OBの山行記録・
2009年5月9日 (土)
戸蔦別川から新冠川源流へ踊りこんで、幌尻の南東稜を登り、東カールを滑る。この季節だけに可能な日高最深部へのスキーアタック。晴天の三日間に恵まれて久方の日高最高峰再訪。
アタック日は1800mの尾根を往復二度越えて幌尻を往復する勘定だったが、スキーの威力は猛烈で、夏以上のスピードを出した。南東稜登攀も東カール滑降もおそらく初登、初滑降ではなかろうか。
(写真)トッタベツ川八ノ沢左岸尾根の頭よりポロシリの滑った全行程を振り返る。ポロシリの山頂から左に伸びる尾根が南東尾根。二本あるうち右のが登った第一支稜、山頂の真下が滑った東カール。
【年月日】2009年05月4-6日
【メンバ】米山(1984) , 斎藤(1987)
【天 候】三日晴天
【タイム】5月4日札幌(6:00)→戸蔦別川CO570の橋除雪終点車デポ(10:50)発→八ノ沢二股(13:30-50)→八ノ沢左岸尾根標高1440C1(16:40)
5 月5日C1(5:30)→八ノ沢左岸尾根頭(6:30)→新冠川へ下り1210二股(7:30-8:00)→幌尻岳南東尾根経由→幌尻岳 (11:30-12:00)→東カールを滑降→1210二股(12:45-13:15)→左岸尾根頭(15:20-40)→C1=C2(16:20)
5月6日C2(8:00)→左岸尾根1296南のルンゼ経由八ノ沢合流(8:30)→八ノ沢二股(9:00)→車デポ(11:40)
戸蔦別川林道は、1570びれい橋まで除雪してあった。この先カタルップ沢を越えるあたりで道が怪しくなる。この流域が卒論の山域で、何十回も通って全部の支沢を登った斎藤によれば90年代初頭は8の沢まで鼻歌で車が入ったそうだが、今や藪に覆われている。バブル期を最後にブル道も野生化していく。
八ノ沢左岸尾根に取り付くため渡渉点を求め、八ノ沢を100mも登ると雪がつながっている。その辺のルンゼが上のほうまで雪がつながっていそうなので、そこからシートラで100mほど直登。伐採用ブル道が交錯してくると、ほどなくシールで行ける傾斜になり、尾根を登る。ブッシュもなく快適。この尾根も八ノ沢右岸尾根もともに伐採用のブル道がザクザク入っている、20年前の。単調ながら気分良い尾根の登り。ベートーベンの交響曲3番を通しで3回くらい頭の中で演奏する頃、とんがり野郎のトッタベツ岳が見えてきた。お久しぶり、21年ぶりかな?
夕方いい時間になったころ、幌尻アタック圏に入ったので天場とする。ピパイロが見える天場。ツエルトを張って焚き火。持参した手回し充電ラジオをグルグル回すとバッハの無伴奏チェロソナタやビバルディーをやっていた。司会は岩槻さんだった。月は半月ながら晴れ渡った雪の尾根を照らし、明日のやる気をマンマンにさせる。月光のバロック。
翌朝、左岸尾根頭まで1時間で登る。懐かしの白い北日高全景だ。五月といえどもなかなか白くて捨てたもんじゃない。行く手のニイカップへ下る沢は傾斜はあるが雪はたっぷり。渡渉予定の標高1200付近もまだまだ大丈夫そう。向かいの幌尻岳の大カール群は無垢の純白。あそこに一筋トレースを付ける。左岸尾根頭と1803のコルから沢に滑り込む。上部は急、下部はルンゼ状だが悪いデブリ等は無く、概ね快調に1200まで。あっという間だ。渡渉点で七ツ沼カールからの沢の水を飲み対岸へ。
