第4回北大山岳館講演会
北海道の高山植物相の位置づけ-特にアポイ岳を中心として-
2011年11月11日(金) 14:00〜16:00
2011年11月11日(金) 14:00〜16:00
地球生態系にあって、太平洋に面する東アジアの島嶼は、世界のなかで唯一湿潤気候に属し、熱帯から亜寒帯にかけて熱帯降雨林・亜熱帯照葉樹林・暖温帯照葉樹林・冷温帯落葉樹林・冷温帯針広混交林・亜寒帯落葉樹林が成立する。日高山脈は亜寒帯落葉樹林の山岳型としてとらえられる。この特性は西欧の研究者から認識されていない。北海道の高山植物相は湿潤気候下に成立するフロラの特徴をもち、興味深いことに大雪山彙は北アジア太平洋要素、日高夕張山系は欧亜要素に特徴があり、日高と大雪の高山植物フロラは森林帯の特徴と逆の現象が見られる。この要因について判りやすく解説する。そして地球温暖化によるアポイ岳50年間の高山植物相の衰退とその対策について紹介する。
■講演会概要
-
昨年から始めました山岳館主催の講演会を開催致します。どうぞ、ご家族・友人・知人などお誘い合わせの上、万障繰り合わせてご参加下さいますよう、ご案内致します。
■講師紹介
- 渡邊 定元(わたなべ さだもと)
○ 昭和9年(1934)生 静岡県出身
○ 学 歴:北海道大学農学部卒 農学博士(東京大学)
昭和27年北大山岳部入部、北大山の会会員
○ 専 門:植物地理学、生態系管理学、森林生態学、樹木学
○ 職 歴:1985年 東京大学農学部 教授
1995年 三重大学生物資源学部 教授
1998年 立正大学地球環境科学部 教授
2000年 立正大学環境科学研究所長
2006年 森林環境研究所 総括研究員 (現職)
○主な社会的活動:国連食糧農業機関.FAO Consultant
日本学術振興会生物-電子工学インターフェースに関する研究開発専門委員
林野庁熱帯林問題に関する懇談会専門部会長
環境庁環境影響評価制度総合研究会技術専門部会委員
静岡県富士山100年プロジェクト3776構想研究会会長
NPO法人富士山自然の森づくり理事長
○主な著書・編書:「自然保護ハンドブック」共著,東大出版,昭和58年
「地球環境工学ハンドブック」共著,オーム社,平成3年
「樹木社会学」東大出版,平成6年 日本林学会賞受賞
「自然林の復元」編著,文一総合出版,平成6年
「森とつきあう」岩波書店,平成9年
「富士山自然の森づくり」、日本森林技術協会、平成18年
「主張する森林施業論」、J−FIC社、平成19年
「森の芽生えの生態学」共著、文一総合出版、平成20年
「富士:信仰と芸術の源」共著、小学館、平成21年
「日本樹木誌」共著、J-FIC社、平成21年
■会場・問い合わせ先等
- 会場:北大山岳館 札幌市北区北18条西13丁目(北大構内北西隅、北大恵迪寮東側)
- 定員50名(先着順、参加無料)
url:https://aach.ees.hokudai.ac.jp/sangakukan/
E-mail:sangakukan@aach.ees.hokudai.ac.jp
Tweet| |
北方諸島のオットセイ、トドの生態と保全 |
第5回2012/10/13北極海・ベーリング海底から地球の気候変動を読み解く |