目はすごい低気圧がやってくるので強風でした。何もこんな日に雪山に登らなくても・・と思うかも知れませんが、嵐のとき針葉樹林の中にいるのは(稜線で吹雪かれるのに比べ)とても安心です。樹林が風を防いでくれるから。翌日までには低気圧が通過する見込みで、中腹で泊まりました。もちろんイグルーで。 道東3月下旬の標高760mはあまり良い雪ではなく、ご覧のようなゴロゴロブロックで70分かけて作った、とあります。 大木が強風で倒れるところを初めて見た。イグルーが出来上がったころ、近くのトドマツがグルングルンと、しなり始めました。わずか数m横にある、結構背の高い木です。どっちに倒れるんだろう。イグルーに倒れたら、また作り直しだな。 こんなに太い大木でもどこか弱点があり、こんな機会が来ると、終わりのときが来るのか。木が倒れたらもちろん危ないのだけど、突然倒れるわけでもなく、時間にして数分の間は、倒れどころを探すように揺れていました。やがて方向を定めるように、イグルーとは逆側にメキメキと倒れました。見ている僕らはただ見守るばかりでした。 数えてみたら、年輪は100年ちかくありました。明治終わり頃、じいちゃんと同じ頃の生まれだ。 クマネシリは「竿掛け山」アイヌ語で「竿をかけたような形の平らな山稜の山」という意味です。山頂部は急な三角形ですが、特徴的な平らな台地があり、幅200m〜500m、長さ10kmもあります。絶壁に囲まれていて、一箇所だけゆるい斜面の尾根があり、そこを狙いました。当時は(いまも?)記録も見かけず、探検的な計画で、ギアナ高地に例えていました。その時の記録です。 山行記録: 道東 クマネシリ岳(1586m) ギアナ高地からアタック 2010年03月21日(2日間) 道東・知床, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com イグルスキーブログ、4月始めから3週間ほど更新してきましたが、明日から山登りで暫く留守にします。 きょうはここまで、またね。
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2021-4-29 11:06 |
本場エルズミア島、北極圏人のイグルー
こんにちは!イグルスキー米山です。 きょうはぜひ紹介したい写真本があります。カナダ北極圏のヌナブット準州、エルズミア島の父子トゥーキルキー・キグクタクとジョピーに作ってもらう1981年撮影の写真集。作者はドイツ人のウーリ・シュテルツァー氏。 ?? まずはキチンとしたブロックを切っています。どうですか?この丁寧なブロック。雪のコンディションは最高の場所を選んでいます。気温が低くて、適度に締まっています。トゥーキルキー氏のことば「いちばんたいせつなのは、良い雪を見つけることだ。やわらかすぎても、かたすぎてもいけない」とあります。良くない雪では、この製法、うまくいきません。この大きさで重さ8〜12kgとあるから、「かるかた雪」です。でも基本は同じです、イグルーには、丁寧に切った大きなブロックが必要です。 本場技術は、お手抜きなし。登山用の米山式と違ってブロックの積み方が大マジです。誰でもできる「壁厚・中ずらし式」や、「細長ブロック橋掛け式」ではなく、板状のものを整形して、渦巻状に立てて並べ緻密に傾けてはめていく高等技術。これは特訓がいりそうです。接合面の幾何学的な整形技術は妥協なき職人級です。息子が、父のワザをじっと見つめている、というのにも納得します。これぞ文化遺産でしょう。私も始めはこれに挑戦して、敗退しました。あっちが崩れ、こっちが崩れてしまいます。 煙突と、窓、玄関イグルーがかわいい大人数で使うから結構大きめ。なのに2〜3時間で作るそうです。中で炊事すると熱気がこもり、米山式なら穴だらけなので問題ないのですが、トゥーキルキー氏のイグルーは煙突をつけ、あかり取りの窓をあけ、ガラスの代わりに海氷をはめこみます。学生の時雪洞の停滞であまりヒマなので鍋の底に雪を溶かした水を凍らせ、それを少し温めて丸い氷ガラスを作ってはめたことがありました。光は入りますが、景色までは見えなかったです。「入り口問題」は、もうひとイグルー作って華麗に解決しています。これはこんど試してみようか。ブロックさえとれればたいして時間もかからなそう。前室付きのイグルーができました。下の写真、窓と煙突が見えますね。いつかイヌイットに教わりにエルズミア島へ行きたいです。 「イグルー」をつくる ウーリ・シュテルツァー:写真と文 千葉茂樹:訳 あすなろ書房1999年 きょうはここまで。じゃあね。 |
2021-4-28 20:40 |
幼稚園でイグルー作って、中でこどもとお茶を飲もう
