OBの山行記録・ 2011年12月23日 (金)
酷寒日高/沙流岳縦走 米山悟(1984入部)
日 程 2011年12月17日(土)〜18日(日)
メンバ 米山悟(1984) , 斎藤清克(1987) , 木城真澄(2009)
ルート 17日層雲峡引き返し→日勝峠イグルー
18日上滝山北尾根末端付近国道コンタ710m(7:20)→・1080(10:00)→1300のポコ/稜線(11:00)→沙流岳(13:00)→・1445ピーク(15:00)→日勝トンネル日高側入り口(16:00)
天候と状態 吹雪 低温朝-13度、山頂付近は-17度くらい。登りの尾根の積雪は、林道、ブル道使ってぎりぎり。1445から峠への滑降は、上半分ブッシュ多くまだ時期が早い。
メンバ 米山悟(1984) , 斎藤清克(1987) , 木城真澄(2009)
ルート 17日層雲峡引き返し→日勝峠イグルー
18日上滝山北尾根末端付近国道コンタ710m(7:20)→・1080(10:00)→1300のポコ/稜線(11:00)→沙流岳(13:00)→・1445ピーク(15:00)→日勝トンネル日高側入り口(16:00)
天候と状態 吹雪 低温朝-13度、山頂付近は-17度くらい。登りの尾根の積雪は、林道、ブル道使ってぎりぎり。1445から峠への滑降は、上半分ブッシュ多くまだ時期が早い。
黒岳北壁計画だったが層雲峡では強風でロープウエイ停止、上はマイナス20度は堅いぞということで、あっさり山域を変更する。
ワンゲルOBのサモキタが、イグルー作りを知りたいというので、合流予定だったが、そういうわけで旭川で沙流岳周辺地形図を買ってきてもらい、富良野で合流、日勝峠に向かう。車も二台あることだし、一台デポ。はじめ取り付きのほうにイグルー作ろうとしたが雪がないので、下山口、峠のトンネル脇のほうに移動して作る。
5人用を「下から上までフルサイズ」で作ろうとしたが一時間半かけて失敗。吹きだまり脇に二人用+三人用のひょうたん島イグルーをブロック切り出し壁半分利用で作る。雪の少ない時期に、直径の大きなイグルーをフルで作るのは難しい。ひょうたんの方は二つ合わせて1時間以内にできた。失敗も含めてよいイグルー授業だったのではないかな。硬くて軽い良い雪質の堀場を探し当てるのがコツです。雪のないこの時期のイグルーが一番難しい。峠の風雪が結構厳しかったのでイグルー製作中の写真無し。
17日
晩ご飯はサモキタがワンゲル式を作ってくれた。御存じのとおり昔の犬のエサ風の山岳部式とは雲泥の差。クリームシチューの中身はちゃんとした具がたくさん。ちゃんと仕込みがしてあるんだね。朝の雑炊にはなんと卵とじ。とき卵をペットボトルに入れてくるのだ。晩はそれぞれ持ち寄った多量の酒と酒豪美女だらけで、グデグデ(だったらしい)。僕は先にスヤスヤしてしまった。
18日
外気温-14度、イグルー内で-7度くらい。支度して一台を日勝峠に残し、一台で登り口まで引き返す。コンタ710、国道が90度曲がるところ。サモキタとお別れして三人で出発。林道を進み上滝山の北肩の北西尾根を狙うが、藪だらけなのでパス(コンタ780)。林道もう少し進んで1080の北西尾根850あたりから斜面に入る。積雪は30センチほどだがなんとか笹が隠れている。尾根を上がっていくと無数のブル道や林業作業道があり、それらをあみだくじのように進んだりしてようやく東西稜線に出る。下部半分はブッシュで、上部半分はスネくらいのラッセル。下部半分のほうが時間がかかった。ここまで、イグルーが作れる積雪はなかった。ほんの吹きだまりがあれば作れるのだがまだ時期が早い。稜線でなら、もう余裕で作れる。低温で吹雪、けっこう寒い日だ。読みよりも時間がかかっているので、上滝山の山頂はあきらめて、沙流岳に向かう。稜線上は大きなタンネが林立する良い森だ。真ん中に伐開線が通っている。稜線上では吹きだまりが豊富でイグルーは作り放題。強い風の吹くところは作り易い。