この東カール下部の緩い尾根はカンバの大木が疎林になっていて美しいところ。円形競技場のような幌尻のカールヴァントを眺めながら牧歌的に進む。この広い新冠川源流カール群、快晴の連休なのに独占貸切だ。南東稜へは顕著な第一支稜からとりつく。難所無く、山頂までスキーで行ける。この支稜は両側がカールに削り取られ、最高の歓迎ムード。まるでエサオマンの北尾根のようだ。山頂5分前からガスに覆われる。更にこちらから登ってもニセピークにだまされる。幌尻ってこういう奴だった。思えば前回、前々回もそうだった。ガスの中だが、この春相次いで世を去った僕のお師匠さん、原眞と忌野清志郎を山頂にて密やかに偲ぶ。原さんは確か学生時代の総仕上げとしてこのポロシリで未踏の西稜をプイラルベツ沢から1960年頃冬期初登していたはず。電話が通じたので家族にかけたらお誕生日おめでとうだって。忘れてた、今日誕生日だった。山頂で晴れるのを待つが、きりがないので視界50mの中、東カールへ飛び込む。傾斜は登りながら確認したし、下のほうは晴れるだろう。しかし、緊張の時だ。滑落して、400m止まらなかったら困る。
滑降始めてみると、雪は軟らかかった。少し下りればガスも消えた。先週降った季節はずれの新雪がマダラ上になっていてそこで抵抗がガクッと来るのを除けば、快適な滑降。無人のカールボーデンまできゃあきゃあ言いながらスピードを楽しんだ。あっという間に渡渉点。スキーの機動力恐るべし。
左岸尾根頭までの登り返しは、渡渉点で水飲み放題だったので馬力も出た。下った時は急に感じたが登りになると意外に余裕でシール登攀できる。午後三時台に、この600mの登り返しをつべこべ言わずにやれるパーティーだけが無垢の新冠源流を満喫して良い。
左岸尾根頭で逆光の幌尻を眺める。登って下って登って下って登って下る行程だが、スキーも使えない国境稜線を延々アタックするよりは、スキーで一直線の、潔いルート取りではなかろうか。計画の美しさと結果に大いに満足した。エサオマンやナメワカのカールもこの調子で滑ろうと、夢は広がる。ナメワッカ北面直登沢の直上振りも堪能。
(写真)トッタベツ川八の沢左岸尾根よりエサオマン北カール
ここ左岸尾根頭から天場までは日高によくある急傾斜、右は雪庇、左はブッシュの幅3mの尾根という下り。スキーにとってはイヤーなこういうコースも斎藤は上手い事滑る。細かくターンで減速し、あっという間にC1へ消えていく。
のどかな夜、風もなく十勝平野の灯りがゆれていた。
翌朝は左岸尾根の1296コルから直接南に八ノ沢に降りるルンゼを滑り降りた。尾根を下りるより快調。八ノ沢の中もブリッジ繋がっていて、二股までOKだった。この季節はこれだから早い。トッタベツ林道にあがると、直径二十センチ強のデブ熊の足跡が先導している。爪が雪を蹴散らした雪屑なども残っていて、たった今通ったホヤホヤ。行く先が同じようなので仕方なく付いていく。ホーイホーイと声を枯らしてコールしながら。(写真)デブクマの足跡
五月は適当な山域で遊んでいる場合ではない。一年で最も奥深くまでスキーで進める。雪崩もゴルジュも皆解決の、長距離弾道スキーの貴重な季節だ。
...hide more
OBの山行記録・
2009年4月23日 (木)
【日程】2009年04月11〜12日
【メンバ】シェイク(1987) , 斎藤(1987)
【天候】
4/11晴れ、快晴
4/12晴れのち曇り 気温は頂上付近で2〜3℃位か。
【タイム】4/11:18線沢入口から入山(10:20)-御茶々岳と槙柏山とのコル(13:10)-ユーフレ小屋(14:20)
4/12:小屋(5:25)-芦別岳頂上(9:20-10:20)-ユーフレ谷滑降後、小屋着(12:30-13:00)-御茶々岳と槙柏山とのコル(14:30-15:00)-18線沢入口に下山(16:00)
【コース状況/その他周辺情報】18線沢林道には、まだまだ雪が残っていた。
昨年3月も同じルートから入山しているが、今年の方がはるかに多い印象。
昨年が少なすぎ?