こんにちは!イグルスキー米山です。 町の中でも作れます青森市に住んでいた時、よく庭に作りました。青森の積雪はすごいですよ。家の一階部分は見えなくなります。道路は除雪車がやってくれますが、屋根の雪も落ちて集まるし、ガラス窓には板を掛けます。屋根のない車庫は悲惨です。庭にイグルーを作るといっても、正確には、庭の積雪の上にイグルーを作るというわけです。信長の安土城みたいですね。 雪山の上の、このイグルーまで階段を切ったり、滑り台ができたりで、とても楽しいです。私も子供のときは魚屋から運んできた木の空き箱を何十個も組み立てて、巨大建築を作って遊びました。立体的で狭い穴ぐら迷路ほど、心躍るものはありませんね。うちのこどもは近所のおねえさんともだちを連れてきて、中でおやつ食べていました。 山の上で作る時との違いこれだけ積雪があっても標高が低いので、気温が高い日も来ます。氷点下で深々と降り積もるような日が何日も続けば山と同じですが、気温が上がってプラスになると雪が溶けて硬くなるので切るのに苦労します。カキンカキンになって、ノコも入らないほど氷みたいになったのは、作れません。特に除雪の雪を集めたような雪山は、雪が氷のように硬くなっていて、ブロック加工が難しいです。 降ったあと誰も踏み固めていない雪がよいです。でも降りたてのふわふわ雪では駄目。低温下で自然に締まった雪が、加工しやすい雪です。屋根の上なんかによくあります。倉庫の上などに、はしごをかけて登ると、良い雪があります。良い雪というのは硬いのにサクサク切れる雪です。 この写真では横にある車庫の屋根の上に、良い雪がたくさんありました。青森の車庫の作りはすごく頑丈です。このあと甲府に引っ越したとき、2014年の2月に歴史的災害級の1mくらいの積雪があって、甲府の町じゅうの車庫の屋根がぺしゃんこになっていました。作りが違うんですね。あのとき甲府の自宅前でもイグルーを作りました。すぐに気温が上がって、降りたてなのにべしゃ雪だったので、くっつきやすい柔らかいブロックで、あっという間に作れたけど、午後にはとけて屋根が落ちました。 こどもの通う幼稚園の庭に作って園長先生に捧げて、子どもたちと潜って遊んだこともありました。青森の人は冬中、もくもくと雪かきをしています。はしゃいでいるのは子供だけで少々気まずいのですが、もっと家にイグルー作ったら楽しいんじゃないかな、と思いました。30万人の都市でこれだけ降るところは世界中探してもここだけって聞きましたよ。 きょうはここまで。またね。 |
2021-4-27 21:56 |
イグルー・秘密の屋根ふさぎ法
グーテンベルクのブロック編集というのにしたら、ブログの編集の勝手が代わり、レイアウトがガタガタですが、もう公開します。忙しいんです。徐々になおします。誰か教えて〜! イグルー作りの関門はやはり屋根を塞ぐところです。ブロック切りが未熟だったり、雪が難しかったりすると、小さくてころころしたブロックしかとれず、これでは縦の壁はなんとか載せられても屋根までは作れません。どんどん積み上げて、手が届かなくなるサイロができてしまいます。 それでも屋根を作って泊まりたい場合、ストックやスキーなどを「橋かけ」すると、驚くほど楽にブロックが乗り、落ちてきません。ストックやスキーは寝ているときは使わないし、翌朝にはブロックが固まっていて、ストックやスキーだけすんなりと抜いたりできます。これは不思議。 足りなければノコで木の枝をいただいてきて、同じように橋掛けすれば良いです。樹林限界以上でピッケルしかない場合は、2本を互い違いにして二か所でシャフトを縛れば、まあまあ長い梁をつくれます。8人用連結イグルーひょうたん型を作るとき、真ん中の梁にする長くて丈夫なブロックがうまく取れず、この手を使ったことがあります。ただ、あまり長かったり力がかかったりする部分にストックを使うと、重さでたわみが出来てしまうこともあるので、ストックが苦しんでいないか、よく見てやってください。 弘前大学山岳部と津軽半島の山でイグルー山行をしたとき、初心者が多くてスキートラブルが多く、初日にイグルー適地の標高まで達する前に日が暮れてしまいました。ろくなブロックが取れないところで8人の宿を作るため、最後はこの手を使いました。大ピンチ!と思ってもなんとか切り抜ける。リーダーはいつもニコニコ。新人にまで不安を与えなくてもなんとかなります。 そういうわけなので、イグルーを試したい方は、保険にテントなど決して持たず、ノコとスコップだけで雪山に向かってください。 きょうはここまで。またね。
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2021-4-26 20:31 |
イグルー出入り口問題
イグルーの出入り口どうするか?ほぼ二つの方法で落ち着いています。 1.雪が多いところ=小さいドーム=深く掘り下げこのタイプでは、雪庇脇などに作ることが多いので、雪洞みたいに横の急斜面側から出入りします。下に掘り下げて最後に室内を整形して横に広げたときにでる「くず雪」を捨てるのにも玄関の前に傾斜があるから便利なのです。
作るだけ作って、閉じ込められてから、自分で掘り進んで脱出することもあります。床が決まらないと穴の位置が決まらないので、出口ホリが最後になります。横穴部分は吹き溜まりで雪が柔らかいので、大体苦労なく脱出できます。最期は蹴っ飛ばして脚から外へでます。外が傾斜のあるところなので、くず雪をすてるのが楽ちんです。とはいえ、イグルー内を広げたときに生じる「くず雪」、床に均等に敷き詰めて、踏んでしまえば沈んでなくなります。苦労して排雪しなくてもいいです。
2.雪が少ないところや平坦な所に作るときこのタイプは、地上部分の一番下の段をイッコ外しておいて、そこを出入り口にします。下に掘り下げていくから、出入り口は室内の床より高いところになり、出入りの時は滑り込むような方法になります。アポロ宇宙船の司令船乗り込みの気分かな。イッコ開けた壁は作る時にその上に「橋かけ」をしてどんどん積んでいきます。入り口はザックがぎりぎり入る狭さで良いので、これでよし。初めは小さく積んで最後に両脇ブロックを必要に応じて広げます。橋掛けするから、あんまり穴の幅が大きいとブロックに苦労します。
