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OBの山行記録・ 2006年5月13日 (土)

北アルプス・双六岳周辺スキー山行
双六岳(2860.3m)、弓折岳(2592m)
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●2006年4月29日(土)〜5月3日(水)(4ー1)
【ルート】
新穂高温泉→ワサビ平→大ノマ乗越→双六谷→双六小屋BC(双六岳周辺スキー)→弓折岳→鏡平→ワサビ平→新穂高温泉
※BCから、鷲羽岳ロングアタック(鷲羽池カール滑降)と黒部五郎岳ロングアタック(黒部源流滑降)を計画していたが、悪天候のため断念。
【メンバ】
L:石橋岳志(82入部)、M:山森聡(86入部)
【行程】
4月29日(土)(晴れ)新穂高温泉Co1150m(7:10)→穴毛谷出合Co1200m(7:30-50)→ワサビ平小屋(9:05-20)→小池新道分岐の橋Co1480m(9:55)→鏡平分岐Co1900m(12:30)→大ノマ乗越Co2460m(15:00)→双六谷Co2160m(16:00)→双六谷Co2480m(17:00)→Co2550m双六小屋BC(17:50) ※冬期小屋脇にテント設営
4月30日(日)(吹雪)停滞
5月 1日(月)(吹雪→曇り(ガス&強風))BC(10:10)→双六岳(11:30-45)→BC(12:00) ※BCを営業小屋に移動。
5月 2日(火)(雨→曇り→晴れ)BC(13:40)→双六岳(14:40-15:00)→(漢字の樅沢(もみさわ)をスキー大滑降)→Co2090m弥助沢出合(15:30-45)→Co2030mモミ沢出合(15:50-16:00)→(カタカナのモミ沢をシール登高)→Co2200m二股(16:40)→BC(17:40)
5月 3日(水)(晴れ)BC(7:40)→弓折岳(8:40-9:10)→鏡平分岐Co1900m(9:30-50)→小池新道分岐の橋Co1480m(10:10-20)→ワサビ平小屋(10:40)→穴毛谷出合Co1200m(11:40)→新穂高温泉Co1150m(12:00)
【地図】(五万図)上高地、槍ヶ岳
【記録】

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4/29土は天気が悪そうなので、入山を1日延期することにしていたが、4/28金の朝に石橋兄から連絡があり、4/29が晴れの予報に変わったので、急遽入山することにした。4/28金の仕事帰りにスーツのまま目黒区の石橋兄邸へ直行し20:00石橋兄号で出発。横浜の山森宅に寄ってもらい、パッキング等の山行準備を行い、22:00横浜出発。翌3:00新穂高温泉着。車中C0。



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例年は、ワサビ平小屋位まで林道に雪が無いとのことなので、運動靴でシートラして出発するが、30分も歩くと、林道には十分雪がある。今年は相当雪が多いようだ。穴毛谷出合Co1200mで運動靴をビニール袋に入れて、樹木に括りつけてデポし、スキーを履く。穴毛谷では4/9土に大規模な雪崩があり、笠ヶ岳スキー登山の3名がまだ行方不明のままとのことで、情報提供依頼の看板が立っている。



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ワサビ平小屋を過ぎると、巨大なデブリがいくつもあり、越えるのも一苦労だ。この日の入山者は、5パーティ(9名)で、3パーティ(5名)は鏡平へのルートを行った。我々を含む2パーティ(4名)は、大ノマ乗越へのルートを行く。大ノマ乗越へのルートは上部に雪庇が出ており、表層雪崩の跡も多数あるので、雪庇の崩落と雪崩の誘発には十分注意しながら登る



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乗鞍岳や穂高連峰をバックに、大ノマ乗越への急登をスキーで登る石橋兄。背後の雪面がボコボコしているところは表層雪崩の跡。



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大ノマ乗越(Co2460m)を越え、双六谷へ標高差300mを滑り降りる。写真は大ノマ乗越を越える瞬間。丁度雪庇が小さい部分に先行パーティがトレースをつけてくれたこともあり、苦労なく越えることができた。双六谷への滑降は、重荷と深いド湿雪で快調とは言い難い。弓折岳から稜線を行くルート(下山時に利用)は、ちょっとしたアップダウンが続き重荷にはつらい。300m下っても双六谷ルートの方が楽だ。



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双六谷をシール歩行で詰めていく。Co2480mの双六岳南カールとの出合から双六小屋(Co2550m)までは、先行パーティのスキーのトレースと、熊の足跡が平行している。結局、熊には会わなかったが、足跡は新しく、当日のものだと思われる。この日は11時間近くも重荷で行動し、ヒラヒラになって暗くなる直前に双六小屋に到着し、GWは利用できない冬期小屋の脇にテント(BC:ベースキャンプ)を設営した。



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4月30日は、吹雪で停滞。私も石橋兄も、社会人になってから初めての停滞。現役時代はよく停滞したものだと懐かしく思い出す。



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停滞中は、昼間からシュラフに入って寝るか、テントの周囲の雪かきか、お茶を沸かすか位しかやることがない。翌日晴れれば、双六岳〜三俣蓮華岳〜鷲羽岳まで稜線沿いに行き、鷲羽池カールを滑る計画だ。また、翌々日は、双六岳〜三俣蓮華岳〜黒部五郎岳まで稜線沿いに行き、黒部源流のカールを滑って帰ってくる計画だ。いずれも11時間位の長時間行動だ。(結局、翌日も翌々日も朝は悪天で、両計画とも断念。)