18線沢を詰め、コルに出てからユーフレ小屋に下りる旧登山道の谷に滑り込む。
Co850m前後で左岸側から沢筋を埋めるデブリが見られた。
全般に右岸側を行けば問題なく、緩い木立のなかを快適に滑れた。
ユーフレ小屋は屋根下まで埋まっており、2階の窓から侵入する。
枯れ木を燃やしていつもの焚き火。
翌日はユーフレ谷を詰める。
小屋周辺の平らな所ではすでに沢が口をあけており、雪解け水が滔々と流れていた。
沢沿いに若干登るとCo650からスノーブリッジが安定しはじめる。
Co700前後から谷は完全に埋まっている。
たまに前方から拳より小さいくらいの落石がひょ〜うと飛んでくることがあり、気が抜けない。
ヘルメットはあった方が良い。
ただし、気になるほど多くのまたは大きな落石跡は無かった。
まだ時期が早いせいか?
標高1250mを越えると傾斜が一気にきつくなり、シーアイゼンを持たない僕はアイゼンに履き替えシートラーゲン。
特に一稜取り付き付近から上部は、早い時間帯がずーと日陰になるため、カチカチのアイスバーン状態。
アイゼンの前爪蹴り込んで登っていく感じで、帰りのスキー滑降が思いやられる。
コケたら300m以上は滑落してしまうだろう。
頂上の風の当たらない所で1時間程度うだうだして、帰りの雪面が緩んでくれるのを待つが、意外にも気温が高くならず、あきらめて急な雪面にスキーで飛び込んでいく。
上部はひざがガクガクになるような斜滑降の連続。
いやーエッジでも磨いておけばよかった。
滑るには滑ったが、ターンを失敗して10mほど滑落すること2回、久々アドレナリン大放出の滑降だった。
一転して下部1250mからの沢筋はちょうど良い傾斜が続き、快調な滑降。
結局この時期、最上部から滑りだすのにはまだ早い、という結論。
ただ、あまり遅いと下部の沢が口をあける頻度も多くなると思うので、判断は微妙ですね。
...hide more
OBの山行記録・
2009年4月19日 (日)
【年月日】2009年4月11日(土)(1−0)快晴
【メンバ】石橋兄(1982),高橋GG(1984),清原ばばあ(1986),銭谷(1990)
(家庭内交渉不調で山森(1986)は参加できず)
【行 程】山形蔵王IC(4/10(金)23:45〜4/11(土)3:00集合,各自車中泊)〜山形駅前駐車場(車デポ、4:30-5:30)〜月山スキー場入口(6:30-7:00)〜スキー場リフト(7:45-8:00)〜リフト終点(8:20)〜月山頂上(9:35-10:00頃)〜立谷沢川(11:05-35頃)〜念仏が原(11:50)〜小岳(13:00-45)〜赤沢川源頭(15:00頃)〜大森山(16:30-50)〜林道(17:00)〜最終人家(17:45)〜肘折温泉三春屋(18:00前)
‘80〜’90年代のルームメンバー、石橋兄と高橋GGは東京から、清原ばばあは長野から、そして銭谷は仙台から遠い道のりと数ヶ月前からの家庭内調整を済ませ、一年越しの計画を実行すべく山形蔵王ICに集合。既に中年の域に入りつつも気分的に現役のような1日フル行動(結構キツかった)、でも現役では到底できない肘折温泉1泊2食付きなんていうとても留守家族には話すことすらできない充実した山行を貫徹してきました。
7:00にならないとゲートが開かない。私らの車の前には既に10台位が待っている。車のナンバーは意外にも関東方面が多い。
スキーを持って出発!