外からもブロックを供給する方針の時は、内外を出入りできる方が便利なので、入り口の上の橋かけを、あとの方までせずに作業することもあります。
入り口のふさぎかたはスキー以外は何でも中に入れます。ピッケルは壁に刺して、物を掛けるのにいいし、スコップやノコは中でまだ雪をとって食用にするのに必要。アイゼンも中に入れると、朝、風のないところでつけられます。 ふさげる量の中サイズのブロックをいくつか内側に入れておき、ノコでかけらを整形しながら入り口に薄い壁を作ります。下の方は厚めに、上の方は薄くてもOK。風の強い日は隙間も丁寧にふさぎましょう。さあこれで安眠の宿の完成です。マットを敷いて、靴を脱いで、お茶を飲もう。 寒くなければ、ツエルトでも下げてノレンにしておくだけでも良いです。閉めちゃったらトイレは行けないの?その話はまた今度。 きょうはここまで。またね。 |
2021-4-25 16:51 |
映画・ブータン山の教室
こんにちは、イグルスキー米山です。イグルーブログではじめてのイグルー番外日記です。 きょうは「ブータン山の教室」という、ブータン映画を見てきました。ヒマラヤで「最も時代遅れの国」ブータンの、標高4800mの58人の村ルナナの、こども8人位の学校に行くことになったスマフォとヘッドフォン好きのやや態度の悪い若者の先生が、やがて心を入れ替えるというシンプルな話ですが、時代遅れ(時代錯誤)な登山愛好家としては必見です。 『ブータン 山の教室』公式サイト 『ブータン 山の教室』2021年4月3日(土)より開校ロードショー bhutanclassroom.com 私は22歳のとき1986年に、はじめてネパールヒマラヤの植物調査隊の下働きでヒマラヤの奥地に3ヶ月連れて行ってもらったのですが、延々歩くだけが交通手段の100年前の事態で、今回のルナナみたいなところをめぐり歩きました。はだしの子供、お祈りすること、すきま風吹く粗末な石造り住宅、焚き火で美声で歌う男たち、ヤクのうんこを焚き付けに火を炊くことなど、全てそのころ見覚えのあるシーンばかりでした。主人公もおそらくその年頃で、10万人の大都市ティンプーから沢登りしながら8日かけてそんな所に行ったのだから、当時の私の受けた感激とそう変わらないと思います。 軸になっていたのが「ヤクに捧げる歌」という民謡です。歌はやっぱり聴くだけじゃなくて、歌うものなのです。無伴奏で、のどを使って、気持ちよさそうに山に向かって歌う歌、これがやってみたくなる気持ちもわかる。この映画は、ピーター・バラカンのラジオ番組で紹介されたのですが、その時かけた曲は、ブータンの歌手Lhamo Dukpaがブータン語に訳したボブ・ディランのWith God On Our Sideでした。Apple Musicにありました。 全国でほそぼそとリレー巡回するみたいなので、気長にお待ちいただき、縁があれば映画館で御覧ください。残念ながらサントラ音源などはまだのようです。 穏やかな語り口調のルナナの村長が、アフガンで撃たれた中村さんによく似ていました。主人公はサッカーの香川選手?チベット人やブータン人は、絶対誰か知り合いに似ている人がいます。あの襟合わせする着物も、日本で流行らせたいものです。 山行記録: ネパールヒマラヤ アンナプルナ山群、ランタン山群 1986年07月18日(91日間) アジア, ハイキング / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com |
2021-4-24 21:54 |
イグルーを雪洞と比べると
こんにちは、イグルスキー米山です。 「イグルーです」というと、「雪洞ならやったことがある」という人は結構います。冬山を何年かやった人ならば。雪洞はテントに比べて安心のねぐら、悪天をやり過ごすのには最適です。私もイグルー以前によく作りました。20泊くらいかな。今回は雪洞との比較を試みます。 雪洞に技術は要らないイグルーをやったことのある人はほとんどいないのに雪洞経験者が多いのは、高い技術が要らず、誰でも力任せで掘ればできるからです。これがイグルーに対する雪洞の唯一最大の利点かな。イグルーは、これまで書いたように、初挑戦ではなかなかできません。 作れる場所:雪洞、積雪2m必要×イグルーはどこでも雪洞は、雪庇のできるような、稜線の傾斜側など、積雪が2mはないとできません。結構限られる場所です。イグルーはそういうところももちろんですが、まっ平らなところでも作れるし、積雪が30cmで、一段取ったら地面が出ても、極端な話できます。周りから広くブロックをとって集めればいいから。イグルー面積の3〜4倍も敷地があれば十分です。万一何か事故が起こったとして、そこでその場でシェルターが作れます。利尻山の南稜で幅1.5mの細い絶壁の上でも作りましたよ。 製作時間:雪洞2時間×イグルー40分雪洞は時間がかかります。3〜4人用の穴を掘るのにどうしても2時間。狭い入り口から中で広げるので、始めは作業も一人です。切り出したブロックを、イグルーは壁に使えるけど雪洞は捨てるだけだから、進みようも倍違うというわけです。 雪洞は体が濡れる×イグルーはさわやか雪洞ホリは狭いところで寝転がったり座ったりで、すごく体力使うので交代しながらやりますが、中の人は湿気と汗で体が濡れ濡れになります。