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OBの山行記録・ 2010年5月10日 (月)

【東大雪】クマネシリ岳(1586m)ギアナ高地からアタック(米山1984、斎藤1987)

日程:2010年03月21日〜22日
メンバー:米山悟(1984), 斎藤(1987)
天候:一日目:966mbの低気圧が北海道を通過で暴風
二日目:冬型で、1000m以上はガス風雪
タイム:一日目:車デポ美里別林道と留辺蘂足寄線の分岐(15:00)→・768北のコルCo730(16:00)でイグルー泊(製作に70分)
二日目:イグルー(7:10)→ペンケポンピリベッシリ沢から・1368北のコル(9:30)→クマネシリ岳東の絶壁下でシーデポ(11:30)→クマネシリ岳山頂(12:10-20)→シーデポ(12:50)→・1368北のコル(14:00)→イグルー(15:00-20)→車デポ(15:50)
コース状況/その他周辺情報:一般にはお勧めできない好きな人向けルート


ギアナ高地からのスキー滑降は最高に楽しい。
ギアナ高地をスキーで歩くのは地味に楽しい。
クマネシリ岳東岩壁はノーザイルぎりぎりの70m
クマネシリはアイヌ語で長い竿の意味らしい。この山、地図で見ると幅200ー500m、長さ10キロ以上の細長いテーブルマウンテンで、縁はほとんど絶壁に囲まれている。5年前、西隣の西クマネシリ(通称オッパイ山)から眺め、そのギアナ高地から西縁の尖った山頂を目指す計画を夢想した。今回は三連休の中日に強烈低気圧が来るので、3日山行を1+2日参考に分け、冬型でも天気がましな道東という事で突入。

前日、積丹の鉞山を登って、札幌から道東道を一路東へぶっ飛ばす。驚きの夢の道路だ。帯広まで今は2時間半だって。


ペンケポンピリベッシリ沢を倒木を使って渡渉。沢沿いに行くつもりだったが、一本北の、コルへ上がる沢に入った。コルで4時になったのでイグルーを作る。ざらざら崩れる、イグルーには一番不向きな雪質で、なかなか長細いブロックがとれず、苦労して70分かけて作る。積雪も30センチほどなので掘り下げも無し。今夜は低気圧通過。日本中が強風で騒いでいる。樹林帯の中でも、風で折れた小枝や大枝がどんどん落ちてくる。イグルーの近くのトドマツが、バキバキ言うと思っていたら、やっぱり折れた。太さ50センチ、年輪を数えたら100年近くはある。丈は15mほどか。強い風に森中が踊っている。強風の中、焚き火を敢行。はじめメタに着火するのに苦労したがごうごう燃えてあったまる。風は8時には嘘のように収まってしまった。あのタンネももう少し辛抱すれば長生きできたろうにな。焚き火、三日月、葡萄酒、カレー雑炊。




スキーで出発。一晩パウダースノウが降り積もり、脛までの軽いラッセル。延々登るルートはギアナ高地の1368北の最低コルから東に延びる尾根。これ以外の尾根はすべて台地直下が急になっている。この尾根だけが、サイトーが地図を見て嗅ぎ当てた唯一の弱点。ここも結構な急斜面でジグザグでラッセルする。サイトーがいつものようにバリバリ登って来ないので様子を聞くと、テレマークスキーはかかとが半分しか上がらんので大股でのラッセル、沈んだ時の足の引き抜きが山スキーのように自由にできず、はかどらないんだそうである。なるほどなあ。




期待マンマンのロストワールド、ギアナ高地たる稜線には、濃いタンネの森、風の強い西の縁沿いは太く低く育った古株のダケカンバが、リンゴ畑のよう。登りの尾根にはブル道があったがこのテーブルの上は派手な伐採の跡が無い。無人の聖域の香りがプンプンする。中生代の巨大生き物はいないか〜?鹿やクマの足跡も激しい風雪のため不明。自分のトレースもすぐ消えてしまう。
風雪はなかなかおさまらん。今日は道東、冬型でましな天気のはずだが。マイナス8度くらいで視界は500mより先利かない。そんな中2時間もスキーで北西に向って漫遊していると、白い闇の中にボ〜ッと黒い三角の壁が見えてきて嫌な予感。ここまで来てこんなのが出るなんて!




スキーをデポしてアイゼンピッケルで、壁に取りつく。藪をつかんでだましだまし登る。高度差70m、常識的にはザイルを出すところ。帰りは特に無いと怖いと思うよ、常識的には。

壁を抜けると細くない雪稜、それを抜けると最高点。風雪ガスで何も見えないが、観望して空想して実行した計画の貫徹は誇りだ。壁の下りは登り以上に蹴り込んで終える。帰りはシールを外してタンネの森を戻る。行きの半分時間でコルまで。ここから東尾根のスキー滑降は、傾斜とパウダーとその量がちょうどよく、楽しい滑降になった。結構入っているブル道が、良い斜面になっていて、歓声の下り。サイトーのテレマークスキーもこの場面では持ってきてよかったというところ。天場に下がるころは青空も見え、日もあたってきた。パッキングしてペンケポンピリベッシリ沢へと下る。




最寄りの温泉、芽登温泉に浸かる。古くからある山奥の一軒宿でお湯はぬるりん系の源泉掛け流し。お好みでアツアツ湯船もある。足寄から帯広へ向かう途上で夕焼けの空になった。十勝平野のポプラ並木が延々通り過ぎてゆく。

クマネシリをテーブルマウンテン側から登ろうという趣向はあまり無かろうし、山頂下の壁を見たらノーザイルで誰も行かないだろうから、たぶん初登だろうと思う。

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