スキー場についたがリフトが動きだす8:00まで待つこととなった。
リフト終点で登りの準備。到着はほぼ一番。ゲレンデ組もいるが山スキー組の方が多い。
山頂を目指して登る。このところ続いた好天のためかスカットした青空ではないが気温が高く結構汗をかく。
山頂はこの日一番乗り。神社の屋根が一部でている。例年はもっと雪が多いのだろうか。山頂にて、清原ばばあ。
山頂の石橋兄と銭谷。
昨年の栗駒山以来1年振りといいつつも華麗に滑る高橋GG。向こうに見えるは念仏が原〜小岳。かなり遠くに見える。
コフラックの登山靴、ジルブレッタ404の組み合わせで滑る銭谷。今となっては貴重な存在といえよう。この日のスキーは石橋兄がテレマーク、高橋GGと清原ばばあは最近普及がすすむTLT。
ダイナミックに滑る石橋兄。
やや緩斜面ながら快調に滑る清原ばばあ。向こうに見えるは念仏が原。少し近づいてきた。
念仏が原からの月山。大きい山だけあって全体がなかなか見渡せない。
赤沢川源頭からの登り返し。あたりは美しいぶなの森。
ようやく大森山手前のコルに着いた。でも雪がない。あってもかなり急な登りを強いられる。行動食食べて石橋兄を除く3人はシートラで行くことにした。
薮を漕ぎつつやっとたどりついた大森山。山頂には雪がたくさんあった。シートラ姿の高橋GG。
大森山山頂での石橋兄、銭谷、高橋GG。日が傾いてきたので西の空が少し赤くなってきた。下りは北斜面だけあってタップリの雪。体はかなり疲れているが最後の滑りを楽しもう。
大森山からの滑り、その後の林道をすすむと雪の原に出た。周りは畑か。これで今日の山行はおしまい。あとは肘折温泉を目指すだけ。少し夕暮れっぽいが4月だけあってまだ明るい。
今宵の宿、肘折温泉三春屋前の高橋GGと清原ばばあ。湯治客の夕飯準備で忙しいさなかに到着した予約していない私たちであったが、6,000円の料理ならと暖かく迎入れてくれた。
詳しくは、次を参照してね。
http://miharuya.da-te.jp/d2009-04-11.html 翌朝は8時頃には出発かと思いきや新庄行きのバスは6時代の後は10時までない。朝食をとった後は温泉街をそぞろ歩きしたりスキーの汚れを拭いたりと思い思いの一時を過ごす。銭谷は足湯で昨日酷使した足を癒す。
三春屋をあとにバス乗り場まで歩く3人。バスは10:00の定刻に出発。
この季節、バスに乗りながら昨日登った山が遠ざかって行くのを見ているとなんだか白金温泉から美瑛までの道のりを思い出した。昔と同じ面々でいるからだろうか。
※後日の参考のための翌日の行程
4/12(日)肘折温泉(10:00発)〜(新庄駅行バス)〜新庄駅(11:00頃着,11:14発)〜(山形新幹線)〜山形駅(12:04着)〜山形駅前駐車場車回収(12:15頃)〜月山スキー場車回収(13:30)〜蕎麦屋解散(15:00前)〜仙台着?,東京着?,長野着19:45頃
...hide more
現役の報告・
2009年4月15日 (水)
【年月日】2009年3月22〜28日(6-1)
【メンバー】L田中宏(3 AL田中省 小池(2
コイカク岩稜と23
[ルート]
1日目:ダム(09:45)登山口(11:00)コイカク夏道尾根末端(14:00)=C1 晴のち雨 ピョウタンの滝のゲートが開いていたので、ダム手前まで車で入る。そこから、コイカクヒュッテまで黙々と歩く。コイカクシュ札内沢からスノーシューに履きかえ、夏尾根末端まで。途中、転石渡渉数回と砂防ダム、函のまきがある。尾根末端でC1。ラッセルはくるぶし。