私の学生のころはゴアテックスは貴族しか買えなかったので、カッパを着てやりました。イグルーは、オープンエアだから全然濡れません。まあ吹雪のときは逆にシビアですが。イグルーは、他のメンバーもブロックが切れる人なら、外からバンバン切って使えますから、更に短時間になります。外からブロックを供給する見込みのときは、床下は3段も下げないで済むので、始めの直径を1.5mではなく1.8mくらいの大きめに始めましょう。 雪洞は真っ暗×イグルーはほんのり明るい穴が空いているから昼か夜かわかるし、外の天気も気配がわかります。雪洞は閉じたら真っ暗で、外に出ないと何もわかりません。 雪洞は酸欠あり×イグルー通気良しテントや雪洞は酸欠があります。ストーブの火が消えた、とか、夜中に何故か息が荒くなって目が覚めたとか。あわてて穴をあけるということもあります。イグルーは穴だらけなのでありません。タバコもおならも早く消えます。今はやりの換気もバッチリです。 天井の沈下 雪洞あり>イグルーなしまあ学生じゃないから何日も停滞することも無いかも知れませんが、雪洞で長居すると、何日目かには天井が低くなって圧迫感があります。イグルーは3泊くらいしたことがありましたが天井が軽いせいか沈下はそれほどありません。暖かい季節は駄目でしょうけど。 *** というわけで、イグルーの圧勝です。作れるようになってしまえば、雪洞に戻る必要がありません。がんばって身につけてください。 きょうはここまで、またね。 山行記録: 利尻山 南稜 1992年04月24日(4日間) 道北・利尻, アルパインクライミング / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com
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2021-4-24 12:42 |
2021春メイン1年班南日高(楽古岳〜襟裳岬)
2021春メイン1年班南日高(楽古岳〜襟裳岬)(積雪期ピークハント/縦走/日高山脈)日程:2021-03-12〜2021-03-20メンバー: nikonikoaokazu kasaisnt yumepporo Mt-sunnyコースタイム:写真:暮れなずむ空。スーパーニッコリ。岬が見える。サラバ日高。始まりはデカ盛り。南へ。仲良しイグルー。そろそろ国境稜線とサラバ。二カンベツは結構細い。こんにちは海。on the road勇ましきL。急登の後、目の前に楽古ピーク。楽古山荘。素敵。岬に参上六人衆。感想:あの頃に戻りたいと思うときがあるが、時間は過ぎ去ってしまう。思い出は、自分が大事にし続けていればどこにも行かないからいい。そんな現役最後のメイン、そしてルームでの4年間。
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2021-4-23 21:42 |
穴だらけでもいいのだろうか
こんにちは、イグルスキー米山です。 講習ではいつも、三段目以上は穴だらけのイグルーを作って、あとから埋める方法を紹介しています。雪山で実用するには、一刻もはやく屋根を塞いで、作ってしまいたいという事情があるからです。 本当は、漫画のエスキモーみたいにきれいな積み上げのかっこいいやつを作ってもいいのですが、何せ急いでいて、ハードな行動のあとに疲れていて早く腰を下ろして靴を脱ぎたいし・・・というわけでスピード第一で作ると、まずは隙間があいていても壁を作って屋根を塞ぎ、あとからそこにブロックのカケラを載せたりかぶせたりしていくという方法が早いのではないかと思っています。案外美しく作っても40分でできるなら、それでも良いのですが。 穴を塞ぐときのコツ穴を塞ぐときは、ブロックの出来損ないや、一段目や二段目の特大ブロックの角などをノコギリで切り取って、それを隙間にあうように置いたり、かぶせていきます。厚さ5cmくらいでもいいので、かけらでないと、サラサラ落ちて行ってしまうし、風で吹き飛ばされてまた穴があいたりもします。気温の高いベシャベシャ雪だと、スコップですくってモルタルみたいにかけてもいいときもあります。注意点は、隙間に無理やりかけらを突っ込んで押したり、叩いたりすると、微妙なバランスで組んである屋根が崩落して、また20分ほどやり直しになったりするので、やさしく行ってください。しばらくすればくっついて強くなるのですが、できたてのホヤホヤのときは不安定です。 気温が低くない、風も無いときは無理に完璧に塞がなくても良いです。眠れない夜に、隙間から見える一等星や月明かりなども風情があります。そよ風も気持ちいいときもあります。風流を楽しみます。湯気や湿気も抜けるし、タバコの煙もすぐ消えるし、まあコロナ的には換気もバッチリですね。タバコの人は立ち上がって天井付近で吸うと、分煙にもなります。 風が強い日は、丁寧に塞ぎます。どんなに塞いでも、風が強いと少しだけ吹き込んできます。寝場所を決めたあとでも、気になるようなら、内側からでもノコで整形したブロックをはめて対処できます。面倒くさくて放って置くと、雪が吹き込んで積もったりもします。昔の旧恵迪寮で漆喰壁と柱の隙間から雪が立てた三角板のように積もっていたのを思い出しますよ。 例えば富士山みたいに、降雪が極端に少ないのに風がすごく強い山では、この隙間からサラサラと冷たいグラニュー糖が吹き込んできて、これはどうしようもありませんでした。