OBの山行記録・ 2015年5月17日 (日)
カムエク南西稜 高橋岳(2010年入部)
2014年、自分にとって記念すべきルーム卒業&就職の年。
ところが4月に社会人一発目の山行として現役を誘って企画したニセカウ南稜で雪崩に遭い、入社2週間目で入院した。
(ちなみに大先輩の仁さんは会社役員です。その節はご心配おかけしました!)
おかげで会社の人には名前を憶えてもらえたのであるが、山岳部4年間それなりにやってきたつもりがこの様なので、色々と思う事があった。
週末では出来ないような、真摯に純粋に、全身でぶつかる山登りがしたい。
もがいたりあがいたりしながら山の懐で抱かれたい。憧れの山を、自分のやり方でやりたい。
そんな自分の想いをぶつけられる山行は何かと考え、現役の頃から憧れだったカムエク南西稜が頭に浮かんだ。
山越えして別の土地に辿り着く山行が自分は好きなので静内ダムから札内ダムまでのっこす計画にする。
テントは持たない。(それ以前にテント持って無いけれど!)ツェルトとイグルーで日高の核心部を山越えする。軽いしその方が面白いと思う。
核心部での懸垂と自己確保を想定してロープは6mm×40mを携帯することにした。
6行動4停滞持って入山。今回の為に有給つなげて連休11日を準備した。
今回は天気に恵まれ停滞無しで大晦日下山となった。
ところが4月に社会人一発目の山行として現役を誘って企画したニセカウ南稜で雪崩に遭い、入社2週間目で入院した。
(ちなみに大先輩の仁さんは会社役員です。その節はご心配おかけしました!)
おかげで会社の人には名前を憶えてもらえたのであるが、山岳部4年間それなりにやってきたつもりがこの様なので、色々と思う事があった。
週末では出来ないような、真摯に純粋に、全身でぶつかる山登りがしたい。
もがいたりあがいたりしながら山の懐で抱かれたい。憧れの山を、自分のやり方でやりたい。
そんな自分の想いをぶつけられる山行は何かと考え、現役の頃から憧れだったカムエク南西稜が頭に浮かんだ。
山越えして別の土地に辿り着く山行が自分は好きなので静内ダムから札内ダムまでのっこす計画にする。
テントは持たない。(それ以前にテント持って無いけれど!)ツェルトとイグルーで日高の核心部を山越えする。軽いしその方が面白いと思う。
核心部での懸垂と自己確保を想定してロープは6mm×40mを携帯することにした。
6行動4停滞持って入山。今回の為に有給つなげて連休11日を準備した。
今回は天気に恵まれ停滞無しで大晦日下山となった。
12/26 晴れ
最終バス停〈美園〉(17:50)C1(23:30)
バス停から月明かりを頼りに歩く。満天の星。ウトウトしながら、歩く。
ラーメンをたべたり小休止しながら。眠気の限界が来てツェルト張ってC1。
12/27 晴/曇り
C1(7:00)コイボク林道(14:00)C2(17:30)
ひたすら歩く。5万図のコイボク林道の橋の位置は古く実際と一部違う。・410辺りで除雪終わりスノーシュー。5万図「コイボクシ」の「シ」の辺りでC2。ツェルト泊は笹を敷くと暖かい。
12/28 晴れのち曇り
C2(6:30)清和橋(9:00)・1151(13:15)Co1340=Ω3(14:40)
ラッセルはすねくらい。橋が地図と違うので惑うが、思ったより先まできていて清和橋にすぐ着く。ようやく登り。
・1151までズボズボ、笹と倒木が非常にうざく腰まで埋まったりする。・1151から歩き易くなる。
Co1340に良い雪がありイグルー。深夜から翌未明にかけて寒冷低気圧の通過。太平洋に高気圧が張り出しており湿雪。
12/29 雪→ガス→夕方晴れ 稜上視界100程度
Ω3(6:00)シカシナイ山(8:10)・1821(13:00)P1800先=Ω4(13:40)
4時出発でカムエク一気に狙えるかと目論んだが、外はまだ雪。視界が無いので明るくなるのを待つ。
湿った新雪20cm。昨日の疲れがたまっておりペースが上がらない。ラッセルすね〜膝。シカシナイ山から先の稜上は、南側が雪崩斜面で所々樹林内雪庇が張り出す。かといってカンバ帯に寄ると体が埋まって進めない。
スノーシューの爪も決まらずズルズル・ズボズボ・カンバ・ハイマツ地獄。苦しみの連鎖。
予定より大分時間がかかり・1821に着く。ここからは白く美しい稜線。痺れる。
・1564尾根と合流するP1800の少し先のコルに良い雪面があり、ブロック積んでイグルーを建てる。1人でブロックを積むのは大変だ。倍時間がかかる。夕方、突如雲が途切れる。雲海に浮かび夕陽に輝く日高山脈の中にぽつんと自分は立っていた。
夕陽に輝くカムエクを初めてここで目にする。涙が出る。ここまでつらかった。自分だけの宝物を得る。
12/30 ガス 視界〜200程度 風は気にならない程度
Ω4(6:30)カムエク(9:50)八の沢左岸尾根末端(13:00)札内ヒュッテ=C5(18:00)
天場出るとガスッているが視界200程度はとれる。ウンをイグルーにデポして出発。
東側に一部大きな雪庇あるが問題ない。案外何もないなと思いながら進むとP1850手前で先にある核心部がチラリと見えた。「・・・マジ?あれ行くの?」と一人つぶやく。超細く見える。恐竜の背骨の様で物凄い怖い。本当にあんなの行けるのか。不安と期待を抱いて核心部に入る。核心部は殆ど岩稜だが意外と東側を捲いたり出来て、ナイフリッジが2カ所程あるが対処は難しくない。今回は雪が飛ばされていて、雪庇の嫌らしさはそれ程無かった。岩稜地帯が終わると、カムエクまで一気の急登。既に息切れ気味でペースダウン。南側が雪崩斜面になっていて大きな雪庇もあり気は抜けない。残った力を振り絞りやっとピークに立つ。