2日目:C1(05:45)Co1620(12:00)=C2 雨のち雪 夏尾根を行く。レインクラストしている個所があった。Co1305には広い天場がある。途中から風が強くなり、視界も悪くなり始めたので、Co1550付近でEPにかえて空身で偵察をしに行く。途中の岩には昨日の雨のため氷がついており、アイゼンもピッケルの刃もよくきまらない。Co1620付近に冬テンが張れそうな場所があったので、荷物を取りに戻り、その場所にブロックを積んでC2とする。
3日目:雪 C2(09:00)−コイカク(10:00)ーCo1670(10:30)=Ω3 アタック装備でコイカクまで行く。稜上は時折気になる風であった。夏尾根上Co1670の吹き溜まりでイグルーを作成しΩ3とする。ブロックを2重に積んで、中も広い快適なイグルー。
4日目:Ω3(06:00)−23(10:00-10:30)−Ω3(13:30)=Ω4 晴、微風 イグルーから出ると外には日高の山々が威風堂々とそびえている。そそくさと準備をし、23Atに出かける。
コイカク岩稜は岩の基部をまいたりして対処する。やはり、先日の雨のため岩には氷がついており、いやらしかった。稜上のセッピは十勝側に50cm〜1mほど出ていた。
朝焼けの23
23より39を望む
ピラトコミJP先の最低コル手前に急斜があり、上からではセッピの判断もつかなかったため日高側をブッシュ沿いにまく。23手前から先日の雨のためかレインクラスとしており、アイゼン、ピッケルの刃がきまらないほど固かった。滑落停止は効きそうにないので慎重に行く。
23ピークではAL田中から出たゼンザイを食いながら北にカムエク、南に39峰を望む。名無し沢に向かいカメラーデンリートを捧げ、ピークを後にする。
ピラトコミJP先のセッピ。帰りは直登
ピーク下は雪が固くアイゼンがきまりにくいためBSで下る。行きにまいた場所は1人づつ稜上を行くことにする。その場所は十勝側に1〜2m程セッピが出ていた。
コイカク岩稜
途中から風向きが変わり十勝側から吹く。行きは十勝側に出ていたセッピが帰りには日高側にできてるというところもあった。あとは来た道を帰り、イグルーに戻りアタック祭りをする。
5日目:Ω4=Ω5雪のち晴 朝イグルーから出るも雪で視界が悪いため停滞とする。午後になったらなぜか晴れてた。
ヤオロ~39
6日目: 雪。様子見でイグルーの外に出ると風も気にならない程度で視界もあったのでLとAL2人でヤオロまで偵察にと準備をする。が、急に風が強くなり視界もなくなったため偵察をあきらめる。天気が良くなってきたのでAL小池が外に様子を見に行くと吹雪く。シュラフに戻ると天気がまた回復する。12時のラジオで低気圧が明日も北海道に付近に残ると予報されたので、パーテイ内で、ここ数日の大雪でコイカクシュサツナイ沢のラッセルがごくくなり下山に2日かかるのではないかということ、同じくレインクラストとここ数日の大雪で39の状態がわるそうということなどから、39を諦め今日中に下山することにする。Co1550の岩や途中の急な所はBSを交えながら下る。二股のC1した場所でC6とする。
7日目:晴れ 下は晴れていた様でラッセルなし。コイカク沢を行き、長いトンネルを歩き車の場所まで。知床のときは閉まっていたはげてんが、今日はやっていることを祈りつつ一同帯広へ。
≪パーティ≫39敗退。天気が悪かった。
...hide more
OBの山行記録・
2009年4月10日 (金)
【ルート】 錫杖岳 前衛壁3ルンゼ〜グラスホッパー継続
【日程】 平成21年3月29日
【メンバー】 清野(76) 某大学山岳部OB S君
3月末ではあるが寒気が南下して最後のアイスが楽しめそうな気配。
某大学山岳部OB S君が是非錫杖に行きたいと言うので。
錫杖で最近人気急上昇の前衛壁3ルンゼ〜グラスホッパー継続行く事に決定!