朝起きたら何センチも体の上に積もっていました。 逆に知床では、まる二日の暴風雪で寝ていたら、イグルーが、上まですっぽり埋まってしまって、天井部分が地面になってしまうほど吹き溜まり、静かな空間に変わってしまいました。出口が何メートルも先まで吹き溜まりましたが、吹き溜まりのフワフワ雪ですから、どうって事はありません。 この二つは改めて、「困ったイグルー」コーナーで紹介します。 でも中には性格がきちんとした人などで、「とりあえず穴だらけ製法」ではなく、「美しく40分製法」もできるかもしれません。要はブロックを丁寧に切って、整形する手間を早く済ませればよいだけなので。色んな人に経験を増やしてもらえば、イグルスキーよりよい方法はまだまだ未発掘で、もっと上手な人もでてくるとおもいます。 次は本場エスキモーのイグルーを紹介しようかな。 きょうはここまで、またね。
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2021-4-22 23:03 |
どこでも泊まれるってことは
イグルーは積雪が30cmあればどこでも泊まれます。これが、雪洞と違うところです。雪洞は積雪2m、しかも稜線の雪庇の脇のような、急な、風下吹き溜まり場所に限られます。でもイグルーは、新雪では駄目だけど、ある程度締まった30cmがあれば、人里でも作れます。雪さえあればどこでも泊まれるということです。絶壁の上でも、平らなところでも。針葉樹林帯でも、山頂でも。吹きさらしでも、吹き溜まりでも。テントだとストレスになるあらゆるところで安眠できます。とても自由です。 どこでも泊まれるということは、泊まっては駄目なところを知っているということ。どこでも眠れる、何でも食べられる、誰とでも仲良くなれるという人の本当の意味は、本当に泊まったらやばいところ、食べたら本当にやばいもの、付き合ったら本当にやばい人を知っている、直感で、知識で判断できるということです。 寝ていたら殺されるような場所を避け、食べたら体調を崩すものを避け、関わったらやばい人を見分ける、これが何でもできる人です。海外旅行で、山で、これは実感できると思います。その感覚を磨くことこそ、山登りの醍醐味です。 イグルーも、作ってはいけない場所があります。それは、雪崩の通り道です。イグルーはどんな暴風雪にも耐えられますが、雪崩だけは助かりません。これだけは避けましょう。どんなところを雪崩が通るかは、たくさん雪山に通って学んでください。とても大切なことです。 北大の山岳部には、1965(昭和40)年3月に札内川の雪崩遭難といって、6人が就寝中の雪洞の中で大雪崩に遭って亡くなる死亡遭難事故がありました。リーダーの沢田義一さんは、その後数日生存して、ポケットの中にあった地図の裏に、家族や、部員や、メンバーの家族にあてた遺書を書き残していました。 破格の規模の雪崩とはいえ、沢の中で泊まったことが失敗の原因でした。いつまでも憶えていてほしい遭難事故です。 |
2021-4-21 22:15 |
雨の夜は屋根が落ちます。
イグルー最大の弱点は、気温が高いと屋根が落ちることです。ありましたよ、実際に。夜中にしとしと雨が降ってきて、屋根がどんどん低くなってきて。こんな雪山でマジかよ〜。雨だれも増えてきて、2時頃ドスンと落ちました。予兆ムンムンだったから、「ああ、落ちたか」という感じで、寝袋から出て靴履いて、パッキングしてツエルトかぶってお茶沸かして飲んで、明るくなったら出発しました。寒くないから、死ぬほどのことはありません。 3月中旬の白神山地です。3月でも気温が高くてこんな事あるのです。眠る前に、小物を整理整頓しておきましょう。記録参照↓ 山行記録: 白神山地県境縦走(尾太岳〜二ツ森) 2012年03月16日(4日間) 白神山地・岩木山, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com 屋根を作ったあとで気温が0℃以上になるようなら、屋根は作らないほうが賢明です。私は夏も冬もタープを愛用していて、こういう季節は床下2段から壁を2段ブロックを積んで、高さが30cm×4になったら、スキーやストックを梁にして、足りなければそこいらの枝を渡して、その上からタープをかけると、雨にも強い良いテン場ができます。タープの紐はピッケルなどで固定。足りない分は小枝にくるくる巻いて雪の下10センチくらいに埋めて踏み固めます。これからの季節はこれです。通気性もよく、ドームテントより広くて快適ですよ。こういうときはツエルトよりも張りやすいです。 2016年4月、安房峠〜乗鞍岳縦走の記録です。↓ 山行記録: 安房峠【安房山、十石山、硫黄岳】位ヶ原滑降 2016年04月30日(3日間) 槍・穂高・乗鞍, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com タープは夏も主力です。テントフリーつながりの話なので夏のタープもひとこと。タープは、雨の日もその下で焚き火ができるのがたいへん便利です。雨や泳ぎで濡れた体が焚き火でパリパリに乾いて、ザーザーやまない夜でも快眠です。出発するのが嫌になります。雨の日、タープの下で焚き火をして二度寝するなんて、最高の贅沢ですね。 私のタープは6畳間くらいの正方形です。4人余裕で泊まれます。20年くらい前、登山用品店で作ってもらいました。四隅にハトメ、その中間にもハトメ、3mくらいの細引きを6本つけてあります。「テントフリー」なので、夏もこれです。重さ500g。たたむとトマトジュースのPETボトルくらい。 山行記録: 峠二つ越え黒部横断。針ノ木岳・蓮華岳、其々 2019年07月26日(3日間) 剱・立山, 沢登り / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com
