OBの山行記録・ 2005年3月28日 (月)
●2005年3月
【ルート】
豊浦町・山梨→壮滝別川左股280m→東尾根→山頂往復
【メンバ】
米山悟(84入部)、斉藤清克(87年入部)
【行程】
3月27日・壮滝別川左股280m車デポ(9:20)→昆布岳(12:55-13:30)→車デポ(15:00)
【天候】
晴れ時々曇り・2度
地質学教室の在田先生の退官最終講義に札幌へ行き、翌日斎藤と昆布岳を登った。昆布岳のすそ野の直径は隣の羊蹄山と同じ位に見える。山態は、皿を伏せたような丸く低い古い火山の真ん中にマッターホルンのような小さな三角錐が乗っている感じだ。地形図で見ると、火山だらけの後志・胆振地方では一際大きな存在感がある山で、昔から気になっていた。斎藤と僕と、二人とも未踏の山を探して行き当たった。
傾斜が緩すぎてスキーが滑らん、という話を聞いたので、比較的傾斜のありそうな東尾根、豊浦町の山梨集落の壮滝別川左股の、水線が二つに分かれる間の尾根(五万図で)を斎藤が選んだ。基本的にどこから登ってもオーケーな山だ。この辺りは人家がほとんど無いのに道路の除雪が行き届いている。山麓一帯は丘陵と深い谷が特徴的だ。
尾根の傾斜はファミリースキー場並みで非常にのどか。雪は安定しているがベタベタくっつく重い雪。晴れ時々曇り、気温2度で徐々に高度を稼ぐ。広い尾根上はハンノキ、ダケカンバなどのそこそこ大きな木が良い間隔で生えていて爽やかだ。標高900の東峰で初めて「胆振のマッターホルン」が見えた。標高差100mだが、おっ立った姿は秀麗だ。見れば南東尾根から山頂を目指す二人組、北尾根にも人影がある。
山頂への急斜面は遠目には壁のように見えるが、ジグザグスキーで山頂まで行ける。狭く細い山頂には巨大雪庇あり。未踏ピークでの握手はうれしい。独立峰なので、噴火湾から日本海、羊蹄山にニセコ、雷電辺りまでよく見える。今年の残雪は多いので長く春山を楽しめそうだ。
山頂からの急斜面はいい雪質だった。シール外してろうそくを塗り込む。ここの滑りがきょう一番の斜面だ、「ヘルンリ稜」にナミナミマークを刻む。東峰に戻ると、僕らのトレースに沿ってスノーモービル何台かが走り回った跡があった。スキー場みたいで興ざめだ。美しい沢の中で堰堤が出てきた時のような気分だ。緩傾斜帯は、思いのほか良く滑った。ただし雪がべたついて、ターンに力がいるので足がくたびれた。尾根自体は樹木の間隔が良く、良いスキー斜面だ。ザラメの季節は最高だろう。
豊浦に出て町民でにぎわう温泉に浸かり、列車の接続が悪いので、長万部まで車で送ってもらった。夕暮れ時、噴火湾の海の色が白っぽい緑色で、見たことのない美しさだ。20年前、北大受験帰りの長万部下車以来変わらず存続している駅前角の「長万部食堂」は残念ながら日曜定休だった。ここは破格800円のカニメシが食べられる。その隣の店でカツ丼。列車で函館に戻ると満月だった。
日帰りで行くには良い山ですね。
ではまた