ここまで本当に長かった。ピークからは左岸尾根を下る。十勝側は概ね晴れていて、カムエクを振り返りながらだばだばと降りる。
ピークからはトレースがあり、AT成功し天場を撤収している北大ワンゲルPと出会う。皆充実した良い表情だった。ヒュッテまで歩きストーブの脇で眠る。この世の天国。
12/31 曇り
C5(8:30)札内ダムゲート(9:30)中札内まであと5kmの所(13:45)
ゲートでタクシー呼ぶのはもったいない。タクシー呼んだらそこで旅は終わる。もっと余韻にひたりたい。というか1人でタクシーは高すぎるので、バス停目指して歩く事にする。上札内に着いたがここまでバス亭は無く7km先の中札内まで歩かないと行けない。
もうここまでくると10km以内はすぐだと思えるので再び歩く・・・が上札内出て2kmの地点で地元のおじさんが拾ってくれバス停まで送ってくれた。
この山行はバス停に始まりバス停に終わる。(あと5kmだったけれど)
最終バス停〈美園〉(17:50)C1(23:30)
バス停から月明かりを頼りに歩く。満天の星。ウトウトしながら、歩く。
ラーメンをたべたり小休止しながら。眠気の限界が来てツェルト張ってC1。
12/27 晴/曇り
C1(7:00)コイボク林道(14:00)C2(17:30)
ひたすら歩く。5万図のコイボク林道の橋の位置は古く実際と一部違う。・410辺りで除雪終わりスノーシュー。5万図「コイボクシ」の「シ」の辺りでC2。ツェルト泊は笹を敷くと暖かい。
12/28 晴れのち曇り
C2(6:30)清和橋(9:00)・1151(13:15)Co1340=Ω3(14:40)
ラッセルはすねくらい。橋が地図と違うので惑うが、思ったより先まできていて清和橋にすぐ着く。ようやく登り。
・1151までズボズボ、笹と倒木が非常にうざく腰まで埋まったりする。・1151から歩き易くなる。
Co1340に良い雪がありイグルー。深夜から翌未明にかけて寒冷低気圧の通過。太平洋に高気圧が張り出しており湿雪。
12/29 雪→ガス→夕方晴れ 稜上視界100程度
Ω3(6:00)シカシナイ山(8:10)・1821(13:00)P1800先=Ω4(13:40)
4時出発でカムエク一気に狙えるかと目論んだが、外はまだ雪。視界が無いので明るくなるのを待つ。
湿った新雪20cm。昨日の疲れがたまっておりペースが上がらない。ラッセルすね〜膝。シカシナイ山から先の稜上は、南側が雪崩斜面で所々樹林内雪庇が張り出す。かといってカンバ帯に寄ると体が埋まって進めない。
スノーシューの爪も決まらずズルズル・ズボズボ・カンバ・ハイマツ地獄。苦しみの連鎖。
予定より大分時間がかかり・1821に着く。ここからは白く美しい稜線。痺れる。
・1564尾根と合流するP1800の少し先のコルに良い雪面があり、ブロック積んでイグルーを建てる。1人でブロックを積むのは大変だ。倍時間がかかる。夕方、突如雲が途切れる。雲海に浮かび夕陽に輝く日高山脈の中にぽつんと自分は立っていた。
夕陽に輝くカムエクを初めてここで目にする。涙が出る。ここまでつらかった。自分だけの宝物を得る。
12/30 ガス 視界〜200程度 風は気にならない程度
Ω4(6:30)カムエク(9:50)八の沢左岸尾根末端(13:00)札内ヒュッテ=C5(18:00)
天場出るとガスッているが視界200程度はとれる。ウンをイグルーにデポして出発。
東側に一部大きな雪庇あるが問題ない。案外何もないなと思いながら進むとP1850手前で先にある核心部がチラリと見えた。「・・・マジ?あれ行くの?」と一人つぶやく。超細く見える。恐竜の背骨の様で物凄い怖い。本当にあんなの行けるのか。不安と期待を抱いて核心部に入る。核心部は殆ど岩稜だが意外と東側を捲いたり出来て、ナイフリッジが2カ所程あるが対処は難しくない。今回は雪が飛ばされていて、雪庇の嫌らしさはそれ程無かった。岩稜地帯が終わると、カムエクまで一気の急登。既に息切れ気味でペースダウン。南側が雪崩斜面になっていて大きな雪庇もあり気は抜けない。残った力を振り絞りやっとピークに立つ。
ここまで本当に長かった。ピークからは左岸尾根を下る。十勝側は概ね晴れていて、カムエクを振り返りながらだばだばと降りる。
ピークからはトレースがあり、AT成功し天場を撤収している北大ワンゲルPと出会う。皆充実した良い表情だった。ヒュッテまで歩きストーブの脇で眠る。この世の天国。
12/31 曇り
C5(8:30)札内ダムゲート(9:30)中札内まであと5kmの所(13:45)
ゲートでタクシー呼ぶのはもったいない。タクシー呼んだらそこで旅は終わる。もっと余韻にひたりたい。というか1人でタクシーは高すぎるので、バス停目指して歩く事にする。上札内に着いたがここまでバス亭は無く7km先の中札内まで歩かないと行けない。
もうここまでくると10km以内はすぐだと思えるので再び歩く・・・が上札内出て2kmの地点で地元のおじさんが拾ってくれバス停まで送ってくれた。
この山行はバス停に始まりバス停に終わる。(あと5kmだったけれど)
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