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2021-4-20 21:54 |
教えその5 重いブロックを持ち上げる
こんにちは!イグルスキー米山です。 意外と苦労する人がいる、切ったはいいけどブロックが重くて持ち上がらないという問題です。これまでの写真を見ると、12月〜2月くらいの樹林限界以上の雪はサクサクの「かるかた雪」でホイホイ切れてホイホイ持ち上がるのですが、3月半ば以降になると、気温も上がり日射も浴びて、雪が徐々に高密度になります。なるべく大きなブロックを切ろうと言ってはいますが、持ち上がらないと壁が積めません。特に力の弱い人も中には居ますから、自分が持てる限界で、切りましょう。1段目、2段めなら、30cm×30cm×30cmのサイコロ状でもなんとかなります。3段目、4段目なら、細くするため、縦割りにしましょう。 とはいえコツもあるのです。私、以前合気道をやっていました。合気道というのは相手の手首や肘などの弱点を軽く掴んで、非力な人でもそのお互いの体の位置関係と動きと呼吸によってワザをかけ、思いもよらぬ大きな力を発揮するのです。か弱い人がポンポン人を投げ飛ばす不思議なコツがあります。その一つが、 へその前で息を吐きながら仕事をすると、強い力を出すことができるというものです。ヘソですよ。体の中心。両手を自然に前に垂らしたら、そこです。台所で包丁使う時、ワザをかける時に相手の手首を掴む時、全部ヘソの前20cm以内です。重いブロックを持ち上げるときは、前かがみではなく、膝を曲げ腰を落として、自分のヘソをブロックの前に近づけるのです。ブロックを持ち上げるというより、自分のヘソを近づけるようにして、そのあと一緒に立ち上がりましょう。いま流行りの、「寄り添う」ってやつですね。だから立ち膝とか、正座とかして、まずは自分の姿勢を低くします。簡単だけど、非常に大事です。凍って硬いブロックにノコを入れるのが続くときも、なるべくヘソの前になるように、自分の立ち位置と姿勢を工夫しましょう。疲れないために、とても大切です。 床においた鞄の中を探したり、地面のものを拾ったりするときも、小さめのリュックを背中からおろして中を探すときも、脚をたたんで片膝をついて、ヘソを落とし背中を立てて作業しましょう。そのほうが格好もいいです。 きょうはここまで。またね。 |
2021-4-17 13:08 |
教え4トレンチ法で解決
トレンチ!大きくて長いブロックを角を揃えて取り出す方法これまでの話で、イグルーを早く作るのは、大きくて長いブロックを角を揃えて切り出すのが大事と話しました。標高の高い(つまり樹林限界以上)、気温の低いところだと、簡単なのです。軽くて硬い「かるかた雪」なので表面も、下の方も、サクサク切れてホイホイ持ち上がって、積めばピタリと安定します。厳しいところほど楽勝なのです。ノコギリも、ギコギコやらなくてもマグロ解体問屋さんみたいに、刀みたいにサクーッと切れます。 しかし標高が低いところは、特に3月にもなると、以前に気温が上がったりして硬くなった層があったり、上のほうが厚く「ずっしり雪」だったりします。そういうところは、なかなかきれいに切れません。ノコ目がきれいに角まで届かないんですね。たとえきれいに大きなブロックを切っても、重すぎて持ち上がらなかったり、屋根材に使うには重すぎだろうと諦めていました。でも、ポイントはノコギリをちゃんと入れることなので、ノコギリを入れやすいように、はじめの一列トレンチを思い切って捨てることにしました。今年思いついた新技術です。 はじめの一列はトレンチを掘って捨て、大きいのを狙う。足元からブロックを出すのに、はじめの一つはノコの切れ目が縦にしか入らず、下面は入らないから、これは崩して掘りごたつみたいにして捨てます。そして、次からは下面にもノコを入れつつ、スコップの幅〜30センチほど、予定の場所に一気に長さ150cmの溝(トレンチ)を掘ります。掘り出すときは上に向かって外開きの角度で切れ目を入れるのをお忘れなく。30cm×30cm×30cmの小さめのブロックでいいです。これはブロックとしては小さいので、壁としては使わず、最期の穴塞ぎ用に脇に置いておきます。でも壁一段目なら幅30cmあれば正直何でもいいのでもったいないから使ってもいいです。 外開きのノコ目 切れ目は、ブロックを取り出す方向に微妙にひらいていないと切れているのに取り出せないです。トレンチなら上方向に微妙に開いた角度で。手前に出すなら手前側にも微妙に開いて。 溝ができてしまうとその両脇からブロックを取り出しやすくなります。下面にもノコの刃を入れられるし、こちら側があいているから楽です。150÷3で3等分、ちゃんとノコの切れ目を入れて大物をいただきましょう。 このとき、端っこではなく真ん中のブロックから切り出します。端っこは壁際なので、外開きにノコ目が入れにくいからです。真ん中だから、堂々と外開きします。そして真ん中が抜けてしまえば、両端のブロックは2面開いているから、もう外開きでなくても大丈夫です。足元から一段あたり、トレンチの両脇に2列ずつ、合計12個の特大ブロックが取り出せます。これがちょうどイグルー一段目の周りを囲む数にあう計算です。実際は入り口を開けるから11個でいいですね。壊れたり、欠けたりありますから、そのときは続いて掘る床下の2段めからもらいましょう。壁の2段めは図のように、計算上は8個あればよいのです。 三段目、四段目は次回に。 きょうはここまで。またね。