新雪はなかなかシールが利きにくく、ずりりと落ちることも多し。しかし、全員ジルブレッタの300や400で秀岳荘のバンド締めシールという昭和装備のパーティー、内地ではなかなかないと思うよ。
沙流岳山頂は小高くなった良い山頂。憧れのペンケヌウシは、まだ厚い雪雲の中で見えない。ここからコルまでの高差170mの新雪粉雪の滑降は今山行一番の快楽場面。キシロはこんなに楽しいスキーは生まれて初めてデスといった。
この先1445あたりまで、オヤジ二人は燃料切れでスピードダウン。二日酔いと、低温のため捕食を怠りシャリバテ気味だったので。何しろ寒くて、手袋とってネーベンを食べる気が起きないくらいだったのだ。サイトーの買ってきた「シベリア」という菓子はカステラで羊羹を挟んだ甘い食いものだが、水の無い吹雪の中では良く喉を通るすぐれもの(水はペットボトルで凍ってしまった)。行動食を食べつくしたキシロに与えて薪をくべる。キシロは後半、ラッセルスパートさかんにかけ、独走。現役の底力を見せる。ハイマツが見えている強風の山頂部からは夕日にぼんやり沙流岳も姿を見せた。いい山だ。標高の高いこっちの1445より白い。
日勝峠への滑降は、上部まだ灌木が雪に埋まっていなくて不快調。後半になってふわふわ粉雪を蹴散らして滑る。全体にまだ雪足りず。日暮れぎりぎりになってしまったけれど沙流岳に美しい一本線を引けた。とても満足。
寒い日だった。右手親指にしびれが残ってしまった。日高町のそば屋で水をがぶ飲みしてかつ丼を食べ、穂別の樹海温泉で芯まで冷え込んだ体幹をあっためる。キシロ得意のマムシつかまえる話や赤腹イモリのエサやりの話、壊れたままのストーブの話を聞きながら札幌へ。夜行急行はまなすで僕は青森へ、キシロは夜行バスで函館へ帰る。
反省点
この時期のイグルーは小さいやつで。
低温で面倒でもネーベンをこまめに食べよう。
はやめのハンガロン。
いくつになってもシーズン初めは忘れちゃってること多し。でも楽しい。
雪が安定しないと、ペンケヌウシはかなり遠いぞ。
より多くの写真はヤマレコにあります。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-156857.html
ワンゲルOBのサモキタが、イグルー作りを知りたいというので、合流予定だったが、そういうわけで旭川で沙流岳周辺地形図を買ってきてもらい、富良野で合流、日勝峠に向かう。車も二台あることだし、一台デポ。はじめ取り付きのほうにイグルー作ろうとしたが雪がないので、下山口、峠のトンネル脇のほうに移動して作る。
5人用を「下から上までフルサイズ」で作ろうとしたが一時間半かけて失敗。吹きだまり脇に二人用+三人用のひょうたん島イグルーをブロック切り出し壁半分利用で作る。雪の少ない時期に、直径の大きなイグルーをフルで作るのは難しい。ひょうたんの方は二つ合わせて1時間以内にできた。失敗も含めてよいイグルー授業だったのではないかな。硬くて軽い良い雪質の堀場を探し当てるのがコツです。雪のないこの時期のイグルーが一番難しい。峠の風雪が結構厳しかったのでイグルー製作中の写真無し。
17日
晩ご飯はサモキタがワンゲル式を作ってくれた。御存じのとおり昔の犬のエサ風の山岳部式とは雲泥の差。クリームシチューの中身はちゃんとした具がたくさん。ちゃんと仕込みがしてあるんだね。朝の雑炊にはなんと卵とじ。とき卵をペットボトルに入れてくるのだ。晩はそれぞれ持ち寄った多量の酒と酒豪美女だらけで、グデグデ(だったらしい)。僕は先にスヤスヤしてしまった。