3ルンゼCS滝下
アプローチから前衛壁
中央右の深く切れ込んだコルに突き上げるのが3ルンゼ
グラスホッパーはコルの裏の氷瀑ルート
3ルンゼ取付
3p目をフォローするS君
3ルンゼのコルからグラスホッパーに20mのラッペル
背景は穂高連峰
アプローチから前衛壁
中央右の深く切れ込んだコルに突き上げるのが3ルンゼ
グラスホッパーはコルの裏の氷瀑ルート
グラスホッパー取付までコンテで進む
グラスホッパー上部氷瀑(3〜4P目)
3ルンゼのコルからラッペルして少し登り返すと
ココに飛び出す
...hide more
現役の報告・
2009年4月9日 (木)
【年月日】2009年3月8−15日(5−3)
【メンバー】L田中宏(3 AL小池 田中 野沢(2 M井村 鹿島(1
羅臼岳ピーク
3/8 オシンコシンの滝(5:40)遠音別西尾根Co750(13:30)=C1晴。オシンコシンの滝からチャラツセナイ川左岸にとりつく。・342を経由して・433まで行き、そこから磁石を遠音別西尾根の湖に切って進む。ほとんどクラストしていてシールがきかない。・433付近は単根が密生していてダルい。遠音別岳西尾根Co 750の樹林限界でC1 。M のキムチがザック内で爆発していた。
遠音別ののぼり
3/9 C1(5:30)―遠音別岳(7:30)−知西別岳(12:10)−愛山荘(16:30)=小屋2晴。視界無限大。のっこしの日。西尾根も硬く、Co960でEPシーズリ。尾根をつめてピークまで。
遠音別より北方領土を望む
遠別岳からは北東のポコ、・1184をねぐって知西別岳へ向かう。
知床のマッターホルン遠音別岳
遠音別の北は細いわけではないが東側が切れていた。・1184のトラバースは急。
羅臼をバックに
知西別より南を望む
知西別手前は東が切れていて小さい雪庇のようなものが出来ていた。稜上を知西別岳まで。ピークからは北へ進み、Co950付近でシーズリ解除。天頂山手前の沼を経由して天頂山北の台地を通って愛山荘まで。この日は概ねクラスト時々もぐる。羅臼湖周辺は湖南西側にカンバがはえていたが全天で泊まれるという感じではなかった。小屋でのっこし祭りを行う。
3/10小屋2=小屋3晴、風強い。南岸低気圧が接近しており次の日羅臼アタックが厳しそうなのでStayとする。木に登って蒔集めをしていたMが、愛山荘に来た登山客に熊と間違えられる。
3/11小屋3=小屋4雪、風強し。南岸が太平洋を通る。羅臼はガスっている。次の日も冬型になって天気が悪そうなのでStay。
3/12愛山荘(6:00)―岩峰(8:30−10:20)−愛山荘(11:10)=小屋5雪、風強し。天場を極楽平まで上げることにする。愛山荘東のSBで赤イ川を渡り岩峰まで行くが、岩峰の下は急で木はパヤパヤでトラバースが怖い。岩峰上も視界ないので岩峰付近で天気待ちをする。9時天をとるがこの日移動するのは厳しそうであり、のっこしの明後日も天気が悪そうで、明日愛山荘から羅臼アタック可能であると考え、小屋に戻ることにする。。
知床の形のいい山「三ツ峰」