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2021-4-15 20:38 |
教えその3 どうして屋根が落ちないの?珠玉のワザ2つ
↑どうですか?このひどい格好のイグルー。屋根が潰れて、平らになっているけど、落っこちて来ないのかな?と思いませんか?イグルーはこんな屋根でも、気温さえ上がらなければ、カチンコと固まってくれます。雪同士くっつく不思議な習性があるのです。
はじめは本場北極圏人のイグルーみたいに幾何学的なパネルを、切り口に角度つけて傾斜をつけてはめ込んで載せて見ましたが、難しくて駄目です。手を離せばブロックがぼろぼろ落っこちます。ネット動画でエスキモーの実演見て、本当にやってるんだ!と信じられませんでした。 重力に逆らって屋根が落ちないための技術が2つあります。長年やってようやく考えつきました。その1・ブロック壁の幅を厚くして、載せるときは傾けず水平に置き、内側へせり出させる。壁が傾いていくからブロックの上面も傾けてしまうと、滑り落ちやすいですよね。あるとき気が付きました。傾ける必要ないじゃん!ブロック上面はあくまで水平にし、その上に載せるときは平らなままぐぐっと内側へせり出します。壁の厚みが薄かったり、ブロック表面が凸凹だとこれができません。そのためにも1段目と2段めは大きくて、接合面の平らなブロックが必要なのです。じゃがいもみたいなのはいくら積んでも駄目です。ブロックが幅30cmあれば、10cmは内側へ出せます。 その2・長くて細いブロックで橋架け式に屋根を塞いでいく。?これを発見して、ようやくイグルーを安定的に作れるようになりました。「その1」のまま3段目、4段目積んでいくと、厚いブロックは重いので、持ち上げるのも大変だし、不安定で落っこちてきます。だから3段目以上は、その大きな30cm×30cm×50cmのブロックを縦割りにノコで切って15cm×15cm×50cmとか、20cm×20cm×50cmとか、とにかく50cmの長さは活かして、細く割ります。なるべく雪の層と平行に切るとより折れにくいです。そうすると軽くなって、ホイホイ屋根が塞げます。上の写真では50cmといわず1m近くありますね。この頃になると、ブロックは割と深いところから切り出しているので、脆くなく、軽く硬い雪質(かるかた雪)になってきているのも都合がいいです。 できれば隙間が開かないようにやってもいいですが、山では急いでいるのでとりあえず穴だらけのドームにしてしまい、あとから塞ぎます。室内から見上げると、多角形の模様がきれいです。こういう屋根の建築が、コーカサスのグルジアだったかイングーシかダゲスタンだったかカラチャイ・チェルケス共和国あたりにあるそうです。建築家の旧友に教わりました。「ラテルネン・デッケ」っていうそうです。命名はドイツ語ですね。ラテルネは明かりの意味です。 書いてしまえば簡単だけど、ここに至るまでに私は10年以上遠回りしていました。惜しげもなく教えます。さて次は、理屈はそうでも、細長いブロックを壊さずに掘り出すワザも重要ですよね。以前は、簡単に掘り出せる雪と難しい雪があると思って、難しいところでは諦めていました。でも最近はそんなところでも切り出すワザを見つけました。この写真は先週の栂池です。もうすっかり重い雪になっていますね。これでも作れましたから。ちょっと疲れますけど。 次回あたりにそれを話します。 きょうはここまで。またね。 |
2021-4-14 22:09 |
三つの道具を選ぶ
↑私の道具です。黒い柄がゴムタロー、木の柄が同じシルキー社のノコ、スコップは30年くらい前のブラックダイアモンド製です。イグルー作りに欠かせないノコとスコップとあると便利な防寒テムレス雪崩レスキューのため、スコップは個人装備ですでに持っていると思います。イグルー作りにはあと、薄っぺらいノコギリ、これだけです。テントの代わりの重量としては、かなり軽いものですね。私は冬も夏も、ノコギリが一番頼もしい装備です。これさえあればテントとストーブの代わりになります。ノコギリを持って山に行く人は多くないかも知れませんが、ノコを使わなければきれいなブロックは取れず、イグルーも作れません。 ノコギリノコのオススメはずばり、上の写真にあるシルキー社のゴム太郎30センチ以上(刃渡り)です。ノコの長さはすなわちブロックの大きさの限界を決めるので、この長さは譲れません。もう少し長くても良いくらいです。木製ではなくゴムの柄が画期的だったのでこの名前がついているようです。 https://www.silky.jp/items/102-21-2.html 換え刃だけでも売っていて、柄にテープだけまく人も居ますが、柄は立派なゴムグリップを付けたほうが仕事が捗ります。