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5月1日は、残念ながら朝から吹雪。またも停滞が濃厚であったが、10:00頃には雪が止み、視界も利いてきたので、双六岳南カールを滑る予定で、双六岳へ向けて出発。しかし、すぐに視界はなくなり、ガスガスで強風。カールを気持ちよく滑るどころではなく、登りのトレースに忠実に、トレースを見失わないようにプルークボーゲンで戻ってくるのが精一杯であった。(この頃、針ノ木雪渓では雪崩事故がありました。亡くなられた3名のご冥福をお祈りします。)



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テントが飛ばされそうな強風なので、営業小屋に避難することにする。素泊まり(自炊)の場合は、1泊5500円で、結局2泊お世話になった。1泊2食付だと8500円。この日の宿泊者は10人前後で、自炊は我々のみ。畳の部屋でストーブまであり、テントの中で震えているのとは大違いだ。濡れたものは乾燥室で完全に乾かすことができる。同宿者との歓談や情報交換も楽しい。(5月3日以降は、宿泊者は100人規模になるそうだ。)



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5月2日は朝から雨。停滞を覚悟し、同宿者と歓談。午後になり、雨が止み、視界がでてきたので、双六岳から漢字の樅沢(もみさわ)を滑り、カタカナのモミ沢を登り返す計画で、小屋を出発。双六岳からの登りの途中で、雷鳥のカップル?に出会うことができた。写真は雷鳥2羽と鷲羽岳。私は雷鳥を見るのは、2003GWの頚城山塊・火打山北面&焼山北面スキー山行以来2回目のことで感動した。



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雷鳥の足跡。雷鳥は氷河時代の生き残り動物の一つで、特別天然記念物である。



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双六岳山頂は、昨日に引き続きガスの中。しばらく時間待ちをして、ガスが切れ視界が利いた一瞬を見逃さず、スキーの寵児を歌いながら、樅沢に向けて大滑降。写真は、鷲羽岳を見ながら樅沢をテレマークターンで滑る石橋兄。樅沢滑降中にも、雷鳥3羽と出会うことができた。



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モミ沢をシールで登り返す。天気はかなり良くなってきた。



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モミ沢上部の急斜面を登る石橋兄。夕方なので雪が硬くなってきて、結構緊張したらしい。私(山森)はスキーアイゼンを使っているので楽勝だ。通常のスキーアイゼンはビンディングに固定するので、クライミングサポータを使うと利きが悪くなる。そこで、急斜面もバリバリ直登できるように板に固定するタイプのスキーアイゼンを製造(自作)している人に小屋で知り合った。松本のブンリン(山とスキーの専門店)にて購入できるそうだ。今度、買おうと思う。



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鷲羽岳をバックに、モミ沢上部を登る石橋兄。鷲羽岳はカールが2段になっているのが特徴的だ。明日は最終下山日なので、鷲羽岳のカールを滑ることは今回の山行ではもう叶わない。黒部源流を滑ることも同じく叶わない。来年のGWには、営業小屋(太郎平小屋、双六小屋)を活用して軽装備で、今回行けなかった鷲羽岳や黒部五郎岳にリベンジしようと石橋兄と誓い合った。



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5月3日は、晴天。2〜3日間、移動性高気圧に覆われ晴天が続くという。鷲羽岳や黒部五郎岳へ行きたいが、携帯電話も通じないので家族と連絡を取ることはできず、最終下山日なので、泣く泣く下山する。朝は雪が硬いので、石橋兄はアイゼンを履いて、スキーはシュリンゲで引きずって弓折岳までのアップダウンの続く稜線を歩く。私(山森)は、スキーアイゼンを有効に活用する。写真は、双六岳の南カールと石橋兄。



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弓折岳までの稜線は、槍・穂高連峰の展望台だ。写真は、槍ヶ岳と西鎌尾根と私(山森)。



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弓折岳ピークから、穂高連峰を望む。



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弓折岳からのスキー滑降は、雪質も最高で、スキーの寵児を歌いながら、槍ヶ岳を左に見ながら快調に滑る。写真はテレマークターンで滑降する石橋兄と槍ヶ岳。その後、大ノマ乗越との分岐を過ぎると、乗鞍岳を正面に見ながら気持ちよく滑る。登ってくる人70人位とすれ違う。スキーの人とそうでない人は半々位か。巨大デブリはシールをつけて通過。穴毛谷ではヘリと地上で行方不明者の捜索が行われていた。



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お決まりの温泉は、新穂高温泉ひがくの湯(700円)。この日は、石橋兄の奥様の実家(長野県長谷村中尾、2006/3/31より伊那市)にお世話になる。山行の前後でRoom仲間の自宅や実家にお世話になるのは、恒例のことだが、奥様の実家にまで、お世話になったのは初めてだ。石橋兄の娘さん達(中学生と小学生)曰く、私と英二おじさん(石橋兄の弟、1986入部、札幌在住)は似ているそうだ。単に2人ともデブなだけか? 石橋英二君、元気でやっているか?


(文責:山森 聡)
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