3/13愛山荘(5:30)―羅臼平(9:10−30)−(10:10−10:20)羅臼岳(10:40−11:00)羅臼平−愛山荘(13:00)=小屋6晴れ。小屋からアタックを試みる。天気的に正午までもちそうなので引き返し時間を設けていく。前日と同じルートを岩峰まで、岩峰上を東のコルを通ってトラバース気味に行く。この付近が局地的に風が強かった。流氷スロープ手前の沢型のCo1450付近でシーデポ、Eストック。コンタ尾根上を羅臼平まで行く。極楽平を振り返ると全天で泊まるのは厳しそうであった。羅臼平付近は風が全くなかった。風向きによるのだろうか。ピッケルに換えて天気も良いので空身で羅臼岳アタックする。
羅臼ののぼり
全体的に急だが途中広いところがあるので高度感はそれほどない。急斜を登ってピークまで。
羅臼より南を望む
ピークの下りは所々バックステップした。後は来た道を小屋まで。
3/14小屋6=小屋7みぞれ後雨。日本海低気圧が北海道に来る。残り3日で、明日、あさって一日持つ天気は厳しそうであるためのっこしを諦めて次の日エスケープすることにする。夜は一時快晴で視界3億光年。地の果てにて満天の星空を見る。
3/15愛山荘(6:00)−ウトロ(8:00)雪風強し。レインクラストの道路をスキーで下っていくと除雪車が来た。車も次々に通り萎えつつ下山。
<パーティ>一年班春メイン敗退。。停滞日をもっと持っていくべきだったが南岸と日本海が来たので運が悪かった。
...hide more
OBの山行記録・
2009年4月8日 (水)
【ルート】 荒沢岳 前クラ尾根
【日程】 平成21年3月21日
【メンバー】 清野(76) 山田(山登魂 一橋大山岳部OB)
当初、某S君と一ノ倉尾根に行く予定だったが.....ヤクザな業界に身を置く某S君は
前日目一杯仕事!最終の新幹線に乗り遅れて敢えなく“駅前敗退”
某大学山岳部OB M社長、S君の労働条件考えてやらないとやめちゃうよ!
S君は“駅前敗退”してしまったが、同じようにパートナーにふられた山田訓が急遽合流。
前クラ尾根核心部
前クラ尾根アプローチ
右の黒い岩峰が前クラ
石抱小屋の番犬
核心部まで我々を先導してくれた
前クラ尾根核心部
前クラ尾根核心部
前クラ尾根核心部
前クラの頭から荒沢岳山頂。
...hide more
OBの山行記録・
2009年4月7日 (火)
【ルート】 ノコ沢大氷柱
【日程】 平成21年3月8日
【メンバー】 清野(76)S君(某大学山岳部OB)
小暮(沼田山岳会) 西巻(沼田山岳会)
某大学山岳部OB S君の谷川デビュー。
先週、幽ノ沢の帰りに目星を付けておいたノコ沢大氷柱。
悪天の中、スノーシャワーで溺れそうになりながら登った
記憶があるが....晴れていれば至って快適。
大人数で楽しい登攀になりました。
ノコ沢大氷柱全景。
今年は暖冬だが....意外に氷柱の発達は良い!
2パーティ4名で賑やかにアプローチ!
1P目をリードするS君。
大氷柱は十分広いので2パーティ同時に登攀を開始。
我々は左の一番たった部分を攻撃的に攻める!
2P目をフォローするS君。
50m目一杯延ばすと2Pで終了してしまう。
幽ノ沢をバックに斉藤の決めポーズをするも、様にならないS君。
遠く北海道の斉藤を思いポーズ!