18日
外気温-14度、イグルー内で-7度くらい。支度して一台を日勝峠に残し、一台で登り口まで引き返す。コンタ710、国道が90度曲がるところ。サモキタとお別れして三人で出発。林道を進み上滝山の北肩の北西尾根を狙うが、藪だらけなのでパス(コンタ780)。林道もう少し進んで1080の北西尾根850あたりから斜面に入る。積雪は30センチほどだがなんとか笹が隠れている。尾根を上がっていくと無数のブル道や林業作業道があり、それらをあみだくじのように進んだりしてようやく東西稜線に出る。下部半分はブッシュで、上部半分はスネくらいのラッセル。下部半分のほうが時間がかかった。ここまで、イグルーが作れる積雪はなかった。ほんの吹きだまりがあれば作れるのだがまだ時期が早い。稜線でなら、もう余裕で作れる。低温で吹雪、けっこう寒い日だ。読みよりも時間がかかっているので、上滝山の山頂はあきらめて、沙流岳に向かう。稜線上は大きなタンネが林立する良い森だ。真ん中に伐開線が通っている。稜線上では吹きだまりが豊富でイグルーは作り放題。強い風の吹くところは作り易い。
新雪はなかなかシールが利きにくく、ずりりと落ちることも多し。しかし、全員ジルブレッタの300や400で秀岳荘のバンド締めシールという昭和装備のパーティー、内地ではなかなかないと思うよ。
沙流岳山頂は小高くなった良い山頂。憧れのペンケヌウシは、まだ厚い雪雲の中で見えない。ここからコルまでの高差170mの新雪粉雪の滑降は今山行一番の快楽場面。キシロはこんなに楽しいスキーは生まれて初めてデスといった。
この先1445あたりまで、オヤジ二人は燃料切れでスピードダウン。二日酔いと、低温のため捕食を怠りシャリバテ気味だったので。何しろ寒くて、手袋とってネーベンを食べる気が起きないくらいだったのだ。サイトーの買ってきた「シベリア」という菓子はカステラで羊羹を挟んだ甘い食いものだが、水の無い吹雪の中では良く喉を通るすぐれもの(水はペットボトルで凍ってしまった)。行動食を食べつくしたキシロに与えて薪をくべる。キシロは後半、ラッセルスパートさかんにかけ、独走。現役の底力を見せる。ハイマツが見えている強風の山頂部からは夕日にぼんやり沙流岳も姿を見せた。いい山だ。標高の高いこっちの1445より白い。
日勝峠への滑降は、上部まだ灌木が雪に埋まっていなくて不快調。後半になってふわふわ粉雪を蹴散らして滑る。全体にまだ雪足りず。日暮れぎりぎりになってしまったけれど沙流岳に美しい一本線を引けた。とても満足。
寒い日だった。右手親指にしびれが残ってしまった。日高町のそば屋で水をがぶ飲みしてかつ丼を食べ、穂別の樹海温泉で芯まで冷え込んだ体幹をあっためる。キシロ得意のマムシつかまえる話や赤腹イモリのエサやりの話、壊れたままのストーブの話を聞きながら札幌へ。夜行急行はまなすで僕は青森へ、キシロは夜行バスで函館へ帰る。
反省点
この時期のイグルーは小さいやつで。
低温で面倒でもネーベンをこまめに食べよう。
はやめのハンガロン。
いくつになってもシーズン初めは忘れちゃってること多し。でも楽しい。
雪が安定しないと、ペンケヌウシはかなり遠いぞ。
より多くの写真はヤマレコにあります。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-156857.html
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