コース
上野原駅のすぐ南側を流れる大川が桂川で、駅から一キロ半ほど下流との境川合流点
から下が神奈川県で、桂川へ突き出た大岩が山梨県との県境だそうである。この岩は亀
の甲岩と呼ばれ、明治天皇がここから鮎漁を天覧遊ばされたり、芭蕉の句にも残るとい
う史実があるが、両岸は木々が覆い、地元の人々も忘却の彼方、「亀の甲岩」は見いだ
せない。さて、要害山へは上野原駅北口からバスもあるがタクシーも常駐しているので
いずれかを使い鏡渡橋で下車する。橋を渡った所で左手の道を小倉の集落へと進み数軒
の人家を過ぎて右手の道を辿れば貯水槽への近道である。貯水槽を少し過ぎたところの
山神のすぐ下の所が登山口となる。道は少々急だが問題はない。
頂上には秋葉大権現の祠があり二本の大杉が見事である。足下の集落は登下(とっけ)
といい猟師が住んでいる。この界隈には熊と猪が棲息しているそうである。ブッシュが
払われていれば眺望は抜群。道志、丹沢の山々、北には陣馬山、権現山の尾根々々が展
望できる。だが最近は刈り払いが行われておらず、登路にもブッシュが多い。
尾根を北西に進み、小高い隆起を一つ越えて小さなコブを幾つか越え丁字路になった
所が用竹へ下る分岐点で右に行けば用竹。左へ五分行った所が十文字峠と呼ばれている。
権現山から芦垣へ下る尾根道と和見と用竹を結ぶ道がクロスするからであろう。十文字
峠は甲武信岳の北にあるのが有名であるが、奥多摩の奈良倉岳にもこの程度の十文字峠
がある。
前述の丁字路で右に折れて墓村を通る。墓村を探れば何か歴史を物語るかもしれない
が、これは次の機会に回して下って行けば用竹バス停に着く。
その日のこと
平成17年10月22日10時10分、中央線上野原駅北口に集まったのは坂野、石村夫妻、遠
藤、黒川、井上に小生を入れて総計7人。天気は予報よりは少し悪く、雲がたれこめてい
た。小倉の集落の向こうに登下の集落が見え、前方に木に覆われた三角形の要害山が見
える。山道は予想に反して、かなりのブッシュ。余り人の来ない所なのだろう。一汗か
いて、頂上のベンチで昼食。石村君はお得意の自家製、しかも新製品のワインを少量振
る舞う。
頂上から北西へそして北方の用竹へと向かったがコブもありブッシュも多い。しかし、
さすが今日は会員と常連のメンバー。一言の小言も出ない。遠藤君の地形図の読みも冴
えて尾根は未だ北西に向かって居るので、意外と距離は稼いでいないことを指摘。時間
を費やしているうちにキノコ採りのおじさんに追いつく。彼の言うには、「ここから右
の踏跡を行けば用竹の集落だ」としかし、これは誤りで予定の分岐点より800mも手前だ
ったのだ。これに気づいたのは登下沢にくだり着いてからだった。したがって、登下入
口バス停に出た。これは予定より2kmも上野原駅寄りだった。「バス賃は少し安いぞ」と
は負け惜しみ。
正味歩行時間 3時間
アクセス 新宿8:50->立川9:20->八王子9:29->上野原10:04
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