...hide more
OBの山行記録・
2009年4月6日 (月)
【日程】 平成21年3月1日
【ルート】 幽ノ沢 左方ルンゼ
【メンバー】 清野(76)小暮(沼田山岳会)
一ノ倉沢に比べアプローチの遠さから圧倒的に登山者の少ない幽ノ沢。
幽ノ沢中央壁の一郭を氷った大滝で縁どる左方ルンゼ。
当日迄二日間降雪のない事と寒気の入り込みを確認して山岳会の弟子と行ってきました。
下降路からの中央壁。
左端が左方ルンゼ大滝、中央のベルグラが正面フェース。
3時間のアプローチでカールボーデンに到着。
写真中央右は正面フェースのベルグラ。
この後、果敢にアタックする二人パーティーが....中央壁の頭で出会い、東京YCCの一村君と北海道から来た鳴海君という事が分かった。
「核心部のベルグラはフリーソロの方が安全だった!」とか。いつかこの台詞使わせて貰おうと心に誓う(笑)
左方ルンゼ取付から望むV字状岩壁左ルートの氷柱(中央少し左)
左方ルンゼ核心部大滝の登攀。
中尾根をバックに大滝上部を登る。
下降中の堅炭沢βルンゼから望む“ノコ沢大氷柱”
昨年、取付迄行って上部のブロック崩壊に恐れをなして敗退。
暖冬の割に氷の発達は良い。来週はココ!
幽ノ沢右俣全景
左から中央壁、右俣リンネ、V字状岸壁、ノコ沢大氷柱
...hide more
OBの山行記録・
2009年4月6日 (月)
「道南のグランドジョラス」雄鉾岳。
前回は迫力ある壁の雰囲気だけ拝んで雪崩の危険のため引き返したが、ついに念願のリベンジが果たせた。
日程:2009年03月20日〜22日
メンバー:斎藤(1987) , 勝亦(2003) , 馬場(HUSVOG),山下(1997)、白石(2001)、浦西(水ワンOG)
20日:晴れ
21日:晴れ
22日:曇りのち雨
タイム:
雄鉾荘(10:00)−・652ポコ(12:45-13:00)−Co530付近=B.C.(13:30)
B.C.(5:15)−S字ルンゼ取り付き(6:00)−Peak(10:15-11:00)−北峰(11:10)−B.C.(13:00)
B.C.(7:30)−雄鉾荘(10:00)
1日目
古い鉄橋を渡り銀山沢の一本下流の沢を詰める。鉄橋に敷かれた木板を踏み抜きひやりとする一幕あり。前回より雪は少なく、沢は増水気味。何度もスキーを脱いでの渡渉をしていく。右岸の台地上をいったりトラバースしたりしながら行き、Co440付近で尾根上に上がる。・652付近からトラバースし、北東壁の下Co530付近にB.C.を設営後、ルート偵察。明日は目に付いた、Cルンゼ一本左のクーロワールを登ることにする。斉藤さんに、初登したら勝亦クーロワールって名前をつけろなどと言われたが、S字ルンゼという名前がちゃんとついていた。みんなで焚火。
2日目
山下、白石、浦西パーティーはCルンゼ〜四稜へ、我々はS字ルンゼへ向う。デブリに埋まった沢筋を登って取り付きへ。
1P:小滝をこえグサグサの雪壁をだましだまし登って立木でビレー。55m。
2P:カチカチの快適な雪壁を登って小滝の下まで。55m。
3P:小滝を越え、雪壁とナメ滝を快適に立木まで。60m。
4P:ナメ滝と雪壁。75m。
5P:草付きと氷の段差を右上し、雪庇を切り崩して四稜に上がる。50m。
6P:草付き壁を頂上まで。20m。
アイススクリューがあれば使えただろうが、持ってきていなかったので大いにランナウトした。時間もあるので頂上から北峰経由で帰る。一稜頭のピナクルとのコルへ30mラッペル。Co810コルからB.C.へ下る。Bルンゼの「幻の大氷柱」は見事だ。もう少し発達した日には是非登りたい。今日も焚火。山下P は夕方帰幕。なかなかシビアな登攀だったそうだ。
3日目
雨が降るとのことなので下山。雄鉾荘で牛乳を飲んで帰る。
S字ルンゼは記録もなく、ルートが右に左に曲がるたびに何が出てくるのかわからないおもしろさがあった。状態には左右されそうだ。
...hide more