硬い雪ブロックも切るし、立ち枯れタンネを切って焚き火もするので、私の山登りでは大活躍します。 もうひとつ大事なのが柄の形です。カーブして、握った時に小指がぐっと引っかかり力が入る形のものが良いです。ゴム太郎など、林業用、剪定用のものは、ちゃんとそのあたりが現場で支持されている形なのですが、登山用のものなどで、パッキング重視のせいか、柄がまっすぐだったり、棒状だったりのものがあります。ブロックをいくつも切り出すので、春先など雪が硬いと、しょぼいグリップだと握力を使い腕が疲れます。ヤクザが小指詰めると、ドスが使えなくなるんですね。 また、柄の長さは片手で持って小指までの短さのものが適しています。狭い場所で取り回すためです。林業用の、刃が40センチ、柄が30センチのような両手用の物は、刃が長いのは良いのですが、柄が長くて引っかかります。 ステンレスの刃も錆びると切れ味が落ちるので、帰宅したらすぐ鞘から抜いて、よく乾かし、機械油を塗っておきます。
スコップイグルー用の最適スコップはなるべく平べったくて、両側に反り返りがあまりついていないものです。ブロックを取り出す時にノコの切れ目に差し込んでパコッと出すだけの役割なので。だいたい何でも大丈夫です。スコップの柄は、写真のような短さが最適です。深い穴の中の狭い場所で取り回すので、長すぎる柄は邪魔になります。短くできるなら最短でセットしましょう。 防寒テムレスもうみんな使っていますね。2013年くらいから登山愛好家のあいだで徐々に広がりました。お値段がうれしい現場価格で、手が蒸れない完全防水、しかもボア入りで温かい。氷点下13℃くらいまでなら行動中でも使っています。イグルーづくりは雪を持ち運ぶ作業なので、とても適しています。濡れないし、冷たくない。おまけにストーブにかけた熱い鍋をつかんでも溶けないし(ただし焚き火にかけた鍋は駄目でした、高温なんですね)、熱湯の中の茹でたパスタをテムレスで手掴みしてみんなの皿に盛り分けるという荒業も熱くないです。でも雨の日に手首のところを上着の袖の内側に入れておかないと、雨だれが中に入り濡れます。そうなるとなかなか乾きません。全部ひっくり返して懐に入れて眠らないと。濡れたテムレスが凍ると危険です。毛の手袋に換えましょう。 ゴム紐をつけて腕からビレーできるようにしておくと、脱いでも風に飛ばされず便利です。私は手首から雪が入らないように肘までカバーを縫い付けて自作しています。
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2021-4-13 23:13 |
教えその2・広さについて
◎3〜4人用(円形)人の寸法はおよそ縦180cm、幅45cmで勘定します。四人だとちょうど180cmの正方形(上の図で黒い四角)ですね。イグルーブロックは円形だと強度的に積みやすいので、正方形のたて穴の上に半球型のドームが乗るという構造です。30cmを下へ三段掘り進むので、もとの雪面より随分低いところが床になります。だから積んだブロックの下も横に広げて広くできるので、3〜4人用なら少し狭めの150cm四方の正方形(上の図で橙色の四角)に一段目の土台ブロックを積みます。一段目は正方形だけど、二段目はコーナーに「橋架け」でブロックを置くから、次第にドームになっていきます。 ◎1〜2人用(小さい楕円形)180cm×90cmくらいで勘定します。楕円形になるけど、小さいから、ブロックさえ十分な大きさがあれば長い直径側の壁も大丈夫です。 ◎5〜8人用(ひょうたん島式)直径3mというようなイグルーは、やったことないですが、天井に手が届くかな?180cm×横並びで225cm(5人)というのは作った事がありました(「難」の図)。楕円形になると、長い方の壁が強度的に弱く、コーナーが遠くなるので屋根塞ぎに苦労して時間がかかります。こういうときはそれぞれ同時に二人で二つ(3人+2人とか)作って、中でつなげます(「良」の図)。各々は円形なので、所要時間は一つと変わりません。接点の壁を共有する格好なので、強くて早いです。つなぎ目のマドはなるべく広くしましょう。雪の壁越しだとお隣の声があまり聞こえないので。 ◎9人以上(アリの巣)ひとつの円形イグルーには4人まで。それ以上は増やしてつなげるという方法で落ち着いています。 4つを連結して12人用を作ったことがあります。それぞれに二つずつ出入り穴をつなげて。もう、モグラの巣みたいで楽しいです。参考に御覧ください↓。 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1083606.html ◎積雪が30cmしか無いところ強風の場所などで雪が飛ばされて積雪が浅く、下に掘り込めず、一段取ったら地面というところでは、広く周辺から一段ずつ切って集めます。段の高さは5段くらい、見た目は掘り込み式より大きくなります。でも、吹きさらしと吹き溜まりはセットなので、半径50m以内には吹き溜まりがあると思います。どうしても山頂に泊まりたいんだ、というような時くらいか。初めて作ったイグルーが、日高のペテガリ岳山頂で、一段分だけの積雪でした。改めてお話します。 ↓このときのイグルーは初冬12月で、積雪50センチでした。でも降りたての新雪じゃなかったから、ブロックができました。 https://www.life-rhythm.net/igloo/ きょうはここまで。サイズの話でした。またね。 |