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書評・出版・ 2007年10月10日 (水)

【書評】日本の幻の滝(84米山)

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20年前、優れた処女作「大いなる山大いなる谷」で、あしたのジョーみたいに「山で真っ白になりたいんだ!」と、山への白熱の情熱を記録した志水哲也氏。今は独自の登山ガイド、そして5年前からは写真家として、とことん黒部川に向き合っている。日本各地の凄い滝の写真集。こんな滝を見たことある人には、ゴクリ生唾、何処のラインを行けるのかと。見たことのない人は・・・、どんな感想持つのだろうか?
山と渓谷社/3600円/2007.9.5/A4変形(今なら3000円だそうです)

滝から落ちる水のめくりかえり様、釜の中の泡の煮えくりかえり様は普通じゃない。水量も、地形も大がかりな沢の、大がかりな滝に特有の迫力だ。

知床・カシュニの滝ほか
白神・ヒグラシの滝ほか
飯豊・梅花皮大滝、七滝
奥利根・越後沢中俣大滝、右俣大滝
尾瀬・三条ノ滝
菅平・米子不動(氷)
立山・称名滝
黒部・剱沢大滝
大台ヶ原・西ノ滝
屋久島・竜王滝

称名滝、剱沢大滝、七滝、竜王滝など、七段、八段、おのおの数十メートルという北海道離れした滝の、直登半ばからの視線は他の写真家では撮れない。厳冬期などの空撮も良い。

2003年の10月、志水氏の剱沢大滝のD滝撮影山行に同行した。ここの雪渓が最も少なくなる季節は紅葉の盛り。初雪まで間もなくという季節。D滝までの2週間の撮影中、狭い谷の中で、ほとんど日を浴びることが無かった。高層ビルの谷間のような谷をトラバースして進む特殊空間だった。

志水氏には天性の企画力があり、沢クライマーとしての山岳写真家という、これまで誰もやっていないテーマを快進撃中である。富山名物、ゲンゲの干物をいまも焚き火であぶってかじっているだろうか。
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