第5回北大山岳館講演会
北極海・ベーリング海底から 地球の気候変動を読み解く
2012年10月13日(土) 14:00〜16:00
2012年10月13日(土) 14:00〜16:00
最近、宇宙航空研究開発機構は、北極海の氷の面積が観測史上最小になったことが確認されたと発表しました。この背景には地球温暖化が影響しているとみられます。これまでも、カナダ北部の北極圏に住むイヌイットの生活が激変していて、薄い氷が割れて海で命を落とす猟民、雪不足でイグルーが作れない、いるはずがないイルカが目撃されるなどの報告があります。
また、地球温暖化の犠牲者として映像に登場するホッキョクグマは、国際自然保護連合がレッドリストに載せており、絶滅に瀕しているといわれています。他方、北極海の海氷の範囲が縮小し氷結する期間が減っていることから、北極海航路や北西航路など、物流や地政学の面で注目されています。
これらはすべて、地球温暖化の影響だと研究者らが指摘しています。多くの研究者は、地球温暖化の原因について人間活動による温室効果ガスを挙げています。しかし、地球はこれまでも低温期と高温期を周期的に繰り返していることから、温室効果ガスは関係ないとの意見もあります。
気候は必ず変化し、しかも激しく変動することが、これまでの地球科学の研究で明らかにされています。私たちは変化する気候に追いつかれないうちに知恵を出し合い、対応策を考えていかなければなりません。
今回の講演会は、北星学園大学の高橋孝三教授をお招きしました。高橋教授には、氏がチーフ研究者として参画した統合国際深海掘削計画(IODP)にもとづき実施された2004年の北極海掘削航海(Expedition302)、および2009年のベーリング海掘削航海(Expedition323)により採取されたボーリングコアの解析から明らかにされた、中生代白亜紀から現在までの約8千万年間の地球の気候変動の歴史について、豊富な映像を用いてお話していただきます。
壮大なスケールのアカデミックな物語に耳を傾け、地球の気候変動のこれからについて考えてみませんか。入場は無料です。
■講師紹介
- 高橋 孝三(たかはし こうぞう)
○略歴
1972 北海道大学水産学部水産化学科卒業
1977 ワシントン大学理学部大学院修士課程修了
1981 マサチューセッツ工科大学/ウッズホール海洋研究所大学院博士課程修了、Ph.D.[理学博士]
1982-84 カリフォルニア大学サンディエゴ校スクリップス海洋研究所・助教授
1984-92 ウッズホール海洋研究所 助教授・准教授
1992-97 北海道東海大学・工学部・海洋開発工学科 教授
1997-2012 九州大学大学院理学研究院・地球惑星科学部門 教授
2012- 九州大学名誉教授
2012-現在 北星学園大学・社会福祉学部 教授
○受賞
文部科学大臣表彰科学技術賞、研究部門「生物源沈降粒子フラックス変動と古海洋環境復元の研究」2009年4月
第3回海洋立国推進功労者表彰(内閣総理大臣賞)海洋に関する顕著な功績分野「海洋における気候変動研究」2010年7月
■会場・問い合わせ先等
- 会場:北大山岳館 札幌市北区北18条西13丁目(北大構内北西隅、北大恵迪寮東側)
- 定員50名(先着順、参加無料)
url:https://aach.ees.hokudai.ac.jp/sangakukan/
E-mail:sangakukan@aach.ees.hokudai.ac.jp
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